日本よりも便利で手軽?
タイのATM&キャッシュカード

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なぜタイ人は現金をあまり持ち歩かないのか? 会社のスタッフに聞くと、

「タイ人は財布の中に現金があると、あるだけ使ってしまう。だから、その日に使って良いだけの現金しか持ち歩かないようにしているからです。もし足りなかったらATMに行って下ろせばいいですから」。

そんな答えが返ってきた。確かにATMを金庫代りしているタイ人は多い。だから現金をあまり持ち歩かない。バンコクの街中には至る所に銀行のATMがある。24時間利用できて、深夜であっても日本の様に時間外手数料を取られることもない。但し、自分の口座がある銀行以外のATMを規定回数以上利用すると手数料が掛る。だからタイの場合は、同じ場所にいくつものATMが並んで設置されることも珍しくない。日本人からしてみたら非効率な気がする。でも、何台かあるお陰で1台が現金不足で利用中止になっていても慌てずにすむ。だから、普段私が立ち寄るATMは何台か設置されている場所が多い。

また最近のタイのATMは多言語になっていて、英語や日本語、ミャンマー語、中国語などで取引できる機械も多い。なかでも東京三菱UFJ銀行が買収したアユタヤ銀行は、日系だけあって、ほぼ全部のATMが日本語対応になっている。だから最近はアユタヤ銀行に口座を持つ日本人が増えている。

24時間営業、多言語とタイのATMはかなり凄いが、タイのキャッシュカードもなかなかあなどれない。実はタイの銀行が発行する最近のキャッシュカードはデビットカードとしての機能が付いている。ビザやマスターカードが使えるお店なら、クレジットカードとして普通に使えるのだ。ただし、EDCと呼ばれる電子端末が来ている加盟店に限られるが。だからこの手のカードには「エレクトリック・ユース・オンリー」の表記がある。年齢制限もないし、所得審査もない。しかも銀行で口座を開設すると、その場で受け取れ、すぐに利用することができる。この辺の手軽さは日本の銀行以上だ。またタイ国内だけでなく日本や海外でもビザやマスターカードとして使える。そして現金が必要な時は、海外のATMでも手数料が掛るが現金を引き出すこともできる。

とにかく便利の良いタイのキャッシュカードは年会費が300バーツ。日本での価値にすると3000円ほどである。日本の様に時間外手数料も取られず、24時間現金が下ろせて、世界中でクレジットカードとしても使える。これで年会費300バーツは高くはないと思う。

その昔、トラベラーズチェックなるものを持って海外旅行にでたことがある。今では普段使っているキャッシュカード1枚で旅に出る事ができる。なんとも便利な世の中になったものだ。

 

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タイの貧しい子供たちを支えた
『メコン基金』を知っていますか?

1997年当時赴任先の学校

1997年、蒸さんが赴任した当時のタイの学校のようすです

終わった。いや、終えたのだ。私がタイへ来るきっかけとなった民間教育援護機関メコン基金(NGO)。その活動が今年9月で終了した。

メコン基金の事務局は北海道常呂郡佐呂間にあった。タイ東北部にある学校への教育援助を1990年から開始。活動のメインは貧困が理由で学校へ通えない子供たちへの奨学金支給と学校設備の援助である。

その活動は1995年にはラオスにまで活動範囲が広がっていく。ちょうど、その時に私はラオスのビエンチャンのゲストハウスで、メコン基金の代表者である村岡氏と出会ったのだ。大学4年の夏休み、東南アジアを一人旅している時のことだった。

大学の教育学部に在籍していた私には、学校へ行きたくても貧しくて学校へ行けない子供たちがいる、そのことが衝撃的だった。日本では子供たちの登校拒否や引き籠りが問題になっていたころである。日本には学ぶ機会があるのに、学ぼうとしない子供たちがいる。一方、タイの田舎には学びたいのに、貧困ゆえに学べない子供たちがいるのだ。大学卒業を目前に、私は決断した。タイへ行こう。今だからこそ、今でなければできない事がある。大学を卒業した私はメコン基金の一員としてタイへ赴いたのだ。

あれから17年。現地での支援活動は1年ほどで見切りを付け、後方支援へとまわることにした。まずは自分がちゃんと自立できなくては他人の支援などできない。人間、理想だけでは生きていけないのだ。その現実に気付いた。タイで仕事をみつけ、働きながら支援する道を選んだのだ。

