月別アーカイブ: 2016年3月

商売は決して楽じゃない
だから「危機」を「転機」に

次々とオープンするショッピングモール

バンコク市内には、ショッピング・モールが次々とオープンしています

 

タイは景気が良いのか、悪いのか。果たしてどうなのだろう。政府や金融機関が発表する数字は景気を判断する基準にはなっても、それが全てとは限らない。自動車の販売台数が落ち込んでいても、日本行きの飛行機はタイ人の観光客で満席だったりする。街中では乗用車より高い大型バイクを運転するタイ人の姿も、ちらほら見受けられるようになった。儲かって笑っている人がいれば、損して苦しみ泣いている人もいる。きっといつの世も、どの国でも同じことなのだろう。

さて、こんな話をタイでよく聞く。借りていた店舗の契約更新の時期が来る。すると家賃を倍に上げられた。そして敷金も追加で払わなくてはいけなくなった。とてもじゃないが、事業を続けて行くことができない。泣く泣く事業を撤退せざるを得なかった。そんな話だ。

運もある。景気が良いからとか、悪いとかの問題だけでもない気がする。この国の地主が皆そうだとは思わない。しかし、真綿で首を絞めるような地主もこの国には少なからずいる。タイでは日本と違って、借主の権利など認められないし、保護もされない。これはタイ人同士でも同じだ。

タイで事業に関わって18年目。経営者は孤独だ。決断をすることは苦悩でもある。だが、苦しい時間があってこそ、人が育ち、会社が伸びるのだ。お客様のため、従業員のため、会社のためと思いやってきた事が巡り巡って自分の為になってきた気がする。利己ではなく利他の精神。時には辛く、苦しいかもしれない。それでも自分のためだけに生きることはしない。それは品格のある生き方を身につけることだと思う。いや、そうだと信じてタイで頑張ってきた。しかし、品格より金。それがタイの現実なのだろうか・・・・・・。

実は私も理不尽な家賃の値上げと一向に進まない契約更新に悩まされている。覚悟はしていたが、やはり辛い。しかし、危機は転機でもある。恐がるな。この現実をドキドキしながら突き進んで行こうと思う。成長するチャンスが今、目の前に迫って来ているのだ。

 

高級バイク屋いつもお客が一杯

いつもにぎわっている高級な輸入バイクのお店。景気がいい人はいいのです

 

家賃の値上げに耐えられず撤退したお店

実際に家賃の値上げに耐えられず、撤退したお店。さびしい佇まい

 

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

早くて安いのがモットー?
タイの車検はお手軽です

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雑な仕事に見えますが、車検を受けた証明になる大事な紙テープなのです

日本の3月と言えば年度末で一区切りつけなくてはならない忙しい月である。学生は進級が控えていたり、また卒業を迎えたりすることだろう。しかし、ここタイは一年で一番長い休みである夏休みを迎える月なのだ。だから日本の7月の様な感じである。なにせ一年で一番暑い時期やってくる。そしてタイ正月とも呼ばれるソンクランも来月には控えている。幼稚園に通う我が家の息子は18日が修了式。夏休みになったら日本へ連れて行ってねと毎日のようにおねだりがはじまった。とにかく夏休みが待ち遠しくてたまらないらしい。

さて、そんな3月だが忘れてはいけない事が一つある。車の車検だ。去年は車検を受けずに陸運局へ行ってしまい出戻りになった。タイの場合は新車を購入してから7年目を迎えると車検を受ける必要がある。逆にいえば車を買ってから6年間は車検を受ける必要がない。だから、つい車検を忘れてしまうのだ。

日本で車検を受けると車種にもよるが、それなりに時間と費用がかかる。しかし、タイの車検はいたって簡単だ。街中にある陸運局認定の民間車検場に車を持ち込む。そして係員に自動車登録証を差し出し車検を受けたい旨を伝えるだけで良い。装備や装置の点検、そして足回り、ブレーキなどの点検のあと排ガスのチェックをすれば検査は完了。最後に車両から車両番号を紙テープに写し取る。なんとも原始的な手法だが、この車両番号を転写した紙テープが実は車検で一番重要なのだ。車検終了証書に、その紙テープが付いていなければ証書として通用しないからだ。

