月別アーカイブ: 2016年8月

スーパーを歩けばわかる
日本食の圧倒的な存在感

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今年は関東や東北が台風の当たり年なのだろうか? 台風が来ると一番気になるのが飛行機の事だ。日本からの訪問客の便に台風の影響が出なければ良いのだがと気をもむ。先週も日本から大学生3人が観光に来ることになっていた。空港へ迎えに行ったのだが、飛行機は離陸したが台風の影響で1時間半近く遅れての到着だった。また帰りの便も台風10号を追いかけるような感じで帰っていった。最悪の場合は成田ではなく、別の空港に降りるかもしれない、ダイバードという条件での離陸だった。

そんな台風に振り回された大学生と4日間一緒に過ごした。観光や買物を満喫した彼らが一番びっくりしたのがバンコクに日本食レストランが林立していることだ。「なんでこんあに日本食レストランばかりあるんですか」「なんでタイ人は日本食がこんなに好きなんですか」 なんでだろう。タイに住んでいるともう当たり前の風景なので、こんなものだと思うしかない。もはや日本食はブームではないのだ。もうタイの社会にしっかり溶け込んでいる。ちなみに日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)タイ国支部の発表によるとタイにある日本食レストランの数は2713店で前年比3.6%増だそうだ。

ここまで日本食レストランが増えると日本の食材を買える店も多くなって当然だ。昔からタイ在住の日本人にお馴染みの『フジスーパー』だけでなく、『トップス』や『ビッグC』などのローカルのスーパーでも日本の食材を買うことができる。なかでも凄いのが『マクロ』だ。『マクロ』は業務卸が専業のメガ・スーパーで、日本にも店舗がある『コストコ』のような感じの店舗である。飲食店はもとより、小売店の店主などが商品を仕入れにくる。基本は箱売り、ケース売りで、事前に会員登録して会員カードを掲示しなければ買うことができない。そんな『マクロ』に日本食材の一角が設けられたのは5年ぐらい前だろうか。醤油やドレッシングなど調味料がメインだが、近くの冷凍庫にはタコ焼きや鰻の蒲焼、〆サバ、海老、とび子、ワサビと寿司のネタを中心にかなりの品揃えである。しかも、それらはちゃんと業務用なのだ。そして売れ行きも悪くなく、どんどん回転している感じなのが凄い。ちなみに私もここマクロで週に1回は仕入れをする。

タイで19年前に飲食店をはじめた頃は「無い、無い、無い」の連続だった。今ではこんなところで、こんなモノが買えるのかとビックリする事が多い。タイに日本食店が2713店もあれば当然なのかもしれないが・・・・・・。

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所狭しと商品が並ぶ業務用メガ・ストア『マクロ』

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

意外や意外?仏教国タイに
根付く西洋の縁起担ぎ

13階がないビルの案内板

タイに在住して19年目。日本へ一時帰国した際に、ついついやってしまうことが2つある。一つはタクシーのドアを自分で開けたり、閉めたりすることだ。その度に運転手さんから怪訝そうな顔をされる。タイには自動ドアのタクシーは一台もない。自分で開けて、閉めるのが常識だ。逆に自動ドアになっている日本のタクシーの方が世界的に見ても特異だと思うのだが・・・・・・。

そして2つ目は電話に出る時、つい「ハロー」と言ってしまう事だ。実家に居る時、家の電話でも、ついそれをやってしまった。電話を掛けて来た妹からは「掛け間違ったかと思った」と思わず切られそうになった。

染みついた習慣というのは本当に恐ろしいものだ。

タイでは電話に出る時「ハロー」と言って出る。これは英語の「Hello」から来ている。でもなぜハローというようになったのかは定かではないようだ。この他にもタイ人が普段タイ語の感覚で使う英語はいくつかある。「シュア?」(Sure / 本当・本気)とか「ショー」(Show / 見せる)、「ティービー」(TV / テレビ)などなど。

またタイでは意図的に「13」という数字を使わないことが多い。典型的なのはビルと飛行機。タイ、特にバンコクの高層ビルやマンションには13階がない場合がほとんどだ。実際にはあるのだけれど欠番だったり、AAとか――の表示になっていたりする。そしてタイ国際航空とバンコクエアウェイズには13番という座席が存在しない。また空港の荷物受け取り台も13番は欠番になっている。

