移り変わるタイ人の味覚
お茶も無糖が主流に!?

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沖縄とタイは近い。似ている。そんな言葉をタイに住む沖縄の人から聞くことがある。特に料理は似ているものが多いのだとか。パパイアやにがうり、へちまなど共通する食材が多いこと。また豚肉を余すことなく食べる食文化が根付いていること。この2つがタイと沖縄の料理が相似する大きな理由の様な気がする。また沖縄を代表するお酒、泡盛はタイのラオ・カオがルーツといわれている。今でも泡盛の仕込みにはタイ産のお米が欠かせないらしい。

タイと沖縄の意外な接点。まだまだ探せば沢山ありそうだ。しかし沖縄から来た人が一番感激するのがタイのお茶らしい。沖縄の伝統的なお茶といえばサンピン茶。そのサンピン茶がタイでは至る所で買える。そのことが沖縄の人にとっては嬉しいようだ。ちなみにサンピン茶とはジャスミン茶のことである。沖縄では缶やペットボトルに入って自販機やコンビニで売られているほど一般的なお茶だそうだ。

確かにタイで売られているペットボトルのお茶は圧倒的にジャスミン茶が多い。ラベルに緑茶と書かれていても中身はジャスミン茶のことが多い。しかも砂糖が入っていて甘いのがタイのお茶の主流である。日本からの旅行者はそんなタイのお茶事情を知らない。日本と同じ感覚でペットボトルのお茶を買い、あまりの甘さにびっくりしたという話を良く耳にする。

しかし去年あたりから、ちょっと事情は変わってきている。日本のサントリーが無糖のウーロン茶をタイで販売開始したのである。それを追うように今年に入ってからは伊藤園の「お~い、お茶」がコンビニにも並ぶようになった。もちろん無糖である。以前はシンガポール製のポッカの日本緑茶ぐらいしか無糖のお茶は無かったタイ。しかし、ここ数年、無糖のお茶の人気は高まってきているようだ。これはきっと日本食レストランで緑茶を口にしたタイ人が無糖の良さを理解しはじめたのではと個人的には思っている。もちろんダイエット志向の高まりも理由の一つかもしれないが。

いずれにしても長年、甘いジャスミン茶で辛抱してきた身には本当に嬉しい流れである。一方、沖縄の人にとっては複雑な兆候かもしれないが・・・・・・。

ちなみにタイ語でもお茶のことは「チャー」と発音する。やっぱり中国語が語源なのだろうか?

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
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