奨学金を受けた生徒も今では立派な社会人となっている。タイ人の生活水準も上がり、昔のように貧困ゆえに学校へ行けない子供も少なくなってきた。10年ひと昔とは良く言ったものだと思う。

確かに援助活動を終えるには良い時期なのかもしれない。メコン基金の解散。援助からの卒業。これは喜ぶべきことなのだ。しかし、やっぱり胸の奥には何かしの寂しさや感傷めいたものが渦巻く。

もし、大学生の時にラオスを旅していなかったら。そして大学を卒業して日本で就職していたら。人生はいつどこでどう変わるか分からない。人生は出会い。出会いは縁。いつどこに居ても縁は大事にしなくてはと思う。

ホームスティ先の家

ホームステイ先の家の子供たちとの1コマ

学校での現場作業も

日本からの支援による学校建設の作業も手伝いました

 

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即席麺から垣間見える
タイの事情とタイ人気質

①ママー

タイの代表的な即席麺といえば第一に浮かぶ『ママー麺』

日本人が発明して世界に広めたもの。きっと色々あるはずだが、個人的に、まず思い浮かぶのは”即席麺”と”カラオケ”である。即席麺は、日清食品の創業者である安藤百福氏が発明し、世界に広めた食品なのは有名な話である。

カラオケに関しては諸説あるようだが、その言葉通り日本発祥の娯楽文化であることは間違いない。ここタイでも日本語の読み通り「カラオケ」と呼ばれタイ人も大好きな娯楽のひとつである。

18年前、タイの東北地方に赴いた時、昼間から酒を飲み自宅の軒先でカラオケに興じる現地の人々を見て何とも言えない親近感を覚えたのを今でも覚えている。

そして即席麺にかんしても、どんな田舎に行ってもタイでは売られていて、その浸透ぶりにびっくりした。特に東北部と言われるイサーンでは朝ごはんと間食は玉子を入れた即席麺という人が多い。食文化の豊かなタイで、どうしてこれほどまでに即席麺が食べられているのか? それはやはり貧困と結びついている気がする。1袋6バーツ。日本円で18円。屋台でバーミーと呼ばれるラーメンを食べると最低でも30バーツはする。即席麺はその5分の1の価格だ。タイでは物価の優等生、特に金銭に余裕のない人の”救済食”なのである。

但しタイの袋入り即席麺の麺の量は1袋60g。日本の一般的な即席麺が100gなのに比べ約半分のボリュームしかない。容量を小さくして価格を下げる。これもタイならではのマーケティングの一つなのだと思う。

そしてカップ麺も最近は人気だ。袋入りの即席麺に比べお湯を注ぐだけで食べられる手軽さ。日本と同じくコンビニでは、無料でお湯を注ぐことができる。日本のカップ麺と違うのは、カップの中に必ずフォークが入っていることだ。カップ麺はフォークで食べる。これがタイの常識。タイのコンビニでは箸を無料で配る習慣はないからだ。

そして、出来上がりまでの待ち時間も商品によって違う。タイ人はせっかちなのか? もしくは容量が少ないからなのか? 2分で出来上がる商品もあれば、1分というものもある。もちろん日本と同様3分なものも多い。日本のカップ麺は「3分で出来上がる」という常識はタイでは通用しないのだ。しっかり確認しないと、伸び伸びの麺を食べることになる。

たかが即席麺、カップ麺。でも、そんなところにも、ちゃんとタイらしさが見え隠れしている。

③待ち時間は違う

カップ麺も出来上がり時間はまちまち。左から2分、1分、3分待ちます

②フォーク入り

フォークは折りたたまれて、こんな感じで入っています

 

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知ってました?タイの
「VAT」と「マイナンバー制」

タイの領収書

タイの領収書には商品ごとに課税(T)、または免税(N)が明記されています

日本へ戻るとやっぱりホッとする。時間通りに来るバス。整備された歩道。何を買おうか目移りするコンビニの総菜コーナー。手入れの行きとどいた公園。そしてホテルでも家庭でも蛇口の水をそのまま飲む事ができる。タイではありえない事が、日本では当たり前だったりする。日本を訪れているタイ人の旅行者たちも、きっと彼らなりの「凄い」を日本で見つけているのだろう。

しかし、そんな日本だがタイに負けている面も実はある気がする。日本には消費税があるが、タイには消費税はない。「えっ!」と思われるかもしれない。しかし、これは事実である。飲食店などで加算される7%の税金のことを消費税だと勘違いして、タイにも消費税があると思っている日本人は多い。しかし、あの7%の税金は消費税ではなく付加価値税なのである。英語でValue Added Tax (VAT)と呼ばれるものだ。

