バンコク人々にとっての
「おふくろの味」って?

お持ち帰りコーナー

月に一度その日はやって来る。お弁当会。息子が昨年の10月から日本人部のある幼稚園に通い始めた。通常、園での昼食は栄養士さんの献立による給食である。しかし、月に一度だけお弁当を持参して皆で食べる日が設けられているのだ。

タイ人の嫁さんは日本のお弁当という習慣を知らない。弁当を作って持っていた事もない。だからお弁当会の日が来ると父親である私が息子の弁当を作ることになる。職業柄、料理をすることに抵抗はないが、早起きしなければならないのは正直辛い。そして子供は何より偏食で、好き嫌いがあるので困る。

これなら大丈夫だろう。自信満々で持たせた弁当が、ほとんど食べられる事も無く返って来た日はかなりへこむ。普段2本のビールが3本、4本になる日はそんな日だ。

日本では学校や職場に弁当を持って行く習慣がある。しかし、バンコクにすむタイ人には弁当を持って行く習慣はない。お昼は外に買いに出るか、もしくはお店で食べるのが普通である。そもそも、普段の生活でもバンコクでは自炊する人が少ない。自炊するよりも外で食べたり、外で買ってきて家や事務所で食べる方が断然安上がりなのである。しかも調理する時間も手間もかからない。

スーパーには日本と同じようなお総菜コーナーがあって時間帯によっては出来たてのお惣菜を買う事ができる。そして路地中に入ると串焼きやソンタム、鶏のから揚げなど色々な屋台が並ぶ。食べるものを探すのに苦労することがバンコクでは全くない。また普通の食堂でも店頭にお持ち帰り用のコーナーを設けている店が多い。店内の席数は限られている。同じ料理でもお持ち帰りしてもらったほうがお店としては営業効率が良かったりする。だから食堂へ入るとマクドナルドみたいに、ここで食べるのか、それとも持って帰るのか聞かれる場合が多い。

そんな事もあってバンコク市内にあるタイ人向けのアパートには台所が無い。台所を付ける必要がないのだ。その代わりにアパートの1階に食堂があることが多い。内線電話で料理を頼むと部屋まで持ってきてくれる。私が7年間住んだ安アパートもそうだった。最初は、こんな安アパートでルームサービスかよ!とびっくりしたものだ。

バンコクの人にとってお袋の味は、住んだアパートの食堂や行きつけの屋台の味になるのだろうか?

タウンハウスへ引っ越して5年。いまだに昔のアパートへご飯を食べに行く嫁さんを見ると、そう思わざるを得ない。

屋台のお惣菜

街角の惣菜屋には、お昼時になると次から次へと客がやって来ます

スーパーのお総菜コーナー

ズラリと惣菜が並ぶスーパーマーケット。日本と変わらない光景です

タイ料理だけど安い

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

タイ人スモーカーにとって
日本はパラダイス!?

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日本行きの航空券がなかなか取れない。取れても高いクラスの航空券しか買えない事が多い。2年ほど前からタイ人がビザなしで日本へ行けるようになった。安いクラスの航空券はタイの旅行代理店が一気に買い占めるらしい。日本へ旅行するタイ人が増えるのは嬉しいが、ちょっと複雑な気分である。
ただ、日本出張の際に会社のタイ人スタッフを気軽に同行させることができるのは、やはり有難い。昔はビザの書類を用意するだけで1日掛かりの仕事だった。だから、ビザの取得が要なくなってからは、タイ人スタッフを出来る限り日本へ連れて行くようにしている。やはり日本で本場の居酒屋の味やサービスを体験してもらうのが一番だからだ。「百聞は一見しかず」である。
タイ人スタッフと日本へ行くと彼らが一番びっくりするのが自動販売機の多さである。もちろん日本の居酒屋にも感激、感動してくれるが、やはり街中にあふれる自販機が気になるらしい。自販機の数もそうだが、自販機で売られている物の種類にも彼らは、かなり吃驚する。缶ジュースだけでなく、カップ麺やアイスクリーム、たこ焼き、弁当など確かに日本は自販機で買う事ができるものが沢山ある。タイでは絶対にお目にかかれない機械だ。なかでも煙草の自販機はとりわけ珍しいらしい。タスポというカードが無いと購入できない自販機が多いが、そのシステムにさえ彼らは感動してくれる。やはり日本は凄い国だと。
日本は法律で20歳未満の喫煙は禁じられている。タイやマレーシア、ラオスは18歳未満、ベトナムはちょっと早く16歳未満と法律で喫煙が規制されているようだ。そんな基本的な規制以外にタイには煙草にまつわる規制が実は多い。なかでも強烈なのは煙草に表示する健康被害への警告義務である。
2013年までは煙草のパッケージの50%を警告表示が占めていた。しかし昨年からは法律が改正になり煙草のパッケージの85%に警告表示を入れなければならなくなった。パッケージの85%を警告表示が占めると一体何の銘柄なのか分かりにくい。これでは煙草会社や販売業者から非難の声があがってもおかしくない。
日本には煙草の自動販売機がある。でも、煙草には、おぞましい警告画像はない。タイには煙草の自販機はない。でもおぞましい警告表示がある。
煙草を吸うタイ人スタッフが日本で呪文のように呟いていた。やっぱり煙草を買うのも吸うのも日本の方が良いらしい。
ちなみにタイの喫煙率は27%。日本は減ったとはいえ30%。タイの方が低いのは、あのおぞましい警告表示の効果なのだろうか?

