+ 静かなビーチ沿いのリゾート、ホアヒンをカオ・タキアップ方面から一望
100年前にはじまったリゾートとしての歴史
ホアヒンがリゾート地としてその名を刻んだのは20世紀初頭のこと。1911年にバンコク〜マレーシアの鉄道がこの地に開通。当時イギリス領だったマレーシアから、欧米人がその鉄道を利用して保養に訪れはじめたことがきっかけだそうです。その後、チャアムからホアヒンへと続く海岸線沿いに王室が次々に別荘を構え、「ロイヤル・リゾート」としての地位を確立しました。
バンコクからホアヒンに向かう途中、まずわたしたちが訪ねたのは、ペッチャブリーにある、ラーマ5世が手掛けた<プララーム・ラーチャニウェート>、別名『バンブン離宮』です。
プララーム・ラーチャニウェート Pharam Ratcnaniwet
ラーマ5世は、奴隷制度の廃止、学校教育の開始、官僚制の導入など、「チャクリー改革」と呼ばれる数々の改革を断行し、タイの近代化に大きな足跡を残しました。彼が私財を投じて建設に乗り出した離宮をデザインしたのはドイツ人。ウィルヘルム・カイザーの宮殿をモデルとし、調度などもヨーロピアン・スタイルでまとめられています。この離宮が着工した1910年にラーマ5世は崩御。息子のラーマ6世が建築を引き継ぎ、完成したのは6年後のことでした。1918年からは離宮ではなく国賓の宿泊施設として使用され、それとともに名称も変わりました。
庭園に立つラーマ5世像の前で手を合わせる人々の姿も目にしました。彼は今でも国民の間で高い人気を誇っているそうです。
マルカッタイヤワン宮殿 Marukhathaivawaii Palace
<プララーム・ラーチャニウェート>からホアヒン方面へさらに1時間ほど車を走らせると、ラーマ6世が夏を過ごすために造った宮殿<マルカッタイヤワン宮殿>に到着します。こちらはイタリア人による設計による風通しのよい高床式の構造で、メインとなる3つの建物は渡り廊下でつながっています。さわやかなブルーに染められた建物は涼しげな印象。内部も見学でき、玉座やベッド、テーブルなど、王族の暮らしぶりが伺われる調度が残っています(撮影は禁止)。
この日は修学旅行かと思われる子供たちが訪問していて、敷地にはにぎやかな歓声が聞こえていました。一般のタイ人観光客にも人気のスポットで、敷地内にはおしゃれなショップも併設されています。
プラーンワン Plearnwan
<マルカッタイヤワン宮殿>からホアヒン市街までは車で15分。 ホテルにチェックインする前に地元で人気のショッピングモールに立ち寄ってみましょう。<プラーンワン>は1920〜1930年代のタイをモチーフにしたヴィンテージ感あふれる施設です。名称は英語の「Play(遊ぶ)」と「Learn(学ぶ)」、タイ語の「Wan(過去)」を組み合わせた造語。オープンエアの2階建ての建物には、雑貨や衣料のショップやカフェが並ぶほか、観覧車やゲストハウスも併設しています。
外国人旅行客の姿はほとんど見かけず、バンコクあたりから来たと思しきタイ人が楽しそうに写真撮影に興じる姿が目立ちます。2Fにある祠で手を合わせている若者はムエタイの選手でしょうか。来る試合での勝利を祈っているのかもしれませんね。
デチャヌシット通り Dechanuchit Rd.