今回の車検は午後の3時過ぎに行ったので待つ必要もなく約30分で終了。空調の効いた待合室で待っているとあっという間に終わる。そして検査の費用はたったの200バーツ(700円)だ。安い。日本の車検の様に部品交換などは全くしてくれない。必要最低限の検査だけなのだ。でも、それで十分じゃないかと思う。

ちなみに車検にかかった時間は30分だったが、事務所から車検場まで行くのに30分、そして車検場から事務所へ戻るのにかかった時間は1時間半。たった30分のために2時間の時間を犠牲にしなければならない。バンコク市内を車で移動するという事はそう言う事なのだ。

学校が夏休みに入るとバンコクの渋滞は幾分緩和される。あぁ早く夏休みよ来てくれ。息子じゃないが夏休みが待ちどおしい。

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中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

たどり着くのもひと苦労
年に一度の入管参り

ビザ延長のスタンプ

今年も、またその日がやってきた。朝8時。自宅から一番近い高架鉄道(BTS)の駅、プロンポン駅へ向かう。噂には聞いていたが、朝の高架鉄道は東京の通勤電車並みの混み具合だ。あまりの混雑にびっくりしながらも隙間を見つけて体を車内へ潜り込ませる。とりあえず終点のモーチット駅まで移動。約30分で着いたが、実はここが最終目的地ではない。モーチット駅からはタクシーに乗り換えてスーンラチャカン(政府合同庁舎)があるジェンワッタナへ向かう。渋滞はしていないが、それでも30分は掛かる距離だった。なにせ合同庁舎の敷地の中が広い。日本の団地が2つから3つは収まるぐらいの広さなのだ。だから、その敷地内で行く先を間違えると、とんでもないことになる。

私が向かったのは入国管理局の庁舎。その日は1年に1度の入国管理局へ出頭する日だったのだ。入国管理局への出頭は業務ビザの更新には欠かせない。ビザ延長のための書類審査と簡単な質疑応答、そして写真撮影が行われる。それに掛かる時間は15分程だろうか。しかし、その順番が来るまでが大変なのだ。私が受け取った待ち番号札は「643番」。その時点で窓口が呼び出している番号は「223番」。約420人待ちだった。最終的に掛かった待ち時間は、おおよそ2時間半。書類の最終確認をして署名をした後は、普段はなかなかできない読書に没頭することができた。毎年のことなので、その辺は心得ている。人によっては、朝方行って終わったのは夕方という人もいる。私は朝方着き、なんとか正午過ぎに入国管理局を後にすることができた。

肝心のビザは延長が認められる予定だが、とりあえず審査中ということで1か月の延長の許可をもらう。正式に1年のビザが下りるのは来月になる。やはりここはタイ。そうすんなりと事は進まないのだ。

タイで外国人が働くには就労ビザに加え労働許可証が必要になる。まずは就労ビザを取得、または延長してから、労働許可を取るか延長する。それが一般的な流れだ。就労ビザは入国管理局。労働許可証は労務省と管轄が違う。それぞれの庁舎へ出向いて手続きが必要になる。ややこしい。そもそも、日本には労働許可証という制度がない。だから日本人の中には就労ビザを取得すればタイで働けると勘違いしている人もいる。注意が必要だ。

さて毎年の入国管理局参り。ここの官舎の中庭が凄い。無意味とも思える空間が広がっている。正直、東京ドームに行ったことはない。だから憶測だが、ドーム2個分ぐらいの無意味な空間が広がっているのだ。もし意味があるとすれば、失業対策だろうか。これだけの敷地内を掃除、維持するには最低でも20人は必要だろうなと、お節介な想像をしてしまう。やっぱりタイはアメージングな国だ。

入管の中庭

ただっ広い入管の中庭。横断するのも大変そうです

入管のビザ部門

ようやくたどり着いた入管のビザ発給部門

 

中村蒸一 Profile

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