タイの付加価値税は文字通り付加価値のあるものに対して基本掛けられる税金である。従って、野菜や精肉、果物、お米など加工されていないものには税金は掛らない。

またタイの場合、新聞や書籍など学術的出版物なども課税の対象外となっている。

付加価値税は消費税と違って国民の生活に欠かせない食料の部分が非課税になるので庶民に優しい税制だと思う。

日本では消費税の引き上げによる救済処置としてマイナンバーを使った税金還付が議論されている。しかし、これは誰が考えてもナンセンスな処置で、現場が混乱するのは目に見ている。しかも還付金額には上限があるのだという。日本もタイの付加価値税の様に食料品など免税品目を設ける方が良いのではなか? タイの税制の方が日本より遥かに優れている気がしてならない。

あとマイナンバーだが、タイではもう何十年も前から普通に使われている。タイ人は16歳になるとバット・パシャション(国民証明証)の交付を受ける。これには国民番号が記載されており、この番号を一生使う事になるのだ。つまりマイナンバーである。この番号は銀行で口座を開設したり、会社に就職したり、結婚したりとあらゆる場で必要になってくる。たとえ海外に居てもパスポートにはID番号が併記され、マイナンバーから離れることはできない。

何かと規則が緩そうなタイだが、実は日本より進んでいる点も結構あるのだ。

 

パスポート

パスポートには、生年月日の横に必ずマイナンバーが記載されています

 

E-TAX

タイではE-TAXが普及。毎月の付加価値税の納付はインターネットから申請し銀行から納税金額を振り込めば完了します

 

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高級店から庶民派まで
バンコクの「ラーメン」大戦争

山小屋ラーメン185B

福岡県香春町に本店がある筑豊ラーメン『山小屋』のラーメンは185バーツ

 

日本人の誰もが愛して止まない。そんな日本の国民食といえばラーメンとカレーではないだろうか。

「ライスカレー人間というのは、現状維持型の保守派が多くて、ラーメン人間というのは欲求不満型の革新派が多い。それはライスカレーが家庭の味であるのに比べてラーメンが街の味だからかもしれない」

寺山修二は著書『書を捨てよ、町へ出よう』(1967年)でこのような一節を残している。カレーライスではなく、ライスカレーという呼び方に時代を感じる。しかし、それぐらい前からカレーとラーメンが日本の国民食だったことが証明されているようで私はこの一節を今でも鮮明に覚えている。

さて、そんな日本人の国民食「ラーメン」がここバンコクで凄いことになっている。なんと120店舗以上のラーメン店がバンコク都内にはあるという。北は北海道、南は熊本まで、日本の各地のラーメンをバンコクで食べる事ができるのだ。ただ面白い事に、醤油味や味噌味で知られる地方のラーメン店にも、必ずと言っていいほど豚骨味のラーメンメニューが用意されている。それはタイ人が醤油や塩といったあっさり系の味よりも、こってりとした味を好むからだ。そう、バンコクのラーメンブームを支えているのは豚骨味なのだ。

福岡県筑豊の『山小屋』は都内だけでなくバンコク国際空港の国内線ゲートにも店舗があり人気だ。

昨年は福岡の『博多一風堂』が高級デパートである<セントラル・エンバシー>に1号店をオープンさせ、半年後には<エンポリアム>にも支店をだした。値段も1杯220バーツからと決して安くはない。しかし今でも週末には両店には行列ができる。ホテルのラウンジのような高級な店内は正直、一人で入るのがはばかられる。今やラーメンは高級料理でもあるのだ。日本の『一風堂』の雰囲気と価格を知っている身としては本当に複雑な心境だ。

そんな高級店があるかと思えば、デパートの地下食堂にブースを構えるラーメン店もある。店の名前もラーメンの名前も『熊本ラーメン』。果たして、どこがどう熊本なのか悩むが味はやっぱり、こってりの豚骨味だった。

果たして、まだまだバンコクのラーメンブームは続くのだろうか? 寺山修二的に考察するとバンコクの人たちは欲求不満型で革新的な人が多いと言う事になるのだろう。確かにと思う。

 

九州じゃんがらラーメン200B

『九州じゃんがらラーメン』は東京の会社。ラーメンは200バーツ

熊本ラーメン95B

謎(?)の『熊本ラーメン』。サヤエンドウが浮いています。このラーメンは95バーツ

 

