スーパーを歩けばわかる
日本食の圧倒的な存在感

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今年は関東や東北が台風の当たり年なのだろうか? 台風が来ると一番気になるのが飛行機の事だ。日本からの訪問客の便に台風の影響が出なければ良いのだがと気をもむ。先週も日本から大学生3人が観光に来ることになっていた。空港へ迎えに行ったのだが、飛行機は離陸したが台風の影響で1時間半近く遅れての到着だった。また帰りの便も台風10号を追いかけるような感じで帰っていった。最悪の場合は成田ではなく、別の空港に降りるかもしれない、ダイバードという条件での離陸だった。

そんな台風に振り回された大学生と4日間一緒に過ごした。観光や買物を満喫した彼らが一番びっくりしたのがバンコクに日本食レストランが林立していることだ。「なんでこんあに日本食レストランばかりあるんですか」「なんでタイ人は日本食がこんなに好きなんですか」 なんでだろう。タイに住んでいるともう当たり前の風景なので、こんなものだと思うしかない。もはや日本食はブームではないのだ。もうタイの社会にしっかり溶け込んでいる。ちなみに日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)タイ国支部の発表によるとタイにある日本食レストランの数は2713店で前年比3.6%増だそうだ。

ここまで日本食レストランが増えると日本の食材を買える店も多くなって当然だ。昔からタイ在住の日本人にお馴染みの『フジスーパー』だけでなく、『トップス』や『ビッグC』などのローカルのスーパーでも日本の食材を買うことができる。なかでも凄いのが『マクロ』だ。『マクロ』は業務卸が専業のメガ・スーパーで、日本にも店舗がある『コストコ』のような感じの店舗である。飲食店はもとより、小売店の店主などが商品を仕入れにくる。基本は箱売り、ケース売りで、事前に会員登録して会員カードを掲示しなければ買うことができない。そんな『マクロ』に日本食材の一角が設けられたのは5年ぐらい前だろうか。醤油やドレッシングなど調味料がメインだが、近くの冷凍庫にはタコ焼きや鰻の蒲焼、〆サバ、海老、とび子、ワサビと寿司のネタを中心にかなりの品揃えである。しかも、それらはちゃんと業務用なのだ。そして売れ行きも悪くなく、どんどん回転している感じなのが凄い。ちなみに私もここマクロで週に1回は仕入れをする。

タイで19年前に飲食店をはじめた頃は「無い、無い、無い」の連続だった。今ではこんなところで、こんなモノが買えるのかとビックリする事が多い。タイに日本食店が2713店もあれば当然なのかもしれないが・・・・・・。

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所狭しと商品が並ぶ業務用メガ・ストア『マクロ』

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」