投稿者「exp-th_hasegawa」のアーカイブ

高級な輸入品も人気
いまタイでは自転車が熱い!

輸入自転車専門店

今年の10月、社員旅行でベトナムのハノイを訪れた。かれこれ8年ぶりのハノイ。まずは立派になった空港に驚かされた。昔の面影を全く感じることのない新空港。タクシーで街へ向かう途中にバイクの大洪水を見た時、やっと「やっぱりベトナムだよな」と、妙に安心したほどだ。

そんなハノイでエコツーリズムに参加した。最近ハノイで人気を集めているツアーだと聞いたからだ。しかし、何のことはない。田舎の湖畔を自転車で観光するいわゆるサイクリングツアーなのだ。しかも、ごく普通の婦人用自転車なのでスポーツ感は全くない。早さや距離を競うことなく、ただガイドの後を追いかけるようにペダルをこぐ。自転車で遠足に行っているような感じだった。その辺の緩さが人気なのだろう。参加したタイ人のスタッフは思いのほか満足したようだ。

ハノイエコツアー

そういえば、ここ数年タイでもサイクリングがトレンドというか、人気のスポーツとして注目されている。20年前にタイに来た当初は自転車に乗るタイ人をバンコクでは見かけることはなかった。ちょっとした距離でもバイクや車で移動するのがタイ人だ。歩かない。歩こうとしない人たちなのである。

そんなタイ人が自転車に乗るようになるとは正直ビックリしている。通勤とか通学で自転車に乗るというよりは、趣味や娯楽として乗っている人たちが大多数ではあるが・・・・・・。

確か3年ぐらい前から深夜、街中をサイクリングしているグループに遭遇するようになった気がする。日中は車の量も多いし、また何より暑い。だからサイクリングも夜間なのだろう。夜間のサイクリングなんて、タイならではかもしれない。

そして、これまでになかった自転車専門店がバンコク市内に何件もオープンしている。中には輸入自転車専門の店舗もあり、日本製の自転車も人気のようだ。価格も小型バイク同じぐらいのものもあり、それなりに売れているというから驚く。こだわりの自転車でサイクリングに参加するのは、ある意味ステータスなのかもしれない。そして自転車によるロードレースの大会も最近は盛んだ。どちらかと、マラソンより人気があるぐらいの感じだと思う。

自転車レースの大会も

そんなタイ人のサイクリストたちの間で注目を集めている場所が日本にあるらしい。瀬戸内海にある、<しまなみ海道>だ。富士山や北海道の流氷、そして桜よりも、海の上の街道を自転車で駆け抜けるのがウケている。いわゆるサイクリストたちの聖地になっているのだと聞く。

タイ人が日本でサイクリングを楽しむ。日本を訪れるタイ人たちの目的もどんどん変わっているようだ。10年ひと昔とは良く言ったものだと思う。

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

トリリンガルも夢ではない?
タイの充実した子育て環境

発表会もありました

タイの幼稚園で行われた発表会の一コマ

今年も残すところ1カ月。月並みだが、1年、また1年と歳月の流れる速さに唖然としてしまう。タイには日本のような四季がない。だから尚更そう感じるのかもしれない。そして、この時期になると気になるのが日本の新語、流行語大賞だ。今年一年、日本では何が起きて、何が問題になったのか。それを浮き彫りにしてくれているのが、新語や流行語だったりする。今年も30の言葉が流行語にノミネートされていた。その中で一番衝撃を受けた言葉が、「保育園落ちた日本死ね」という言葉だった。子供を育てながら働かざるを得ない母親の切実な悩み。そして、未だに具体的な子育て支援の対策を打ち出せていない政府や自治体の現状。決して心地良い言葉ではないが、日本の今がこの言葉には凝縮されている。ここタイではありえない言葉だ。

タイにも保育所や幼稚園にあたる公営の施設がある。市町村や区の運営のものや、お寺などの宗教団体、また病院が運営するものなど形態は様々だ。その他にも、民間の幼稚園や外国人向けのインターナショナル校もある。どの施設に通わすかは、両親の判断次第になる。中には幼稚園に通わせず自宅でヘルパーさんを雇い子育てする人もいる。