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タイを訪れた中国人が
「爆買い」するものと言えば

爆買いされるお菓子

「大人買い」という言葉がある。幼少期には、買う事の出来なかったものを、大人になり、経済力がついてからまとめ買いすることをそう呼ぶらしい。具体的には玩具付きお菓子のケース買いや、マンガを全巻一度に購入することなど。これにはなるほどと思った。確かに自分も大人買いしたことがある。

そして、最近気になるのが「爆買い」という言葉だ。これは日本に来た中国人観光客が日本の商品を貪欲に買いあさることを表現している言葉らしい。なぜ爆買いなのか、その根拠は分からないが、説得力のある言葉であることは間違いない。

そんな中国人の爆買いは日本だけかと思っていた。しかし、ここタイでも爆買いする中国人が話題になっている。さすがにタイでは爆買いとは呼ばず、「買占める」と呼ぶが実態は同じらしい。

日系のスーパーには爆買いされた商品の棚に商品入荷待ちの案内が掲げられている事が多い。果たしてタイで中国人は何を爆買いするのか? 実は日系企業がタイで製造しているお菓子なのである。なかでもグリコのポッキー、チョコバナナ味とぺジョイ、クッキー&クリーム味が人気らしい。

元々この2つはタイのローカル向けに作られたお菓子である。しかし、バナナの濃厚な味や中国にはない贅沢感が受けて今や中国人向けの爆買いアイテムの定番なのだという。

ほかに爆買いとまではいかないが、日本人がお土産として買っていく人気のタイのお菓子もある。定番中の定番といえば、ポッキーのトムヤムクン味とラープ味である。日系のスーパーに行くと山積みになっている。確かに日本へ持って行くと喜ばれるアイテムだが、現地のタイ人はあまりおいしくないと言う。やはり本場のトムヤムやラープを食べている人たちにとっては物足りない味なのだろう。

個人的にはロッテのコアラのマーチのマンゴー味がお薦めだ。日本では高級果実のマンゴーの味がしっかり楽しめる。価格も120バーツとお値ごろなのも嬉しい。こちらはタイ人にもおいしいと評判なので、日本にいるタイ人へのお土産にも良いかもしれない。

昔は日本でお菓子を買ってタイの方にプレゼントしたら喜ばれた。でも最近はタイでお菓子を買って日本の方にプレゼントすると喜ばれることが多い。何か逆の流れになってきた感じだ。これもタイが発展してきた証の一つなのかもしれない。

 

日本人に人気のお菓子 コアラのマーチ マンゴー味

 

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呑み助にはつらい4日間?
「禁酒日」は神聖な日

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今年は7月30日が「三宝節」、そして翌日の31日が「入安居」とよばれるカオパンサーだった。三宝節とは旧暦8月の満月の日に仏陀が悟りを開いた日である。悟りを開いた仏陀が弟子たちを集め、「仏」「法」「僧」の三宝を説いたことから三宝節と呼ばれタイでは祭日となる。翌日の入安居は僧侶がこの日から3カ月間修行に籠る最初の日のことだ。祭日ではないが、仏教徒にとっては神聖な日に違いない。

そしてこの2日間はタイ国全土で酒類の販売が法律で禁止される。

「えっ、何?タイには禁酒日なんてあるのかよ?」

自分も確かにそう思った。はじめてタイに駐在した日本人の誰もが驚くのがタイの禁酒日だろう。特に酒好きには辛い。中にはたまたまタイの禁酒日に観光に来て酒が買えなくて、飲めなくてがっかりしたという旅行者もいるかもしれない。

実はこの2日間以外に仏教関連の禁酒日がタイにはあと2日間存在する(つまり合計すると年間4日)。そして仏教関連以外に不定期に訪れるのが選挙前日と当日の禁酒日だ。

選挙に関する禁酒日はお酒による収賄を防ぐのが一番の目的らしい。しかし、人によってはお酒に酔って正確な投票判断ができなくなるのを防ぐためだという人もいる。

日本人にしてみれば選挙の前日と当日が禁酒日とは全く信じがたい話だろう。ましてや選挙権のない外国人なのに酒類の購入が禁止されるのは本当に迷惑な法律でもある。

もし日本で選挙の前日と当日を禁酒日にしたら酒造業界や飲食業界から猛烈な反発運動が起こるに違いない。

いずれにしても、ここはタイなのである。郷に入っては郷に従え。タイに住む以上はタイの法律を守らなければならない。

しかし、禁酒日といえども厳密にお酒を飲む事を禁止しているわけではない。お酒の販売を禁止しているのである。刑罰もお酒を販売した者には科されるが買った者が処罰されることはない。つまり、お酒類は禁酒日の前までに買って置き、自宅でひっそり飲む分には全く問題ないのだ。そう、タイに慣れた酒好き達は当たり前のように禁酒日をそうして乗り越えている。

