月別アーカイブ: 2013年11月

世界遺産に見る
フォトジェニックな「廃墟の美」

ワット・マハタート アユタヤ

<ワット・マハタート>に残る仏頭。生命力あふれる木が抱きかかえているように見えます

 

アユタヤ王朝の繁栄と滅亡

アユタヤの地に都が置かれたのは1351年から1767年までの417年間です。16世紀半ばには一時的にビルマの軍門に下り属国となったものの、1584年には独立を回復。それ以降は、ヨーロッパと東アジアを結ぶ国際貿易都市として繁栄しました。沼津出身の日本人、山田長政がアユタヤ王朝の官吏の最高位に上り詰めたのは17世紀初頭のこと。アユタヤは、長政のような日本人以外にもオランダ人、フランス人、ポルトガル人、ベトナム人、中国人が闊歩するメトロポリスで、当時の人口はタイ人よりも外国人の方が多かったそうです。
アユタヤ王朝がその歴史に幕を降ろしたのは、1767年4月のこと。ビルマの侵攻によるものです。無条件降伏を求めるビルマ軍は、アユタヤの街を徹底的に破壊しました。タークシン(のちのトンブリー王)によって、同年中にタイ国内のビルマ勢力はほぼ一掃されますが、タークシンはアユタヤの荒廃ぶりに復興を断念し、バンコクへの遷都を決意します。

 

世界遺産だけではない魅力がいっぱい

アユタヤ歴史公園とその周辺の遺跡群は1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。公園内の寺院は破壊され、仏像の頭は地に落ち、仏塔は傾いたまま。そんな廃墟の間を縫って歩くと、寂寥感がこみ上げて来るとともに、バンコクの壮麗な寺院にはない「廃墟の美」とも言える独特の美しさに心打たれます。そして、きっとその光景を写真に焼き付けたくなるはず。
遺跡群のほかにも、世界各国の建築様式を模した夏の離宮<バンパイン宮殿>や、地元の人々の崇敬を集める「縁起のよい寺」、名物の手長エビ料理のレストランなど、バンコクから日帰りで楽しむのにちょうどいいスポットがアユタヤ・エリアにはそろっていますよ。

 

ワット・マハタート Wat Mahathat

13世紀に創建された寺院。かつては黄金色に輝いていたと伝えられますが、ビルマの侵攻によって無惨な姿に。1956年の修復時には地下室より宝物が発見され、チャオサムプラヤー国立博物館に収蔵されました。

2_wm

3_wm

4_wm

5_wm

 

ワット・プラ・シー・サンペット Wat Phra Si Sanphet

1491年に創建された王室専用寺院。3つの仏塔にはそれぞれアユタヤ王朝の3人の王の遺骨が納められています。高さ16mの黄金の仏像が安置されていましたが、ビルマ軍に破壊されてしまいました。日没後はライトアップ実施。

6 _wpss

 

ウィハーン・プラ・モンコン・ボピット Wihan Phra Mongkhon Bophit

高さ17mのブロンズ製仏像はタイ最大。1951年に修理した際、この仏像の体内から何百もの小さな仏像が発見されました。ウィハーンとは礼拝堂のこと。現在のものはビルマからも寄付を受けて、1956年に復元されたものです。

7_wpmb

8_wpmb

9_wpmb

10_wpmb

 

ワット・ロカヤ・スタ Wat Lokaya Sutha

高さ5m、全長28mの寝釈迦仏が、草原の中で悠然と横たわっています。寺院などはビルマに破壊されてしまいましたが、実は寝釈迦仏も1956年に復元されたもの。なかなか味のあるユーモラスな表情をしています。

11_wlk

12_wls

13_wls

14_wls

 

ワット・ヤイ・チャイ・モンコン Wat Yai Chai Mongkon

そびえ立つ72mの仏塔は、1592年に19代ナレスワン王が、一騎打ちでビルマの王子に勝利したことを記念して建てられたものです。なんと象に乗って戦ったそうです。塔の周りには仏座像や寝釈迦仏が置かれています。仏塔のテラスには上ることができますよ。