我が家の息子は私の判断で、日本語教室のある私立のインターナショナル幼稚園に通わせている。ここにはタイ語教室、英語教室、日本語教室の3つの教室があり500人ほどの園児が通っている。ここの幼稚園に決めた理由は日本人の先生たちが非常に熱心なのと環境が良いこと。そして自宅から近く送り迎えがしやすかったからだ。一年の半分が雨季で渋滞が激しいバンコクでは、この送り迎えがしやすいと言うのが非常に重要だったりする。月謝はタイのローカールの園に比べると倍以上だが、日本の普通の保育所並の負担で済むのはタイならではである。

我が家の場合は、母親がタイ人なので2歳半から日本語環境に慣らすために、ここの幼稚園の日本語教室に通わせた。しかし、なかには両親とも日本人なのに、同じ園の英語教室通わせている人もいる。駐在としてバンコクに滞在する人たちだ。いずれ日本に帰れば日本語はいくらでも勉強できる。せっかく海外にいるのだから「幼児期から英語教育を」というのが彼らの考えなのだ。これもありだなと思う。

何はともあれ、ここタイの子育て環境は恵まれていると思う。タイ人であれ、外国人であれ、幼児教育で困ることはない。ありがたいことだと思う。

一方、日本で暮らす外国人の子供たちの場合はどうなのだろう? 余計なお世話かもしれないが、ちょっと心配に思う。「保育所落ちた日本死ね」の言葉が頭をよぎる。

5月には鯉のぼりも

5月になると幼稚園でも鯉のぼりがはためきます

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航空会社の個性が光る
機内食の愉しみ

崎陽軒のしゅうまい弁当

日本へ出張する時のちょっとした楽しみ。それは移動中の空港で買う駅弁だ。人によっては空港で買う弁当を「空弁」と呼ぶ人もいる。確かに空港でしか買えない弁当は空弁でもいい。でも、私のこだわりは鉄道駅でも売られている名物の駅弁を空港で買うことなのだ。一番のお気に入りは『崎陽軒』の「シュウマイ弁当」。横浜駅の名物弁当を羽田空港で見つけた時は不思議なぐらい嬉しかった。しかも値段は駅で買うのと同じ830円である。列車の中で食べる弁当を飛行機の中で食べる。確かに風情は列車より劣る。だが、限られた日本での移動時間に懐かしい名物弁当を味わえるのは、何ともいえない贅沢な時間なのだ。

ここタイには駅弁も空弁もない。だから飛行機や長距離バスでは機内食や車内食が出されることが多い。日本の国内線飛行機ではドリンクのサービスしかない。しかし、ここタイでは国内線であっても機内食ないしは「おやつ」が出てくる。LCCと呼ばれる格安航空会社は有料だが、タイ国際航空やバンコク・エアウェイズは無料だ。その辺で、LCCとの差別化を図っているような気もする。なかでも、バンコク・エアウェイズの機内食は自らを「アジアのブティック・エアライン」と呼ぶだけあって、気合が入ったものが多い。バンコクとチェンマイ間はたった50分ほどのフライトだが、ちゃんとホットミールが出てくる。量は少なめだが、やはり温かい料理というのはお腹だけでなく心まで満たされる気がする。しかも、フライトの時間帯によって料理が変わっていたりする。イサーン風干し肉ともち米の機内食が出てきたときは、タイらしさが全開で、タイ料理が好きな人には堪らないだろうなと思った。

一方、タイ国際航空はサンドウィッチやパンケーキなどの軽食系が多い。機内食と言うよりは「おやつ」である。バンコク・エアウェイズと違い大型機材での運航が多いタイ国際航空の場合、短時間でホットミールを出すというのは無理があるのだろう。しかし、先月、「キンジェー」と呼ばれる菜食週間に、バンコクからチェンマイへ飛んだ時のタイ国際航空の機内食はちょっとビックリした。なんとベジタリアン仕様の稲荷寿司と豆乳が機内食として出てきたのだ。しかも、なかなかの味である。時に、こんな感じで期間限定バージョンの機内食に出会えるのも飛行機に乗る時の楽しみだったりする。