何はともあれ飲食店にとって禁酒日はつらい。絶対に売上は落ちる。しかし、健全な雰囲気の店内が妙に新鮮だったりもする。不思議なものだ。

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物価高騰と円安バーツ高で
タイの在留邦人は減った?増えた?

ドイステープで出会った山岳民族の子ども

タイに在留する邦人数は6万4000人。この人数は2014年10月の時点で大使館に在留届が出された数と永住者の数をまとめたものだ。観光客や短期出張中の邦人の数は含まない。また中には在留届を出さないままタイに滞在している人もいるだろう。実際には約8万人の邦人がタイにはいるのではないかといわれている。ちなみに6万4000人という数は前年の調査に比べ9%増。タイに住む邦人の数が1割近くも増えているのは正直、意外な気がした。

月に最低2回はチェンマイへ出張する。チェンマイには年金を貰いながらタイで暮らす邦人の長期滞在者が多い。しかし昨年あたりからチェンマイを離れ日本へ帰る長期滞在者の話を良く耳にするようになった。気候もよく、物価もバンコクに比べて安いのがチェンマイだった。そう、「だった」のである。

2年ほど前から最低賃金が300バーツに引き上げられてから、チェンマイの物価は日に日に上がってきている。物によってはバンコクよりも高いものもある。しかし、そんなことより一番にチェンマイの邦人長期滞在者を困らせたのは円安バーツ高ではないだろうか?

3年ほど前の2012年には1万円が3800バーツ程だった。しかし、2013年以降どんどんと円安バーツ高が進み今年に入ってからは1万円が2600バーツまで下がっている。1万円両替して1000バーツ以上も違えば円で生活する人は堪ったものではない。最初のうちは辛抱していた日本人長期滞在者もそろそろ潮時とチェンマイを、タイを離れつつあるのだ。

それなのに、タイに在留する邦人の数はタイ全土では増えている。リタイヤメントといわれる年金暮らしの長期滞在者の数は元々そんなに多くなかったのだろう。

逆にこのバーツ高でタイの輸出産業は好調だ。その恩恵を受けている日系企業も少なくない。またバーツ高を追い風に日本へ行くタイ人の数も増え航空業界や旅行会社は好成績が続いていると言う。個人的にはバーツ高のおかげで日本からの輸入食材が少しずつ安くなっているのは有難い。円安バーツ高は決して悪いことだけじゃないのだ。

チェンマイでは長期滞在者が減り日本人として何とも言えぬ寂しさを感じていた。

しかし、実際には前年比で9%も増えていたとは。人間の感覚と統計の差異。木ではなく森を見る、知る。その大切さを久しぶりに感じた。

ナイトバザール

 

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タイにもしっかりと根付いた
日本の国民食「カレーライス」

CPのカレー中身

蒸一さんおすすめのCPのカレーライス

日本は梅雨が明け、いよいよ本格的な夏の到来だろうか?

日本の夏の暑さはタイの熱帯の暑さよりも過酷な気がする。そう思うのは日本を離れ17年もタイに住んでしまったからだろうか。そんな私でも、子供の頃は日本の夏が待ち遠しかった。一年で一番長い休み、夏休みが来るからだ。そして夏休みというと林間学校と花火大会である。

なかでも林間学校は夏休みの一大イベントだった。海水浴の後に食べるのは決まって「カレーライス」。飯盒で炊いたご飯は焦げくさく、焚火の香りがした。しかし、そんなご飯にカレーはよく合うのだ。逆に考えると、飯盒で炊いたご飯をおいしく食べるのは、カレーが一番なのかもしれない。私にとって夏の思い出の味といえばスイカよりも林間学校のカレーライスなのである。

さて、そんなカレーライスがここタイで、じんわりと根付いてきている。流行りだとかブームといった感じではない。気がつけば冷凍食品コーナーに色々な種類のカレーライスが並んでいるのだ。しかも流行り廃りの多いタイで5年以上も売れ続けるロングセラーのカレーもある。