 

<<↓えぐいタイのタバコのパッケージ。閲覧注意!!!!!>>

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タイに雨季が来ると
忙しくなる人々

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この程度の雨は、まだまだ序の口です

買い替えるか、修理をするか。但し修理をする場合は部品が届くまで1週間かかる。その間、携帯電話無しという訳にはいかないし・・・・・・。迷った挙句、新品のiPhoneを買い、壊れたものも修理をしてから手放すことにした。

ソンクランが終わった4月後半。こんな話を現地に住む日本人からちょくちょく聞く。その度に、『風が吹けば桶屋が儲かる。』、この諺が脳裏をかすめるのだ。

ソンクランは「水掛け祭」とも呼ばれる。タイに来たばかりの日本人ばかりじゃない。意外とタイ人でもソンクラン期間中に携帯電話を水で駄目にしてしまう人が多い。ソンクランが終わると街中の携帯電話屋さんは大忙し。まさに稼ぎ時なのだ。

そういえば、もうひとつソンクランが終わると忙しくなる業種の人がいる。ソンクランに前後してタイには本格的な雨季がやって来る。この雨季につきものなのが洪水だ。たった1時間の雨でも場合によっては路地のあちこちが冠水して車が往来できなくなることも少なくない。

日本から3月に赴任してきた人のなかには、この雨季になって、はじめて自分のマンションの前が洪水することに気づく人も出てくる。或いは自宅の前は洪水にならなくても、自宅にたどり着くまでの道路が冠水して家に中々帰りつけないという人も出てくる。

こうなると部屋を移りたいと思う人が増えてくる。だから雨季になると日系の不動産屋さんは忙しくなるのだ。

有難いことにタイの場合は不動産屋さんに部屋を紹介して貰っても借り手が仲介料を取られることはない。貸し手である大家さんが不動産屋さんに借り手紹介料という形でお金を払うのがタイの不動産業のスタイルなのである。だから部屋を替わるのは基本無料。それどころか、契約する家賃によっては家電製品が無料で付いてくる場合もある。また、引っ越しに掛る移動費を負担してくれる場合だってあるのだ。まさに至れり尽くせり。そんな事情も相まって、雨季の不動産屋さんは大忙しなのである。

バンコクで部屋を探す時は大雨の後が良し。もしタイ語が堪能なら大雨の後でなくても、物件の近くで待機しているバイクタクシーの運転手にこの辺は洪水にならないか聞いてみることをお忘れなく。

 

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この時期は、不動産屋さんの広告にも力が入っています

 

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黄色い声に包まれる
タイの徴兵検査

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Photo from: The Military Recruitment Center in Thailand

 

ソンクランが終わった。今年は5連休。会社によっては1週間休むところもあったようだ。やっとバンコクらしくなってきたなと感じたのは週明けの月曜日だった。

このソンクランが終わると話題になるが徴兵のことである。日本と違ってタイは徴兵制があり男性は21歳になると徴兵検査を受けなければならない。この徴兵検査が行われるのが毎年4月なのである。今年は4月1日から12日だった。丁度ソンクランの時期に重なる年もある。

この徴兵検査でよく話題になるのは検査に訪れる綺麗な女性たちレディーボーイ(おかま)の存在である。戸籍上は男性であるので徴兵の検査を受ける義務が彼女(彼)らにはあるのである。もちろん検査では兵役免除となる。理由は書くまでもないが・・・・・・。ちなみに以前は「精神障害」という判定でレディーボーイは兵役免除となっていた。しかし、検査での結果が、その後の就職活動にも影響を与えることから2012年より「性同一性障害」という判定をするようになったようだ。