さて、次はどんな変わった機内食が登場するのだろう? チェンマイ出張の時の楽しみは、やっぱり機内食かもしれない。

PGの機内食 イサーン料理

バンコク・エアウェイズのイサーン風機内食

稲荷寿司の機内食

タイ国際航空は稲荷寿司と豆乳には蒸一さんもビックリ

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タイでは大人も子供も魅了
冷たいスイーツを賞味あれ

流しのアイス屋さん

道行く人に声を掛ける、流しのアイスクリーム屋台のおじさん

 

ゴールデンウイークと言えば、年に一度の大連休。小学生の頃はこのゴールデンウイークが待ち遠しかった。学校が休みになるのは、もちろんだが、それ以外にも、ある楽しみがあった。それは近所の駄菓子屋さんで、アイスクリームが買えるようになることだった。故郷である鹿児島ではゴールデンウイークになると再稼働する。初夏のちょっと汗ばむ陽気の中、家族で食べるアイスクリームは子供ながらに至福のおいしさだった記憶がある。今では年中いつでもアイスクリームが買えるが、昔は完全なる季節商品で1本50円が相場だった。

ここタイでもアイスクリームは一年を通して買うことができる。しかも、お店まで行かなくても流しのアイスクリーム売りが路地の中まで売りに来る。『ネスレ』などメーカーのアイスを軽快な音楽を流しながらバイクで売りに来ると、どこからともなく人が集まって来る。

また、昔ながらの手作りのアイスを手押し車で売りに来るアイス屋も健在だ。こちらは1杯10バーツと価格が安いことに加え、もう一つの売りがある。それは”アイスサンド”を注文できることだ。アイスサンドとは名刺サイズのコッペパンにアイスクリームを挟んで食べる東南アジア流のアイスの食べ方だ。タイだけでなく、シンガポールやマレーシアでも見かけたことがある。

最初はパンにアイスクリーム?とビックリしたが、食べてみると絶妙な食感がたまらない。ぼそぼそとしたパンにアイスクリームのしっとりした甘さが口の中でゆっくりと融合していく。子供だけでなく大人も大好きなタイを代表するスイーツの一つかもしれない。

さて、今年に入ってタイのアイスクリーム市場に大きな動きがあった。一つは日本で大人気のアイスバー『ガリガリ君』の現地生産がはじまったことだ。価格は1本20バーツ。現地の相場より若干高いが日本ならではの柚子やピーチといったフレーバーがタイ人の子供たちにも受けている。

そして、万を期してと言う感じで登場したのが『グリコ』のアイスクリーム。こちらも現地生産で、日本でも有名な『パリッテ』は1個40バーツと普通のアイスクリームの倍の価格である。いわゆるプレミアムアイスだが、販売開始当初は売切れが続出。しばらくは1人3個までと販売制限が掛けられていたほどだ。

これまでは『ネスレ』『ウォール』『マグノリア』と欧米系のアイスが主流だったタイ。そこに日系2社が新たに参入してくれたのは日本人としては嬉しいし、期待するところだ。でも、その一方で、昔ながらのアイス売りが消えなきゃ良いなとも思う。アイスサンドはタイにはなくてはならないスイーツなのだ。

 

アイスサンドは記念切手の絵柄にも

アイスサンドは記念切手の絵柄にも採用されるほどの人気ぶり

 

ガリガリ君

日本が誇る『ガリガリ君』がタイを席巻する日が

 