15_wycm

16_wycm

17_wycm

18_wycm

 

ワット・パナンチューン Wat Phananchoeng

アユタヤへ遷都する以前の1324年に建立。「縁起がいい寺院」として地元の人々の絶大なる信仰を集めています。そのわけは、再三に及んだビルマ軍の攻撃をかいくぐり奇跡的に残ったからだからだそうです。ほかには見られない中国風の装飾が施されているのもおもしろいですね。

19_wp

20_wp

21_wp

22_wp6

 

そのほかの見どころ

バンパイン宮殿 アユタヤ

バンパイン宮殿 アユタヤ

国王の夏の離宮<バンパイン宮殿 Bang Pa-in Summer Palace>では、タイ様式、中国様式はもちろん、ギリシア様式、スイスのシャレー様式、イギリスのゴシック様式など、さまざまな建築スタイルが見られます。現在も国王の住居、レセプション会場として使用

 

25_food

ペー・クルン・カオ 手長エビ アユタヤ

アユタヤの名物は手長エビ。レストラン<ペー・クルン・カオ Phae Krung Kao>では、手長エビのガーリック炒め(小250バーツ)など、手頃な値段で楽しむことができます。そのほか、メニューにはオーソドックスなタイ料理が一通りそろっています

 

27_elephant エレファント・キャンプ アユタヤ

ゾウの背中から遺跡見物はいかが? アユタヤ歴史公園内にある<アユタヤ・エレファント・キャンプ>では、ゾウに乗ったり餌をやったりできるほか、敷地の外をゾウに乗ったまま歩けます。アユタヤの王さまになった気分が味わえますね。

 

data

ワット・マハタート Wat Mahathat
Open Hour
8:00〜18:00
Entrance Fee
50バーツ

ワット・プラ・シー・サンペット Wat Phra Si Sanphet
Open Hour
7:00〜18:00
Entrance Fee
50バーツ

ウィハーン・プラ・モンコン・ボピット Wihan Phra Mongkhon Bophit
Open Hour
8:30〜16:30
Entrance Fee
なし

ワット・ロカヤ・スタ Wat Lokaya Sutha
Open Hour
常時見学可能
Entrance Fee
なし

ワット・ヤイ・チャイ・モンコン Wat Yai Chai Mongkon
Open Hour
8:00〜17:00
Entrance Fee
20バーツ

ワット・パナンチューン Wat Phananchoeng
Open Hour
8:00〜17:00
Entrance Fee
20バーツ


バンパイン宮殿 Bang Pa-in Summer Palace
Open Hour
8:00〜15:45
Entrance Fee
100バーツ

お問い合わせ

アユタヤ・ツアーについてのお問い合わせはこちらから。

contact 

Report a correction 内容に変更があった場合はこちらからお知らせください

屋台にチャレンジするその前に!

photo_1

 

タイに来たら、ぜひ地元の人が食べる屋台での食事にチャレンジしてもらいたいところですが、「衛生面が心配だ」とか、「頼み方が分からない」と言った声をよく聞きます。そんな方にオススメしたいのが、フードコートです。日本でフードコートと言うと、スーパーやショッピングセンター内にある、お手頃価格で食べられる簡単料理・・・と言ったイメージではないでしょうか?

ここタイにも、たっくさんのフードコートがあります。・・・が、日本のそれとは違い、素敵な雰囲気のなか、本格的なタイ料理を安く気軽に楽しめる・・・そんなところなんです。本店が屋台の名店と言ったお店が出店していたり、スウィーツやフルーツ・スムージーなど、甘いものもあるんですよ。またタイ料理以外にも、和食やイタリアン、インドに中華と、とにかくたくさんの屋台が大集合したフードコート。暑い中、衛生面を気にしながら食べる屋台と違い、エアコンが効いた室内で色々な種類の料理を食べることが出来るので、地元のタイ人はもちろん、在住日本人や旅行者にも大人気です。