ほか兵役が免除になるのは大学院生、僧侶、障害や病気を抱える者となっている。

そして徴兵検査に合格した者が全員兵役につくわけではない。合格者からまずは志願者を募る。そして足りない人員に関しては、何とくじ引きで決めるのである。黒紙を引けば兵役免除。赤紙を引けば2年間の兵役となる。まさに運命の一瞬なのだ。

兵役に就くと基地内の寮に住み、厳しい軍隊生活を送らなければならない。特に海軍は訓練や規律が厳しいと言われ、海軍の入隊がくじで決まると、その場で卒倒する者も出てくる。そんなドキュメンタリーな映像が毎年ニュースとしてテレビから流れてくる。

男性の身分証明書を持つ艶めかしい女性たち、入隊が決まり卒倒する人・・・・・・。徴兵制のない日本人男性には到底理解できないことだらけのタイの風物詩、徴兵検査なのである。

ちなみに、なぜタイにはレディーボーイが多いのか?その理由の一つにタイには徴兵制度があるからだという人が居る。あながち外れてはいないかもしれない。

 

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Photo from: The Military Recruitment Center in Thailand

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チェンマイのおもなアクティビティ

チェンマイ ミニ・サファリ 

オプショナル・ツアーの一番人気は1日ツアーの『ミニ・サファリ』。エレファント・トレッキングや川下り、牛車体験などでチェンマイの自然を満喫できます

 古都、チェンマイは自然も文化も楽しめます

13世紀末に成立したランナー王朝の都として栄えた街、チェンマイ。現在も古都の風格をたたえ、バンコクとはまた違った落ち着いた空気が流れています。より深くこの美しい街と北部タイのことを知ることができるオプショナル・ツアーをご案内しましょう。気軽に参加できる半額ツアーからがっつり楽しめる1日ツアーまで、ご興味に応じて選べます。

※チェンマイにある当社の協力会社『ランベル・ツアー』が募集・催行します。

※各ツアーの参加料金は人数によって変動します。

1DAY=1日ツアー、HALF=半日ツアー、NIGHT=夜催行ツアーの意味です。

 

#1 ゾウに乗って森を行くミニサファリ 1DAY

チェンマイの自然を満喫したい方におすすめのツアーです。ゾウの背中に乗って川を渡り、山道を上るエレファント・トレッキングに、エレファント・ショー鑑賞、イカダでの川下り、牛車での農村散策、少数民族リス族の村とオーキッド・ファーム訪問を組み合わせた欲張りなツアーです。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

 

#2 愛嬌あるゾウに拍手喝采エレファント・キャンプ HALF

市内から30kmほど離れた山あいにある<エレファント・キャンプ>を訪れます。ここにいるゾウたちはとても賢く、披露してくれる芸も多彩。ショーの後は、子ゾウにエサをあげてください(ゾウ乗りは別料金のオプションとなります)。帰りには蘭園に立ち寄って色とりどりの花を愛でましょう。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

 

 

#3 チェンマイを代表する寺院<ドイ・ステープ>へ HALF

チェンマイ市街地から西側にあるステープ山の頂上に鎮座する<ワット・プラタート・ドイ・ステープ>は、「ドイ・ステープを見ないとチェンマイを来たことにならない」とまで言われる名刹です。門から山頂に続く306段の石段、金色に輝く仏塔、チェンマイを一望する展望台など見どころたっぷりです。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

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#4 サンカンペーン温泉と手工芸の村 HALF

チェンマイ郊外のサンカンペーンでは天然の温泉が湧出しています(入浴は別途料金/水着着用)。足湯を備えた公園もあるのでのんびり過ごしましょう。手工芸の村には、タイ・シルク、美しい陶磁器セラドン、銀製品の工房が軒を連ねています。製品の購入はもちろん、工房も見学可能です。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

 

#5 夜の動物園<ナイト・サファリ>にワクワク NIGHT

<チェンマイ・ナイト・サファリ>は夜のみ開園する動物園です。1.3㎢の敷地内にはおよそ130種、1800頭の動物たちが暮らしています。園内は3つのゾーンに分かれ、徒歩やトラム(専用バス)でめぐります。ライトアップされたメリー・ゴーラウンドなど、幻想的な風景も楽しめますよ。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