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プミポン国王が崩御の報に
悲しみに沈むタイの人々

ATMにも追悼の画像が

会議が終わり、書類を鞄にしまおうとしていた時だった。「プミポン国王がお亡くなりになったらしい」。経理のタイ人スタッフが今にも泣き崩れそうな顔で教えてくれた。間もなく会社を閉める午後6時前。会社のスタッフもこれから帰宅するところだった。街中は相変わらずの渋滞で、路地の中まで車が連なっている。普段と変わらないバンコクの夕暮れ時の風景だ。自宅へ戻りテレビを付けると全てのチャンネルがプミポン国王を追悼する特別番組になっている。これをみて、やっぱり本当だったのかと、はじめて実感が湧いてきた。確か、昭和天皇が崩御された際もそうだった気がする。日本の全てのテレビ番組が特別番組になって吃驚した記憶が、かすかに蘇ってきた。今から28年前だから中学生の頃のことだ。

多分、タイ国民も心の準備は出来ていたはずだと思う。しかし、いざ現実になると、まさかという思いと、持って行き場のない悲しみに多くの人が心を震わせている。近所の食堂の女将さんはテレビの前で泣いて仕事が手に着かない様子だった。10月13日の夜はタイ国民にとってもそうだろうが、私にとっても忘れ難い一夜になった。

プラユット首相は、政府機関や国営企業、教育機関は14日から30日間半旗を掲げ、公務員、国営企業職員は一年間服喪すると発表。一般の国民には娯楽的な活動を30日間は自粛するように呼び掛けている。

一夜明けた14日は政府機関や公務員は公休日になった。街中を歩くタイ人の多くが黒い服を着て国王の逝去をいたんでいる。普段は騒がしい建築現場も黒の幕が掛けられ休業になっていた。コンビニ、ショッピングセンターなどの商店や飲食店は店内で流す音楽の音量を落としながらも普段通り営業している。アルコールの販売に関しては、それを自粛しているスーパーや飲食店もある。しかし、あくまでも自粛であり法的な規制によるものではない。

テレビは15日になって通常の放送になったが娯楽番組は依然として自粛の状態にあるようだ。

街中のATMやタイ企業のホームページは国王追悼のメッセージが表示され、白黒の表示だったりする。コンサートやサッカーの試合、伝統行事も取り止めが目立つ。服喪の感覚がなんとなく日本に近いなと思ったりもした。

この国に縁を頂き、住み仕事をさせていただき19年。プミポン国王の御冥福を心からお祈りし、哀悼の意を表したいと思います。

追悼の祭壇

 

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LCCの相次ぐ就航で
甦ったドンムアン空港

ドンムアン到着ゲート

そうか、もう10年も経つのか。スワナプームにあるバンコク国際空港の開港は2006年9月28日。今年は開港10周年の節目の年なのだ。しかし、それを祝うような雰囲気を空港内で感じることはない。目につくとすればタイ国際航空の創業56周年とか、日本航空のバンコク線就航60周年といった祝賀メッセージぐらいだ。たかが10年ということなのだろうか?

新バンコク国際空港が開港した際に、社員旅行でシンガポールへ行った。飛び立った空港は閉港間近のドンムアン、旧バンコク国際空港。そして戻って来たのは開港したてのスワナプームの新バンコク国際空港だった。新空港では預けた荷物が、なかなか出てこなく途方に暮れたのを覚えている。それでも新旧の2つの空港をまたいだ旅行は意図したものではなかったが貴重な思い出となった。

バンコク国際空港がスワナプームに移ってからドンムアン空港は閉港されるはずだった。しかし、相次ぐ施工不良などのトラブルと増え続ける利用客に対処するために、なんと翌年2007年からドンムアン旧空港は再開港したのだ。しかし、当初はほとんど利用客がいなかった。それから5年後、ドンムアン空港に新風を呼び込んだのは航空会社『エアアジア』だった。『エアアジア』がドンムアン空港をハブ空港として利用し出すと他のローコストキャリア(LCC)と呼ばれる航空会社も追随したのだ。ドンムアン空港は格安航空ターミナルとして新たに生まれ変わったのである。

そんなこともあって、昨年ぐらいからドンムアン空港に友人や知人を迎えに行くことも多くなった。『エアアジアX』や『スクート』などが日本路線を就航させているからだ。ドンムアン空港がスワナプーム空港と違うのはツアー客が少ないことだろうか。ツアー会社やホテルなどの出迎えはほとんど目にしない。来る人も出迎える人も個人がほとんどだ。