またスーパーの総菜コーナーでもごく普通にカレーライスやカツカレーが並べられていて逆にびっくりすることがある。あまりにも普通に売られているので見逃してしまうぐらいだ。きっと買って食べているタイ人もカレーライスが日本食だと意識していないだろう。日本人がスパゲティーをイタリアンと思わずに食べているのに近い感じだと思う。

コンビニ大手の『セブンイレブン』では色々なカレーライスがプロモーションメニューとして登場する。そして売れ行きが良かったメニューはレギュラーメニューとなる。『セブンイレブン』のカツカレーは価格も55バーツとお手頃で近所の子供たちの間では人気商品だ。これは食事というより軽食、おやつに丁度いい量だからかもしれない。その辺のマーケット調査力はさすが『セブンイレブン』である。

ちなみに日本人として一番お薦めなのがCPのポークカレーである。1食だいたい85バーツ前後で売られている。安くもなく高くもない絶妙の価格帯だ。冷凍食品なのでレトルトとは違った本格的なポークカレーが味わえる。ご飯がちゃんと日本米なのが日本人として何より嬉しい。

こうしてタイにじわり、じわりと根付く日本のカレー。機会があればぜひタイでお試しあれ。

CPの冷凍カレー

CPの冷凍ポークカレーはこんなパッケージで販売しています

 

セブンのポスター

『セブンイレブン』では入口にポスターを貼って大々的に訴求

カツカレー弁当外観

カツカレー弁当中身

普通のカレーだけではなく、カツカレーだってあるのです

 

 

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日本の食文化をタイに広める
百貨店の催事が花盛り

九州フェア案内

日本でもそうだった記憶がある。百貨店へ行くきっかけや行く楽しみといえば催事じゃないだろうか? 絵画展や地方の特産品フェアなど、趣向凝らした催事はまさに「イベント」である。

ここタイでも事情は同じだ。果たして1年間に何回行われているのか? 正確な回数や予定は分からない。バンコクの日系百貨店、<伊勢丹>では、およそ3か月に1回ぐらいのペースで催事は行われているような気がする。

この伊勢丹での催事を楽しみにしている在タイの日本人は多い。だから、催事の期間中になると「あのフェアに行った?」が挨拶代わりになったりもする。なかでも人気なのが北海道フェアや九州フェアなどといった地方の特産品が海を越えてタイへやって来るフェアだ。

そして、ここ数年は珍味や果物、お土産品だけでなく地方の有名飲食店が実演販売をするコーナーなどもある。日本の本場の味がタイでも気軽に味わえると最近では実演販売を楽しみにしている日本人も多い。

6月27日、土曜日。ちょうどバンコクの<伊勢丹>では九州フェアが行われていた。雨季とは思えない晴天の日の午後、店の従業員と勉強を兼ねてこのフェアへ行ってきた。

催事が行われているのは5階。これは日本でも同じだとおもうが、催事は建物の最上階かその一つ下の階あたりで行われる。業界で「シャワー効果」とか「噴水効果」などと呼ばれる商売の手法だ。催事でたくさんのお客様を最上階に集め、帰りに1階まで店内を歩いてもらい、本来は買う予定のなかったものを買ってもらう。ここが百貨店の催事での儲けどころなのだ。

今回の九州フェアでは鹿児島のラーメン屋である『堂』さんの実演販売が人気を博していた。やはり良い匂いがしてくると食べてみようかと思う。ましてや期間限定。この期間を逃したら次は鹿児島に行って食べなければならない。中には期間中に何度も通うタイ人もいるようだ。日本に行かなくてもバンコクで本場の味が味わえるのだから、通いたくなるのも分かる。ただ価格は日本で食べるよりも高い。ましてやタイの物価を考えるとラーメンといえども高級料理並の価格になる。

ちなみに今回戴いた「極辛味噌チャーシュー麺」は1杯380バーツ。日本円で1370円ほどだった。

フェア会場では辛子明太子や辛子高菜、いか明太子などの辛い珍味系が飛ぶように売れていた。買っているのはタイ人。辛いものが中心とはいえ、九州出身としては、九州の味がタイの人に受け入れられているのは嬉しい。きっと九州へ行きたいと思っているタイ人も大いに違いない。

極辛味噌チャーシューメン

鹿児島のラーメン屋『みそや・堂』の極辛味噌チャーシューメン

実演販売のコーナー

催事とはいえ、メニュー数は実店舗並みに充実

 

 

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