やっと終わった・・・・・・。その安堵感は、今じわり、じわりと、何とかやり遂げた達成感に変わろうとしている。2月10日から12日までバンコク中心部、セントラルワールドで開催された『ジャパンエキスポタイランド2017』。このイベントに裏方として3日間参加してきたのだ。当初、イベント参加への話をいただいた時には断ろうと思っていた。毎日が通常の業務をこなすだけで精一杯だし、人手の余裕もない。しかし、「アジア最大級の日本文化の祭典を、どうか支えて欲しい」というひと言を聞いて断ることはできなかった。日本に興味を持ち、日本が大好きなタイの人たちが心待ちにしている年1回のビッグ・イベントである。そのイベントを少しでも盛り上げることができたら・・・・・・。
引き受けた業務はイベント敷地内でブースを開設する岩手県の支援だった。なかでも一番の任務は11日に特設ステージで行われる椀子そば大会の裏方である。大会で使う椀子そばはもちろん、機材やスタッフまで用意しなくてはならない。いくら一杯ごとのそばの量は少ないとはいえ、1200杯の椀子そばを用意するのは本当に骨が折れた。大会開始までの時間を逆算してそばを茹でる。そしてスタッフ総出で椀子そばへ仕立てた。果たして椀子そば競争みたいな、日本でもマイナーなイベントがタイ人に受けるのか? 正直、そんな不安がないわけでもなかった。しかし、いざステージでイベントがはじまると、それは全く杞憂に終わる。ステージに上がったタイ人の挑戦者たちは真剣そのもの。ステージはもちろん、観客席も大いに盛り上がり、大会が終わっても参加したいという人が次々と押しかけ、実行員会は嬉しい悲鳴をあげていたのだ。これには本当に驚いた。きっとタイの人たちは参加、実体験型の日本のアクティビティーに飢えていたのだろう。
今年で三回目の開催となったジャパンエキスポには3日間で約60万人の人が訪れたようだ。特設ステージにはAKB48やピコ太郎さん、ダンプ松本さんなど数多くの有名人が日本から駆け付け会場を盛り上げていた。
ステージ以外では、飲食ブースや物販ブース、また観光ブースと色々なブースが設けられ、時間帯によっては歩くのも困難なぐらいの混雑だった。そんな会場内でタイ人から注目を浴びていたのが日本の着ぐるみ。いわゆる「ゆるキャラ」である。実は岩手県のゆるキャラ『とうふっち』の中にはうちの会社のスタッフが入っていた。もし人手が足りなければ自分が入ろうと覚悟していたのだ。しかし、幸か不幸か入ることなくイベントは終了。あぁ、一度入っておけばよかった。今となって変な後悔をしている自分が今ここにいる。
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」