そんなドンムアン空港のレストラン街に今年、日本食レストランがオープンした。ファーストフードの形態で価格もお手頃である。それにしても本格的なラーメンや牛丼がまさかドンムアン空港で食べられるようになるとは・・・・・・。

スワナプーム空港の開港10周年よりも、どんどん活気づくドンムアン空港の方が気になって仕方がない。『ライオンエアー』や『ベトジェット』などといったアセアン諸国のLCCが続々とタイ国内線へと進出してきている。

果たしてタイに新幹線は本当に必要なのだろうか? 地方に空港を整備する方が経費的にも理にかなうような気がしてならない。

ドンムアン改装されて綺麗に

ターミナルの内観も改装されてきれいになりました。

ドンムアン内の牛丼屋

手ごろな値段で人気の牛丼屋が進出!

 

 

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思わぬところに落とし穴
パスポート狂騒曲

再入国許可証とビザ

かれこれ8年ぶりだと思う。今月末に所用でベトナムのハノイに行くことになった。ネットでベトナムの入国に関して調べると、日本人はビザなしで15日間は滞在できるようだ。しかしタイ人の場合はビザなしでも30日の滞在が認められている。タイ人のほうが日本人より好待遇なのだ。しかし、気になったのがベトナム入国時にパスポートの有効期限が日本人でもタイ人でも6か月以上あることがビザなしの入国の条件になっていることだ。慌てて自分のパスポートを確認すると、有効期限は2017年2月14日まで。なんと5か月しか有効期限は残っていない。たった2泊3日だし、往復の航空券も手配できている。ほんの1か月足りないだけだ。何とかならないものかと思い、ベトナム大使館に電話をしてみた。すると入国はできるが事前にビザを取得してくれとの返事だった。やれやれ。ビザを申請するのは面倒だしなぁ・・・・・・。少し悩んだ挙句、新しく旅券を更新することにした。

タイに在留届を出している邦人はタイの日本大使館領事部で旅券の更新手続きをすることができる。所用期間は3日間。費用は5年有効のもので3080バーツ、10年有効のものは4480バーツだ。今回は10年有効の旅券に更新した。日本だと10年有効の旅券は1万6000円である。しかしタイでは今のレートだと1万3440円の計算になる。為替の関係とはいえ、ちょっと得した気分だった。しかし、喜んでばかりはいられない。旅券を更新したらやらなければならないことがある。それは、旧旅券の中にある業務滞在ビザや再入国許可を、新しい旅券へ移し替える手続きだ。これはタイの入国管理局へ行って手続きする必要がある。自分でやることも可能だが、手間と時間を考えた挙句、馴染みの代行業者へお願いすることにした。それでも必要書類や委任状などを用意しなくてはならない。とりあえず書類も揃ったし無事に終わるかと思いきや、やっぱりスムーズにはいかなかった。業務滞在ビザは問題なく移し替えることができた。しかし、再入国許可は申請した場所でしか移し替えの手続きができないという。たまたま今年の再入国許可は入管本部ではなく、スワナプーム空港で取得していた。全く役所というところは融通が利かないところである。結局、再入国許可はスワナプーム空港の入管窓口まで出向いて自分で手続きをしてきた。手数料は掛からないが、空港と事務所の往復に3時間も掛かった。

新しく旅券を申請してから1週間。業務ビザや再入国許可の移し替えに、これほど奔走させられるとは・・・・・・。これでやっと新しい旅券でベトナムへ旅立てる。なんか部屋の引っ越しを終えたような達成感があった。

空港の再入国許可窓口

スワンナプーム空港にある再入国許可窓口。はるばるやって来ました。

旅券の更新完了

無事にパスポートの更新完了。予想以上に手間がかかりました。

 