高級デパートの<サイアム・パラゴン>や<エンポリアム>、旅行者に人気のデパート<MBK>、地元の人がよく行く大型スーパーマーケットの<ビッグC>などなど、ありとあらゆる商業施設にフードコートがあります。なかでも、オススメはBTSアソーク駅直結の最新ショッピングセンター<ターミナル21>です。ここは名前の通り、空港のターミナルをイメージした造りで、日本やイギリス、アメリカにトルコなど、各階がそれぞれの国のモチーフとなっており、ウィンドウ・ショッピングだけでも楽しめます。

肝心のフードコート『PIER21』のオススメポイントは、サンフランシスコの港がモチーフのかわいらしい内装とお手頃価格です。タイのフードコートは値段がピンキリで、1食だいたい30~200バーツくらいです。ここ『PIER21』は、清潔で雰囲気が良いうえにお値段もステキ。例えば、クイッティアオ(タイ風ヌードル)やカオパット(タイ風チャーハン)は30-50バーツほどです。

最後に、フードコートの注意点をお話しましょう。だいたいどこのフードコートも、現金は受け付けていません。クーポンを販売するカウンターがあるので、100~200バーツほどのクーポンを買い、お好みのお店に行って注文するのです。店先に写真や現物があるので、言葉に不安があっでも指で指せば大丈夫! クーポンの金額を使いきれなかった場合は、換金してもらえるので、食事が終わったら忘れずにクーポン・カウンターへ。気軽に屋台気分を楽しめるフードコート、ぜひ行ってみてくださいね。

 

ターミナル21 バンコク

ターミナル21 バンコク

お店の場所はこちら—-> 美味タイMAP

 

AKIKO Profile

AKIKO

1982年11月10日 東京都生まれ。2008年度ミスインターナショナル日本代表選出大会ファイナリストに選ばれたのをきっかけに、「もっと世界を見てみたい」と思い、上海、北京、香港に単身渡り、モデルの仕事とともに、中国語を学ぶ。その後、縁あってタイでモデルとして活動。現在は、モデル、MC、ルーシーダットンのインストラクターがメイン。日本野菜ソムリエ協会のベジフルビューティー セルフアドバイザーの資格も取得している。また、日本人女性向けフリーマガジン『Arche+』にコラムを連載中。

ルーシーダットンAngSanaのWebサイト
www.facebook.com/rusieduttonAngSana

AKIKO オフィシャルブログ RUN! AKT! RUN!
http://www.ameblo.jp/a-k-i-t-y/

タイを舞台に勃発した
コンビニ大戦争!

ローソン外観

タイでは企業の製品名が一般名称として浸透し、通常の会話で使われることが多い。「マ・マー」といえば即席麺、「コフィメイト」とはコーヒークリームパウダー、「メックス」はステープラーのことである。

またタイで「セブン」といえばコンビニエンス・ストアのことを意味する。「ラーン・カイコォーン・プゥート・イシップシー・チュモン(24時間営業のお店)」という言い方ももちろんある。でもテレビや新聞以外ではほとんど使われることがない。日本人がコンビニエンス・ストアを「コンビニ」と呼ぶのと同じ感覚だろうか。

タイでコンビニを意味する「セブン」という言葉。これは言うまでもなく『セブン・イレブン』の「セブン」から来ている。その『セブン・イレブン』をタイで最初に展開したのはタイの大手財閥、チャルーン・ポカパン・グループ. (CPグループ)だ。今年は店舗数が6800店舗を超え、タイでコンビニ業界の首位に立っている。

これを追うのが同じくタイの大手財閥サハ・パタナピブン・グループが展開する『108ショップ』である。その『108ショップ』が今年の3月から新たな展開をはじめた。日本のコンビニ大手、『ローソン』との共同会社『サハローソン』を設立。既存店を『ローソン108』へと改装し、順次『ローソン』ブランドでコンビニの展開を図っている。

『セブン』が圧勝だったタイのコンビニ業界。そこに突如現れた青い看板。店舗内で作るおにぎりや日本の和菓子、おでん、そしてUCCのコーヒー。タイの『ローソン』は日本ブランドで『セブン』を追撃する戦略のようだ。