日が落ちたら、まずは腹ごしらえに出かけましょう。目指すは<サンタイ・シーフード Sangthai Seafood>。潮風が心地よい海岸沿いのレストランです。
ホアヒンにもナイト・マーケットがあります。街の中心にあるデチャヌシット通りには、レストランやバーのほか、みやげものにTシャツ、フルーツ、おやつなどを売る露店がズラリ。雨の日もOKなアーケード街もあります。どこもにぎわっていますが、混雑し過ぎずほどほどな感じ。
ホアヒン・ビーチ Hua Hin Beach
ホアヒンのアクティビティと言えば、やはりビーチ。5kmにわたって白い砂浜が続くホアヒン・ビーチはとても静か。なぜなら水上オートバイのようなエンジン音を発するマリン・スポーツが禁止されているからです。のんびりと散歩を楽しんだり。ビーチ・チェアに寝そべって読書もいいのですが、せっかくなので名物の乗馬にトライしてみましょう。乗馬と言ってもいわゆる引き馬なので、乗馬初心者でもご安心を。ビーチにつづく沿道に並ぶみやげもの屋を見て歩くのも楽しいですよ。
ワット・フワイ・モンコン Wat Huay Mongkol
ホアヒン郊外の見どころもご紹介しましょう。市街地から西に15kmほどの距離にある<ワット・フワイ・モンコン>は、16世紀に実在した伝説の僧侶、ルアン・プー・トゥアットを祀ったお寺です。このルアンさんは超常能力を持っており、水の上を歩いたり海水を真水に変えたりと数々の奇跡を起こしたそうです。高さ11.5m、幅9.9mのルアン像はインパクト大。休日はタイ人の参拝客で混雑しています。小さなルアン像が乗ったゾウは、足の間をくぐると運気が上がるとのこと。
サラ・ワイン・バー・アンド・ビストロ THE SALA WINE BAR AND BISTRO
ホアヒン市街地から西に30kmの位置には、なんとワイナリーがあります。欧米にも輸出されている『モンスーン・バレー』というブランドで知られる『サイアム・ワイナリー』社が開設。2023ヘクタールという東南アジア最大規模のブドウ畑は、ゾウに乗って散策することができます。そばにあるレストラン<サラ・ワイン・バー・アンド・ビストロ>では、イタリア料理を提供。『モンスーン・バレー』はもちろんのこと、『サイアム・ワイナリー』の主力商品のテイスティングが楽しめます。
サム・パン・ナム・フローティング・マーケット Sam Phan Nam Floating Market
ちょっとベタな観光スポットと言えば水上マーケット。湖の周りにショップやレストランが並んでいます。場内は機関車で移動できるほか、ボートで周遊することも可能。休日にはアトラクションも用意しているようです。
【ホアヒンのおすすめホテル】
ホアヒンのビーチ沿いには、クオリティの高いリゾート・ホテルが立ち並んでいます。そのなかでも人気の3軒をピック・アップ。
プタラクサ・ホアヒン Putahracsa Hua Hin
日本人にも人気の高いホテルです。白を基調としたデザインがリゾート気分を盛り上げてくれます。人数が多い場合は、ジャクジーや専用プールが付いたヴィラ・タイプの部屋もおすすめ。
ウォラ・ブラ・ホアヒン・リゾート・アンド・スパ
Wora Bura Hua Hin Resort and Spa
コロニアル調の優雅な雰囲気を湛えたホテル。敷地内にはそれぞれ趣向を凝らしたヴィラが立っています。調度品も重厚な印象。青い海が見える広々としたプールの開放感も特筆ものです。
レッツ・シー・ホアヒン・アル・フレスコ・リゾート
Let’s Sea Hua Hin Al Fresco Resort
ポップなデザインにファン多数。プールを挟んでヴィラが並んでいて、1Fであれば部屋から直接プールに入れます。屋上テラスのある2Fの部屋(デラックス・スイート)とどちらを選ぶか迷いそう。
プララーム・ラーチャニウェート Pharam Ratcnaniwet
Open Hour
8:00~16:00(土日~16:30)
Entrance Fee
50バーツ
マルカッタイヤワン宮殿 Marukhathaivawaii Palace
Open Hour
8:00~16:00(土日8:30~)
※水曜休館
Entrance Fee
30バーツ
プラーンワン Plearnwan
Open Hour
10:00〜22:00、金曜10:00〜24:00、土曜9:00〜24:00、日曜9:00〜22:00
Official Web(英語)
ホアヒン・ビーチ Hua Hin Beach
乗馬料金
30分300バーツ、15分200バーツ
ワット・フワイ・モンコン Wat Huay Mongkol
Open Hour
常時見学可能
Entrance Fee
なし
サラ・ワイン・バー・アンド・ビストロ THE SALA WINE BAR AND BISTRO
Open Hour
10:00〜18:00(食事の提供は11:00~17:30)
Official Web(英語)
サム・パン・ナム・フローティング・マーケット Sam Phan Nam Floating Market
Official Web(タイ語)
プタラクサ・ホアヒン Putahracsa Hua Hin
Official Web(英語)
ウォラ・ブラ・ホアヒン・リゾート・アンド・スパ Wora Bura Hua Hin Resort and Spa
Official Web(英語)
レッツ・シー・ホアヒン・アル・フレスコ・リゾート Let’s Sea Hua Hin Al Fresco Resort
Official Web(英語)
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