ビルの階数や飛行機の座席に13がないのは言うまでもなく、キリスト教徒の方が忌み嫌う番号だからだ。仏教国であり、仏教徒が9割を占めるタイで、そこまでこだわる必要があるのか。日本人である自分は不思議に思った。しかし、これこそがタイ人なりの「おもてなし」であり、気遣いなのだろう。

そういえば、タイ料理にも面白い料理がある。「カオ・パット・アメリカン」だ。日本語に訳すと「アメリカ風炒飯」になる。ケチャップライスに目玉焼きとフライドチキン、ソーセージがセットになった料理である。店によってはハムが添えられていたりもする。要はモーニングセットのトーストがケチャップ・ライスになっただけだが、タイ人は朝だけでなく昼でも夜でも食べる。日本人である私には、お子様ランチようにも見えた。でも食べて見ると案外うまいし、味のバランスも良い。

カオ・パット・アメリカン。この料理にはタイ人のアメリカはきっとこうなんだ!という思いがギュッと詰まっている気がする。

アメリカ風炒飯

これぞアメリカ風チャーハン「カオ・パット・アメリカン」。盛り付けもちょっとおしゃれに。

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

タイでは王女様も夢中!?
根強い人気の切手収集

タイの記念切手

3か月に1回、お店で使える優待券をお客様に郵送している。その際に記念切手を貼って出しているのだが、受け取ったお客様からタイの記念切手がきれいなのにビックリしたという声を頂くことがある。確かにタイの記念切手は綺麗で芸術的なデザインのものが多い。時に使うのがもったいないなぁと思う時があるぐらいだ。
実は中学生の時、切手収集が趣味だった。記念切手が発行されるたびに足早に郵便局へ通っていたのを覚えている。大人になったら「月に雁」や「見返り美人」の切手を買うのが夢だったりもした。しかし、大学進学で実家を離れてからは記念切手を買いに郵便局へ行くことは全くなくなった。切手収集以外の趣味が見つかったからだ。あのころ集めた切手はきっと実家の押し入れの奥に今でも眠っていることだろう。
果たして今、日本には切手収集が趣味だという人が、どれほどいるのだろうか? 趣味の王道ともよばれた切手収集。ここタイでは切手収集が趣味という人は多い。郵便局によっては記念切手専用の窓口があり、切手収集家たちでいつもにぎわっている。収集だけでなく、私のように使うために記念切手を買いに来る人も最近は多いようだ。
窓口の横の壁には発行予定の記念切手の図案と発売日など詳細がポスターになって掲示されている。少なくとも月に1回は新しい記念切手がタイでは発行されているようだ。タイ国内の郵便料金は、はがきが2バーツ、封書が25グラムまで3バーツである。だから発行される記念切手は額面3バーツのものが多い。時に語呂が良いとしてタイ人に人気の5バーツや9バーツの記念切手、そして海外向け絵はがき(航空便)用の15バーツの記念切手も発行されている。とにかくタイの記念切手はバラエティ豊かなのだ。
タイ王室のシリトン王女は、大の切手収集家として国民によく知られている。王女は海外へ出かけると自分宛てに現地の切手を貼った手紙を出すことでも有名だ。そんな王女の収集した切手やタイ国内の切手、そして世界の切手を見ることができる博物館がバンコクにはある。<サムセンナイ切手博物館>だ。
BTSサパンクワイ駅の真ん前にある建物なので迷うことはないと思う。週末にはこの建物の1階で古切手市が行われていて、切手収集家で賑わうようだ。
サムセンナイ博物館、実は話を耳にするだけで、いまだ行かずにいる。そこに行ってしまえば、切手収集に没頭した頃の思いが再発するのではないか・・・・・・。とりあえず今は郵便局どまりの状態なのだ。

タイの郵便局

ひときわ目立つピンクの建物が郵便局です。

 

記念切手告知のポスター

郵便局に入ると記念切手告知のポスターが貼られていました。

 

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」