中村蒸一 Profile

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スーパーを歩けばわかる
日本食の圧倒的な存在感

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今年は関東や東北が台風の当たり年なのだろうか? 台風が来ると一番気になるのが飛行機の事だ。日本からの訪問客の便に台風の影響が出なければ良いのだがと気をもむ。先週も日本から大学生3人が観光に来ることになっていた。空港へ迎えに行ったのだが、飛行機は離陸したが台風の影響で1時間半近く遅れての到着だった。また帰りの便も台風10号を追いかけるような感じで帰っていった。最悪の場合は成田ではなく、別の空港に降りるかもしれない、ダイバードという条件での離陸だった。

そんな台風に振り回された大学生と4日間一緒に過ごした。観光や買物を満喫した彼らが一番びっくりしたのがバンコクに日本食レストランが林立していることだ。「なんでこんあに日本食レストランばかりあるんですか」「なんでタイ人は日本食がこんなに好きなんですか」 なんでだろう。タイに住んでいるともう当たり前の風景なので、こんなものだと思うしかない。もはや日本食はブームではないのだ。もうタイの社会にしっかり溶け込んでいる。ちなみに日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)タイ国支部の発表によるとタイにある日本食レストランの数は2713店で前年比3.6%増だそうだ。

ここまで日本食レストランが増えると日本の食材を買える店も多くなって当然だ。昔からタイ在住の日本人にお馴染みの『フジスーパー』だけでなく、『トップス』や『ビッグC』などのローカルのスーパーでも日本の食材を買うことができる。なかでも凄いのが『マクロ』だ。『マクロ』は業務卸が専業のメガ・スーパーで、日本にも店舗がある『コストコ』のような感じの店舗である。飲食店はもとより、小売店の店主などが商品を仕入れにくる。基本は箱売り、ケース売りで、事前に会員登録して会員カードを掲示しなければ買うことができない。そんな『マクロ』に日本食材の一角が設けられたのは5年ぐらい前だろうか。醤油やドレッシングなど調味料がメインだが、近くの冷凍庫にはタコ焼きや鰻の蒲焼、〆サバ、海老、とび子、ワサビと寿司のネタを中心にかなりの品揃えである。しかも、それらはちゃんと業務用なのだ。そして売れ行きも悪くなく、どんどん回転している感じなのが凄い。ちなみに私もここマクロで週に1回は仕入れをする。

タイで19年前に飲食店をはじめた頃は「無い、無い、無い」の連続だった。今ではこんなところで、こんなモノが買えるのかとビックリする事が多い。タイに日本食店が2713店もあれば当然なのかもしれないが・・・・・・。

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所狭しと商品が並ぶ業務用メガ・ストア『マクロ』

 

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意外や意外?仏教国タイに
根付く西洋の縁起担ぎ

13階がないビルの案内板

タイに在住して19年目。日本へ一時帰国した際に、ついついやってしまうことが2つある。一つはタクシーのドアを自分で開けたり、閉めたりすることだ。その度に運転手さんから怪訝そうな顔をされる。タイには自動ドアのタクシーは一台もない。自分で開けて、閉めるのが常識だ。逆に自動ドアになっている日本のタクシーの方が世界的に見ても特異だと思うのだが・・・・・・。

そして2つ目は電話に出る時、つい「ハロー」と言ってしまう事だ。実家に居る時、家の電話でも、ついそれをやってしまった。電話を掛けて来た妹からは「掛け間違ったかと思った」と思わず切られそうになった。

染みついた習慣というのは本当に恐ろしいものだ。

タイでは電話に出る時「ハロー」と言って出る。これは英語の「Hello」から来ている。でもなぜハローというようになったのかは定かではないようだ。この他にもタイ人が普段タイ語の感覚で使う英語はいくつかある。「シュア?」(Sure / 本当・本気)とか「ショー」(Show / 見せる)、「ティービー」(TV / テレビ)などなど。

またタイでは意図的に「13」という数字を使わないことが多い。典型的なのはビルと飛行機。タイ、特にバンコクの高層ビルやマンションには13階がない場合がほとんどだ。実際にはあるのだけれど欠番だったり、AAとか――の表示になっていたりする。そしてタイ国際航空とバンコクエアウェイズには13番という座席が存在しない。また空港の荷物受け取り台も13番は欠番になっている。

