あけましておめでとうございます
さて、タイの「お正月」を数えてみると

ソンクラーン

+ ウィタラディット県クンタパオ村のソンクラーン photo from Wikimedia Commons

 

タイでは1年間に正月が3回やって来る。いや、厳密に言うと5回あるらしい。

まずは日本でもお馴染みの西暦によるお正月。日本では年末から年始にかけて1週間ほど正月休みをとる。しかし、タイでは大晦日と元日の2日間が祭日なだけである。銀行なども1月2日から普通に営業している。日本の正月のようなおめでたい雰囲気はほとんどない。遠出をせずゆっくり家で過ごすというのがタイの年末年始の一般的な過ごし方のようだ。

続いてくる正月は旧暦の正月。日本では旧正月と呼ばれているが、タイでは中国正月と呼ばれる。中華系の人はこの期間しっかりとお休みをとる。祭日ではないが、中華系の会社はことごとく休業になる。この期間に休んでいる会社は中華系がオーナーであると思ってほぼ間違いない。

そして4月にやってくるのはタイで一番大きな正月であるタイ正月。水掛けで有名なソンクラーンだ。4月の13日から15日が祝日になる。この3日間を挟んで1週間から10日休む会社が多い。

バンコクへ出稼ぎにきている地方の人はソンクラーンになると、こぞって故郷へ帰る。だから日本の正月と同様、民族大移動が起きる。ソンクラーンは一年でタイが一番賑やかになる時期だ。朝から酒を飲み、街中で水を掛けあって祝う。これを目当てにタイに来るツーリストも居る。しかし現地に駐在する日本人の多くは部屋に籠るか、日本へ一時帰国する。または近隣諸国へ家族で旅行する人も多い。

理不尽に水を掛けられるソンクラーンが嫌いな日本人はどうも私だけじゃないらしい。

あと残り2つの正月はイスラム正月とヒンズー正月である。

タイには南部をはじめイスラム教徒が実はかなりいる。彼らにとって正月と言えばイスラム暦による正月なのだ。

そして忘れてはならないのが印僑と呼ばれる人たち。華僑ほど人口は多くないがインド系タイ人はヒンズー正月を祝う。実はそれがどんな正月なのかは知らない。一度ご招待に授かれたらと思っている。

何はともあれ色々な正月がタイにはあるものだ。一年に一度しか正月のない日本。

5回はともかく3回も正月がやってくるタイは本当におめでたい国だと思う。

謹賀新年。サワディーピーマイ!

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
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