一方『セブン』は自社ブランドの『セブンセレクト』を拡充。これまで以上にブランド力を高める戦略に出てきている。1993年にタイに進出してきた『ファミリーマート』は、『セブン』の陰に隠れて目立たない存在だった。しかし、『ローソン』の進出を機に新たなテコ入れを図る気配も出てきている。

いよいよタイもコンビニ戦国時代に突入なのか? 日本人としては『ローソン』に期待したい。ただ、おにぎりやおでんがタイ人に支持されるかは微妙な気がする。

よもぎもち

+ 『ローソン108』のよもぎ大福は、16バーツ(およそ50円)。タイ人にウケるか?

 

おにぎり2

+ おにぎりは、サケが29バーツ(およそ90円)、豚角煮は40バーツ(およそ120円)。タイでは決して安い値段ではありません。サイズが小さいのでいっそう割高感があるかも。

 

 

中村蒸一 Profile

ph7

タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
詳しくはこちらをクリック!

インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

タイ人が小食? いえいえ、真相は・・・

クッティアオ 

 

 

タイの屋台で何か料理を注文すると、日本人なら誰もが驚くのが、その「量の少なさ」です。

鶏のダシで炊かれたご飯に鶏肉が添えられたチキンライス『カオマンガイ』や、米粉で作られたタイ風ヌードル『クイッティアオ』(写真)、そのほか、ご飯にかけて食べるぶっかけ系のおかず(『ガパオ』『カイジアオ』)、中華風の玉子麺『バミー』などなど、どれをオーダーしたとしても、とてもじゃないけど1食だと量が少なくて、日本人には足りません。クイッティアオなんかを頼む時は、「替え玉」ならぬ、同じものをもう1食「おかわり」する人もいるくらいです。

これだけを見ると「タイ人は、小柄だからきっと少食なんだろうなぁ・・・」なんて思うかもしれませんね。しかし、ち・が・い・ま・す(笑)。タイの町中を歩くと分かると思いますが、どんな時間帯であっても、どんな場所であっても関係なく、タイ人はみな、おやつをモグモグ食べているんです。

例えば、ショッピングセンターで。洋服屋で店番をしている人でおやつを食べない人はまずいません。何でわかるのかって? お店が食べ物のニオイで溢れているから・・・です。タイ料理は1食の量が少ないので、おやつを食べることによって、ようやくお腹が満たされるのかもしれません。

タイの町中には、おやつの屋台がたくさんあるのに気付くと思います。甘いスウィーツはもちろん、イサーン(タイ東北部)名物のソーセージ『サイクロン』や、鶏肉の炭火焼き『ガイヤーン』、豚肉の炭火焼き『コムヤーン』など、軽食系のおやつもいっぱいあります。

それに加え、フルーツ天国のタイには、マンゴーやパイナップル、マンゴスチン、スイカにパパイヤ、ココナッツなどなど、たくさんのフルーツがあります。スムージーや、カットフルーツの屋台もそこら中にあるので、おやつを買う環境が整い過ぎているんです(笑)。1食で足りなかったら、ぜひ色々な種類のタイ料理にチャレンジしてみてくださいね。

ガパオライス

屋台 タイ バンコク

 

AKIKO Profile

AKIKO

1982年11月10日 東京都生まれ。2008年度ミスインターナショナル日本代表選出大会ファイナリストに選ばれたのをきっかけに、「もっと世界を見てみたい」と思い、上海、北京、香港に単身渡り、モデルの仕事とともに、中国語を学ぶ。その後、縁あってタイでモデルとして活動。現在は、モデル、MC、ルーシーダットンのインストラクターがメイン。日本野菜ソムリエ協会のベジフルビューティー セルフアドバイザーの資格も取得している。また、日本人女性向けフリーマガジン『Arche+』にコラムを連載中。