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#6 『カントーク・ディナー』でタイ北部の伝統料理と舞踏を満喫 NIGHT

『カントーク』とは、低くて丸い食卓のこと。結婚式など特別な行事の際の食事に使用します。床に座り、カントークに並べられるタイ北部の伝統的な宮廷料理の数々を味わいながら、優雅なダンスショーを鑑賞るのが『カントーク・ディナー』。最後はお客さんも一緒に踊りフィナーレを迎えます。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ

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#7 世界遺産スコータイ&シーサッチャナライ史跡 1DAY

タイが誇るユネスコ登録世界遺産のひとつ、スコータイの遺跡を訪ねます。スコータイはタイ族最初の王朝が開かれた、タイ人にとっては心のふるさとのような場所です。このツアーでは、スコータイ近郊の丘に囲まれたシーサッチャナライにも足を運びます。ここでも200以上の遺跡を見ることができます。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

 

#8 国境の町、メーサーイとゴールデン・トライアングル 1DAY

メーサーイはミャンマーとの国境にある町です。国境近くのエリアには露店がひしめきあい、さまざまな商品をチェンマイよりも格安で販売しています。オプショナルでミャンマーに入国することもできます。その後は、かつてはアヘンの産地であった『黄金の三角地帯』や、チェンラーイに建つ白亜の寺院などにご案内。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

 

#9 個性豊かな山岳民族の7つの村を歩く 1DAY

<チェンマイ山岳民族博物館>でタイに住む山岳民族の生活や文化について学んだ後、チェンマイ郊外にある山岳民族の村を7つめぐります。輪を付けて首を長くする慣習をもつカレン族、繊細な刺繍を施した民族衣装で知られるミャオ族(モン族)など、それぞれの民族が培ってきた伝統を1日で見ることができます。

>>料金などの詳細はこちらから ランベルツアーWEBページ 

11か月ぶりに解除!
タイの戒厳令

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バンコクの街はソンクランの飾りつけで華やかさを増しています

ひとつの言葉が持つ重みの違い。それを一番に感じたのが「戒厳令」という言葉だ。日本で戒厳令が発令されたのは、日比谷焼打ち事件、関東大震災、二・ニ六事件の3回のみ。歴史的な一大事の中に日本の戒厳令はある。だから戒厳令という言葉に対して日本人がもつイメージは、「非常事態」というものではないだろうか? しかし、ここタイの戒厳令はどうだろう? 確かに法的な強制力は強いが、それほどの脅威や非常事態性を戒厳令という言葉に感じているタイ人は少ないように思う。
4月1日、タイの現政権は昨年5月20日から続いていた戒厳令を約11か月ぶりに解除した。タイで戒厳令が解除になったということより、これまでタイが戒厳令下にあったという事実。それに驚いた人が多かったのではないだろうか。自分を含めて。
何はともあれ、タイは政治と経済の距離感が日本とは違う。政治は政治。経済は経済。そんな微妙なバランスがこの国はある。その事をこの国の国民は良く分かっている。
政治的な混乱によって観光面などに多少、経済的影響が出るが、景気が凄く落ち込むかというとそうでもない。逆に円安、バーツ高を追い風に日本へ旅行するタイ人は年々増えている。
先月、福岡県の観光関係者からタイでのJR九州レールパスの購入者が前年比の18倍だったと聞いた時は、1.8倍の間違いではないかと聞き返したぐらいだ。それぐらい、日本へ旅行するタイ人が増えているのである。入国査証の免除やジェットスターなどのLCCの就航も日本観光の裾野を広げてくれてはいるだろう。しかし、根底にあるのはタイの景気の良さである。決してタイの景気は悪くないのだ。
いよいよはじまるソンクラーン。この期間中に海外旅行へ出かけるタイの旅行者数の予想は40万人で、人気の渡航先トップは日本だと言う。
タイが風邪を引けば日本が咳をする。そんな時代が遅からず来るのかもしれない。

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中村蒸一 Profile

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古都チェンマイを襲う
煙害の正体

チェンマイのお寺

気温41℃。チェンマイ国際空港の温度計を見て思わずため息がでた。バンコクの事務所を出る時、車の温度計は34℃だった。まさか北部であるチェンマイがバンコクより暑いとは・・・・・・。

しかし、その暑さより吃驚したのはチェンマイの空気の悪さだった。この時期になると毎年のように発生するタイ北部の煙害。今年は例年以上に酷いようだ。実際、2日間ほど仕事でチェンマイに滞在が、その間、酷いくしゃみと鼻水に悩まされた。また呼吸器系の不快感も若干あった。これはいつものチェンマイと違うな。街中を行き交う人が皆マスクを付けている理由を身を持って理解することになった。