ビルの階数や飛行機の座席に13がないのは言うまでもなく、キリスト教徒の方が忌み嫌う番号だからだ。仏教国であり、仏教徒が9割を占めるタイで、そこまでこだわる必要があるのか。日本人である自分は不思議に思った。しかし、これこそがタイ人なりの「おもてなし」であり、気遣いなのだろう。

そういえば、タイ料理にも面白い料理がある。「カオ・パット・アメリカン」だ。日本語に訳すと「アメリカ風炒飯」になる。ケチャップライスに目玉焼きとフライドチキン、ソーセージがセットになった料理である。店によってはハムが添えられていたりもする。要はモーニングセットのトーストがケチャップ・ライスになっただけだが、タイ人は朝だけでなく昼でも夜でも食べる。日本人である私には、お子様ランチようにも見えた。でも食べて見ると案外うまいし、味のバランスも良い。

カオ・パット・アメリカン。この料理にはタイ人のアメリカはきっとこうなんだ!という思いがギュッと詰まっている気がする。

アメリカ風炒飯

これぞアメリカ風チャーハン「カオ・パット・アメリカン」。盛り付けもちょっとおしゃれに。

 

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タイでは王女様も夢中!?
根強い人気の切手収集

タイの記念切手

3か月に1回、お店で使える優待券をお客様に郵送している。その際に記念切手を貼って出しているのだが、受け取ったお客様からタイの記念切手がきれいなのにビックリしたという声を頂くことがある。確かにタイの記念切手は綺麗で芸術的なデザインのものが多い。時に使うのがもったいないなぁと思う時があるぐらいだ。
実は中学生の時、切手収集が趣味だった。記念切手が発行されるたびに足早に郵便局へ通っていたのを覚えている。大人になったら「月に雁」や「見返り美人」の切手を買うのが夢だったりもした。しかし、大学進学で実家を離れてからは記念切手を買いに郵便局へ行くことは全くなくなった。切手収集以外の趣味が見つかったからだ。あのころ集めた切手はきっと実家の押し入れの奥に今でも眠っていることだろう。
果たして今、日本には切手収集が趣味だという人が、どれほどいるのだろうか? 趣味の王道ともよばれた切手収集。ここタイでは切手収集が趣味という人は多い。郵便局によっては記念切手専用の窓口があり、切手収集家たちでいつもにぎわっている。収集だけでなく、私のように使うために記念切手を買いに来る人も最近は多いようだ。
窓口の横の壁には発行予定の記念切手の図案と発売日など詳細がポスターになって掲示されている。少なくとも月に1回は新しい記念切手がタイでは発行されているようだ。タイ国内の郵便料金は、はがきが2バーツ、封書が25グラムまで3バーツである。だから発行される記念切手は額面3バーツのものが多い。時に語呂が良いとしてタイ人に人気の5バーツや9バーツの記念切手、そして海外向け絵はがき(航空便)用の15バーツの記念切手も発行されている。とにかくタイの記念切手はバラエティ豊かなのだ。
タイ王室のシリトン王女は、大の切手収集家として国民によく知られている。王女は海外へ出かけると自分宛てに現地の切手を貼った手紙を出すことでも有名だ。そんな王女の収集した切手やタイ国内の切手、そして世界の切手を見ることができる博物館がバンコクにはある。<サムセンナイ切手博物館>だ。
BTSサパンクワイ駅の真ん前にある建物なので迷うことはないと思う。週末にはこの建物の1階で古切手市が行われていて、切手収集家で賑わうようだ。
サムセンナイ博物館、実は話を耳にするだけで、いまだ行かずにいる。そこに行ってしまえば、切手収集に没頭した頃の思いが再発するのではないか・・・・・・。とりあえず今は郵便局どまりの状態なのだ。

タイの郵便局

ひときわ目立つピンクの建物が郵便局です。

 

記念切手告知のポスター

郵便局に入ると記念切手告知のポスターが貼られていました。

 

 

中村蒸一 Profile

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