月別アーカイブ: 2015年6月

日本の食文化をタイに広める
百貨店の催事が花盛り

九州フェア案内

日本でもそうだった記憶がある。百貨店へ行くきっかけや行く楽しみといえば催事じゃないだろうか? 絵画展や地方の特産品フェアなど、趣向凝らした催事はまさに「イベント」である。

ここタイでも事情は同じだ。果たして1年間に何回行われているのか? 正確な回数や予定は分からない。バンコクの日系百貨店、<伊勢丹>では、およそ3か月に1回ぐらいのペースで催事は行われているような気がする。

この伊勢丹での催事を楽しみにしている在タイの日本人は多い。だから、催事の期間中になると「あのフェアに行った?」が挨拶代わりになったりもする。なかでも人気なのが北海道フェアや九州フェアなどといった地方の特産品が海を越えてタイへやって来るフェアだ。

そして、ここ数年は珍味や果物、お土産品だけでなく地方の有名飲食店が実演販売をするコーナーなどもある。日本の本場の味がタイでも気軽に味わえると最近では実演販売を楽しみにしている日本人も多い。

6月27日、土曜日。ちょうどバンコクの<伊勢丹>では九州フェアが行われていた。雨季とは思えない晴天の日の午後、店の従業員と勉強を兼ねてこのフェアへ行ってきた。

催事が行われているのは5階。これは日本でも同じだとおもうが、催事は建物の最上階かその一つ下の階あたりで行われる。業界で「シャワー効果」とか「噴水効果」などと呼ばれる商売の手法だ。催事でたくさんのお客様を最上階に集め、帰りに1階まで店内を歩いてもらい、本来は買う予定のなかったものを買ってもらう。ここが百貨店の催事での儲けどころなのだ。

今回の九州フェアでは鹿児島のラーメン屋である『堂』さんの実演販売が人気を博していた。やはり良い匂いがしてくると食べてみようかと思う。ましてや期間限定。この期間を逃したら次は鹿児島に行って食べなければならない。中には期間中に何度も通うタイ人もいるようだ。日本に行かなくてもバンコクで本場の味が味わえるのだから、通いたくなるのも分かる。ただ価格は日本で食べるよりも高い。ましてやタイの物価を考えるとラーメンといえども高級料理並の価格になる。

ちなみに今回戴いた「極辛味噌チャーシュー麺」は1杯380バーツ。日本円で1370円ほどだった。

フェア会場では辛子明太子や辛子高菜、いか明太子などの辛い珍味系が飛ぶように売れていた。買っているのはタイ人。辛いものが中心とはいえ、九州出身としては、九州の味がタイの人に受け入れられているのは嬉しい。きっと九州へ行きたいと思っているタイ人も大いに違いない。

極辛味噌チャーシューメン

鹿児島のラーメン屋『みそや・堂』の極辛味噌チャーシューメン

実演販売のコーナー

催事とはいえ、メニュー数は実店舗並みに充実

 

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

バンコク人々にとっての
「おふくろの味」って?

お持ち帰りコーナー

月に一度その日はやって来る。お弁当会。息子が昨年の10月から日本人部のある幼稚園に通い始めた。通常、園での昼食は栄養士さんの献立による給食である。しかし、月に一度だけお弁当を持参して皆で食べる日が設けられているのだ。

タイ人の嫁さんは日本のお弁当という習慣を知らない。弁当を作って持っていた事もない。だからお弁当会の日が来ると父親である私が息子の弁当を作ることになる。職業柄、料理をすることに抵抗はないが、早起きしなければならないのは正直辛い。そして子供は何より偏食で、好き嫌いがあるので困る。

これなら大丈夫だろう。自信満々で持たせた弁当が、ほとんど食べられる事も無く返って来た日はかなりへこむ。普段2本のビールが3本、4本になる日はそんな日だ。

日本では学校や職場に弁当を持って行く習慣がある。しかし、バンコクにすむタイ人には弁当を持って行く習慣はない。お昼は外に買いに出るか、もしくはお店で食べるのが普通である。そもそも、普段の生活でもバンコクでは自炊する人が少ない。自炊するよりも外で食べたり、外で買ってきて家や事務所で食べる方が断然安上がりなのである。しかも調理する時間も手間もかからない。