この煙害は10年以上も前からタイ政府を悩ませている。タイ正月であるソンクランの直前になるとタイ北部の農村地帯では広大な規模で焼畑が行われる。これが大規模な山火事へと繋がり、酷い煙害となるのだ。

今年もチェンライ空港ではこの煙害による視界不良が原因で空港閉鎖が数日続いた。健康被害だけでなく、飛行機の発着にまで影響を及ぼしているのである。

そんな事もあって、タイでは焼畑は法律で禁止されている。違反者には罰金1万バーツから10万バーツ、もしくは5年から7年の懲役が科されることになっている。それなのに、なぜ焼畑は減らず、毎年のように煙害は酷くなるのか。それはタイ北部に住む農民のほとんどが焼畑によって農地を元の状態に戻すことができると信じているからだろう。もちろん、焼畑はコストが掛らない。貧困と言う問題も根底にはあるはずだ。

チェンマイと言えば日本人のリタイヤ組が年金ビザでたくさん暮らしている。バンコクに比べて物価が安く、気候が良い。それがチェンマイで暮らす大きな理由だった。しかし、最近ではタイ国全土で最低賃金が引き上げられ、チェンマイの物価が安いとは決して言えなくなった。逆に市場の競争原理が働くバンコクの方が安かったりもする。

そしてこの煙害である。このまま煙害が続けばタイ北部では肺がんになる可能性はバンコクなどの2倍高くなるとのニュースがテレビからは流れてくる。

チェンマイに住むメリット。それに悩み始めたリタイヤ組も少なくない。

バンコクに住む身としては、チェンマイで暮らす人が羨ましかった。しかし今回ばかりはちょっと考えてしまう。

チェンマイ国際空港

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意外にも合理的!
タイの車検システム

納税証書と車両登録証

納税証書と車両登録証。これがなくては、タイではクルマは運転できません

3月は何かと忙しい。そんな中、仕事の合間を縫って陸運局へ自動車税を納めに行った。代行業者に手数料を払って代行してもらう事も可能だ。しかし、陸運局は自宅から車で30分ほど。平日にちょっとした時間を見つければ行くことができる。

「今回は登録から7年目です。車検を受け、検査終了証書を一緒に持って来て下さい」。

まさか出直しになるとは・・・・・・。

窓口の係員が、仕方ないですねぇ~といった感じで自動車登録証を返してくれた。きっと毎日、何回も同じ言葉を口にしているのだろう。何より車検の事をすっかり忘れていた自分の間抜けさに腹が立った。タイでは車を新車で買った場合、買ってから6年間は車検を受ける必要はない。強制保険(自賠責)の加入証書と税金を納めるだけで、自動車登録の更新ができるのだ。

しかし、7年目からは車検が必要で、検査を受けた検査終了証書がないと自動車税の納付ができないのである。つまり、登録更新ができないということは自動車を使う事ができないということだ。ある意味タイにしては凄く合理的システムなのである。

ただタイの車検は日本の車検とはかなり事情が違う。タイの車検は街中にある民間車検場の認定を受けた自動車整備工場へ車を持ち込むのが普通だ。すると約15分で検査が終了し、検査終了証書を出してくれる。車検費用は車両総重量2000キロまでの車が200バーツ(700円)、2001キロ以上の車が300バーツ(1050円)である。タイの車検は早さも、費用も日本とは大違いなのだ。

だから陸運局で出直しを言い渡された時は焦ったが、難なく同じ日に車検を終え自動車税の納付を終えることができた。ちなみにタイの自動車税は排気量によって決まっている。600 CCまでは1CC当たり0.5バーツ、1800CCまでは同1.5バーツ、1801CC以上は同4バーツである。排気量が大きくなるほど税金は高くなのだ。また登録から6年目以降は10%ずつ税額が下がり、10年目以降は最初の税額の50%となる。そして、法人名義の場合は個人名時の場合の2倍の税金を納める必要がある。とにかく自動車の税に関してはこと細かいのだ。車検とは大違いである。

妙なところが緩かったり、意外なところが細かかったり・・・・・・。17年タイに暮らしていても、まだまだ驚きは尽きない。

 

民間車検場

民間の車検場です。街のあちらこちらにあるので便利

 