ルーシーダットンAngSanaのWebサイト
www.facebook.com/rusieduttonAngSana

AKIKO オフィシャルブログ RUN! AKT! RUN!
http://www.ameblo.jp/a-k-i-t-y/

デザインに浸るホテル Vol. 2 
シンプルだからこそ美しい生活

デザイン・ホテル バンコク メトロポリタン・バンコク

高層ビルが立ち並ぶビジネス街、サトーン通りから少し入った場所にあるため、静かな環境です

 

メイン・レストランが世界の注目を浴びる

ここ数年、世界の料理界から熱い視線を浴びているタイ料理店と言えば<ナーム Nahm>。オーストラリア人シェフ、デイヴィッド・トンプソンがロンドンにオープンした1号店は、タイ料理店としては初めてミシュランで星を獲得しました。また、『世界のレストラン・ベスト50』にも選出されています。トンプソンは、いまや失われつつあるタイの古い調理法に造詣が深く、さらに屋台料理までをも知りつくしています。彼が<ナーム>で提供している、タイで代々受け継がれて来た伝統的な料理を現代の感覚で甦らせた逸品の数々は、ほかの店では決して体験できないものです。

その後、よりオーセンティックなタイ料理を追究するトンプソンは、満を持してバンコクに出店。それが、今回ご紹介するホテル<メトロポリタン>の1階にあるメイン・レストランなのです。ロンドンの1号店は閉店し、トンプソンはバンコクに移住。今や、彼の生み出す料理はここでしか味わうことができません。

ナーム デザイン・ホテル メトロポリタン・バンコク

ロビーの右手にある大きな戸の向こうが、バンコクでもっとも熱いレストラン<ナーム>

 

ファッション業界で磨いた感性

レストラン<ナーム>同様、ホテル<メトロポリタン>もイギリス生まれのホテル・ブランドです。経営するCOMOグループの創立者、クリスチャン・オンは「ボンド・ストリートの女王」とも異名をとったシンガポール人。「ボンド・ストリート」は言わずと知れたロンドンが誇る高級ショッピング街です。そのころの彼女は『ダナ・キャラン』や『ジョルジオ・アルマーニ』といったファッション・ブランドを取り扱う高級ブティックを経営していました。

ホテル経営に乗り出したのは、1991年のこと。ロンドンのベルグラビア地区に「デザイン・ホテルの先駆け」と称される<ザ・ハルキン The Halkin>を開業しました(現在は閉鎖)。気の合うファッション業界仲間たちと心行くまでくつろげる居心地の良いホテルが欲しかったというのが、その動機だそうです。

ファッション業界で育んだオンの美意識はバンコクの<メトロポリタン>にも息づいています。テーマは「タイムレスなデザイン」。ウッディな調度、マカウッドを使った床、ライムストーンに彩られた浴室など、素材感を生かした内装からもその思想を感じるとることができます。流行によって色あせることのない普遍的なデザインだからこそ、穏やかな気持でくつろぐことができるのです。

デザイン・ホテル メトロポリタン・バンコク 

COMOグループのホテルはエコに配慮していることと、ロケーションも重視していることから、新築するのではなく既存の建物をリノベーションすることが多いそうです。<メトロポリタン・バンコク>も元はYMCA。ロフトが付いた人気の部屋『ペントハウス・スイート』(写真)は、当時体育館でした

 

デザイン・ホテル メトロポリタン・バンコク

『ペントハウス・スイート』のロフトには書斎と寝室があります。廊下の天窓からは自然光

 

デザイン・ホテル メトロポリタン・バンコク

その部屋もリビングに置かれているのはローテーブル。カーペットやクッションなど配色も絶妙

 

  シンプルだからこそ美しい生活を

スタイリッシュなだけではなく、ゲストのライフスタイルへの心配りが見えるのもこのホテルの特長です。各客室にはヨガ・マットが配されているほか、ヨガ・スタジオでは毎日無料でレッスンを受けることができます。もちろん、宿泊者はスポーツジムもご自由に。また、朝食も提供する<グロウ・レストラン Glow restaurant>では、オーガニック食材を使った料理や、天然ミネラルやビタミン、酵素をふんだんに含んだジュースも用意。健康志向の高い人々のニーズにもしっかり応えてくれます。