スーパーには日本と同じようなお総菜コーナーがあって時間帯によっては出来たてのお惣菜を買う事ができる。そして路地中に入ると串焼きやソンタム、鶏のから揚げなど色々な屋台が並ぶ。食べるものを探すのに苦労することがバンコクでは全くない。また普通の食堂でも店頭にお持ち帰り用のコーナーを設けている店が多い。店内の席数は限られている。同じ料理でもお持ち帰りしてもらったほうがお店としては営業効率が良かったりする。だから食堂へ入るとマクドナルドみたいに、ここで食べるのか、それとも持って帰るのか聞かれる場合が多い。

そんな事もあってバンコク市内にあるタイ人向けのアパートには台所が無い。台所を付ける必要がないのだ。その代わりにアパートの1階に食堂があることが多い。内線電話で料理を頼むと部屋まで持ってきてくれる。私が7年間住んだ安アパートもそうだった。最初は、こんな安アパートでルームサービスかよ!とびっくりしたものだ。

バンコクの人にとってお袋の味は、住んだアパートの食堂や行きつけの屋台の味になるのだろうか?

タウンハウスへ引っ越して5年。いまだに昔のアパートへご飯を食べに行く嫁さんを見ると、そう思わざるを得ない。

屋台のお惣菜

街角の惣菜屋には、お昼時になると次から次へと客がやって来ます

スーパーのお総菜コーナー

ズラリと惣菜が並ぶスーパーマーケット。日本と変わらない光景です

タイ料理だけど安い

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

タイ人スモーカーにとって
日本はパラダイス!?

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日本行きの航空券がなかなか取れない。取れても高いクラスの航空券しか買えない事が多い。2年ほど前からタイ人がビザなしで日本へ行けるようになった。安いクラスの航空券はタイの旅行代理店が一気に買い占めるらしい。日本へ旅行するタイ人が増えるのは嬉しいが、ちょっと複雑な気分である。
ただ、日本出張の際に会社のタイ人スタッフを気軽に同行させることができるのは、やはり有難い。昔はビザの書類を用意するだけで1日掛かりの仕事だった。だから、ビザの取得が要なくなってからは、タイ人スタッフを出来る限り日本へ連れて行くようにしている。やはり日本で本場の居酒屋の味やサービスを体験してもらうのが一番だからだ。「百聞は一見しかず」である。
タイ人スタッフと日本へ行くと彼らが一番びっくりするのが自動販売機の多さである。もちろん日本の居酒屋にも感激、感動してくれるが、やはり街中にあふれる自販機が気になるらしい。自販機の数もそうだが、自販機で売られている物の種類にも彼らは、かなり吃驚する。缶ジュースだけでなく、カップ麺やアイスクリーム、たこ焼き、弁当など確かに日本は自販機で買う事ができるものが沢山ある。タイでは絶対にお目にかかれない機械だ。なかでも煙草の自販機はとりわけ珍しいらしい。タスポというカードが無いと購入できない自販機が多いが、そのシステムにさえ彼らは感動してくれる。やはり日本は凄い国だと。
日本は法律で20歳未満の喫煙は禁じられている。タイやマレーシア、ラオスは18歳未満、ベトナムはちょっと早く16歳未満と法律で喫煙が規制されているようだ。そんな基本的な規制以外にタイには煙草にまつわる規制が実は多い。なかでも強烈なのは煙草に表示する健康被害への警告義務である。
2013年までは煙草のパッケージの50%を警告表示が占めていた。しかし昨年からは法律が改正になり煙草のパッケージの85%に警告表示を入れなければならなくなった。パッケージの85%を警告表示が占めると一体何の銘柄なのか分かりにくい。これでは煙草会社や販売業者から非難の声があがってもおかしくない。
日本には煙草の自動販売機がある。でも、煙草には、おぞましい警告画像はない。タイには煙草の自販機はない。でもおぞましい警告表示がある。
煙草を吸うタイ人スタッフが日本で呪文のように呟いていた。やっぱり煙草を買うのも吸うのも日本の方が良いらしい。
ちなみにタイの喫煙率は27%。日本は減ったとはいえ30%。タイの方が低いのは、あのおぞましい警告表示の効果なのだろうか?

 

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中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」