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コンビニを席巻する
JAPANプレミアム

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「今や怖いのは同業者よりもコンビニの新しい動きだよ」。日本で飲食店を経営する友人がため息交じりに呟いた。確か2年ほど前の事だったと思う。なぜコンビニが飲食店の脅威になるのか? そんなに日本のコンビニは凄いのか? タイに住んでいるとイマイチ実感が湧かない。しかし、日本に行く度に意識して日本のコンビニを見てみると「確かに!」と思うようになった。

作りたて、出来たてのお惣菜。お刺身や寿司、サラダ、煮物。冬はおでん。夏は冷し中華と季節ごとのメニューも充実している。そしてビールは当然のこと缶チュウハイから日本酒、ワインまでお酒類も豊富に揃いお値段は原価だ。クレジットカードも使え、ポイントカードにポイントも貯まる。

これでは飲食店がコンビニを脅威に感じるのは当然だろう。最近は淹れたて珈琲やドーナツなどのスィーツもコンビニでという人が増えているようだ。今や飲食店だけでなくファーストフードや喫茶店もコンビニの動向にヒヤヒヤしているのではないだろうか?

さてここタイのコンビニはどうだろう。これといって飲食店の脅威なりそうな動きはない気がする。しかし、気になるのは日本の商品がどんどん増えていることだ。

例えばバンコク都内のセブンイレブン買える日本のものを挙げるとこんな感じだ。

おにぎり、焼き餃子、冷凍枝豆、カラムーチョ、明治ブルガリアヨーグルト、伊藤園のお~いお茶、焼き豚丼などなど。凄いのはこれら全てがタイで生産されている商品だということだ。だから当然ローカルプライスである。逆にそうでなければコンビニでは売れないだろう。日本では160円ほどする伊藤園の「おーいお茶」はタイでは20バーツである。日本円換算では約70円になる。しかし、タイの物価水準で考えると200円ぐらいの感覚だ。普通のコカ・コーラが13バーツで130円ぐらいであるのを考えると、ちょっとした贅沢な飲み物には違いない。そのプレミア感を生みだしているのは日本のブランドと外装の日本語じゃないだろうか?

どんどん進化というか、日本化が進むタイのコンビニ。今度はどんな日本の商品が棚に並ぶのか? 現地に住む日本人としてはタイのコンビニのこれからがちょっと楽しみだったりする。

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すべては愛のために
タイのバレンタイン狂騒曲

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2月は28日しかない。うるう年だと29日。あっという間に過ぎてしまう月だ。しかし、タイではこの2月を待ちわびている人がいる。2月と言えばバレンタインデー。タイのバレンタインデーは日本のバレンタインデーとはかなり事情が違う。

タイでバレンタインデーというと一番に話題なるのが役所での入籍である。タイでは縁起を担いでバレンタインデーの日に入籍する人が多い。なかでもバンコク都内にある「バーン・ラック」という区役所はバレンタインデーの前後になると数多くのカップルが入籍するために訪れる。なぜなら「バーン・ラック」とは日本語に訳すと「愛の家」という意味だからだ。入籍する日だけでなく、入籍する場所にもこだわるタイ人。このロマンスと愛に対する思い、執念は流石だと思う。

そしてバレンタインデーといえばプレゼントである。果たして日本は今でもそうなのだろうか? 自分の記憶の中にある日本のバレンタインデーは女性が思いを寄せている男性にチョコレートを贈る日である。

しかし、ここタイのバレンタインデーは全く日本のバレンタイとは違う。まず男性が女性に贈るのが普通であり、マナーなのだ。そして贈るものとして一番メジャーなのがバラの花である。だからバレンタインデーのシーズンになるとバラの花の市場価格は2倍、3倍へと跳ね上がる。日本で母の日の前になるとカーネーションの価格が上がるとの同じ現象だ。だからか。最近はバラの造花やバラを模したお菓子、そしてぬいぐるみなどを贈るという人も多い。

2月に入るとスーパーやコンビニにはバレンタインデー用の特別コーナーが設けられるのは日本と一緒。だが並んでいるものは日本とはかなり違う。これもまたお国柄というやつだろうか。

考えてみると、タイでバレンタイデーというと「愛を告白する日」というよりは「愛を確認し合う日」という意味合いの方が強い気がする。だからバレンタインの日に入籍という発想になるのだろう。

そしてタイでは日本と違ってバレンタイデーに「義理」はない。あるとしたら男として「義務」である。そう、今年もちゃんと嫁さんに真っ赤なバラの花を贈るつもりだ。

 

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