シャンプーやボディ・ソープなどのアメニティは、原材料から厳選して作られた、オリジナル・ブランド『COMO スパ』のアイテム。これらアメニティのほか、客室で使われている小物の一部はショップで購入可能。ホテルで味わった心地よさを自宅に持ち帰ることができます。

メトロポリタン・バンコク デザイン・ホテル

アメニティはオリジナル・ブランド『COMO Shambhala』のアイテムを採用しています

 

デザイン・ホテル メトロポリタン・バンコク バンコク

<グロウ・レストラン>の店内ではウィート・グラスを栽培。摘んで青汁にして飲みます

 

P1130142

<グロウ>のスタッフ。ユニフォームは『コム・デ・ギャルソン』です

 

客室の造りから設備、サービスまで、シンプルななかに芯の通った美意識が感じられます。そこに惹かれリピーターになった方も多いことでしょう。ファッションやアートに関心のある方に特におすすめしたいホテルです。

 

P1130168

ラウンジスタイルの<メット・バー Met Bar>では、音楽やアートのイベントを開催

 

P1130172

問い合わせフォーム

このホテルに宿泊するプランについてのお問い合わせはこちらから。

contact

 

 

data

Address
27 South Sathorn Road, Tungmahamek, Sathorn, Bangkok 10120
Phone
02-625-3455
Wifi
無料
Area (Nearest Train)
サートーン・エリア(MRT ルンピニ駅)
Tips
Web: http://www.comohotels.com/metropolitanbangkok

Report a correction 内容に変更があった場合はこちらからお知らせください

かつては運河が張り巡らされた
「東洋のヴェネチア」バンコク

バンコク 運河

「天使の都」と言われるバンコクは「水の都」でもある。「東洋のヴェネチア」と呼ぶ人もいる。チャオプラヤ川下流のデルタ地帯にある地の利から、バンコク都内にはその昔、運河が縦横に張り巡らされていた。今の時代と違って車がなく、船で街の中を移動していた時代は、きっと優雅だったに違いない。ヴェネチアの風情がきっとあったのだろう。

都市化が進んだ今では、多くの運河が埋め立てられ道路になった。だからか、バンコクの路地は狭くて入り込んでいる。行き止まりになる路地が多い。それが運河の名残だと知る若い人はそう多くはない。

ただ運河がバンコクから全て消えたかというと実は違う。観光地として有名な水上マーケットは運河の中にあり、今でも庶民の生活を支える市場が設けられている。
また都市部であるスクンビットの路地の奥にも運河がまだひっそりと残っている。プラトナーム桟橋からラムカムヘンの郊外までを結ぶセンセープ運河がそれだ。

このセンセープ運河には乗り合いの水上ボートが庶民の足として活躍している。運河を走る水上ボートは車のように渋滞に巻き込まれる心配がない。朝晩、交通渋滞がひどいバンコクでは迅速に移動できる裏ワザ的な移動手段の一つでもある。

特に伊勢丹のあるセントラルワールドからスクンビット55(トンロー)周辺までの移動にはタクシーに乗るより早く、しかも安く移動できる(料金は距離によって8バーツから18バーツまで)。

ただし、運航時間が平日は午後8時まで、土日は午後7時までと夜中は利用できない。大雨や強風などの天候不良の際はすぐに運休になる。運河の中といえども、ボートは安全第一なのである。

またボートの乗り降りの際は多少の運動神経とバランス感覚も必要かもしれない。運河の水は周辺の生活汚水が流れ込んでいて、時に異臭を放っている。決して快適な交通手段ではないことも付け加えておく。

でも水上ボートはバンコクの庶民の足だ。ボートに乗って会社や学校に通う。ボートに乗って買物に出かける。東洋のヴェネチアと呼ばれた面影が運河の隅に今でも潜んでいる。バンコクはやっぱり面白い街だと思う。

バンコク タイ

+ 運河に面した家々では、花の鉢を置いたりデコレーションをつけたり、舟客の目を楽しませる試みも

 

中村蒸一 Profile

ph7

タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
詳しくはこちらをクリック!

インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」