このホテルは一筋縄ではいかない
にぎやかなプルンチット通りから一歩入ったソイ・ルアムルディは、新しいビルやホテルが建ち並ぶ落ち着いた通りです。そこからソイ2に進むと閑静な住宅街。プルンチット通りの喧噪が嘘のような静けさが漂ってます。今回訪れる<テンフェイス>は、そのソイ2の突き当たりに位置しています。茶色を基調とした外観には特別目立つようなデザインは見られませんが、階段を上りエントランスまで足を運べば、ほかのホテルとは明らかに違う個性をもっていることがわかるはず。そこで待っているのは、透明なガラスのドアではなく、錆びが入った鉄の扉なのですから。
感性と知性が均衡するクリエイティヴ空間
「テンフェイス」とは、タイの国民的な叙事詩『ラーマキエン』のなかでシータという絶世の美女をめぐりラマ王と争う魔王トサカンに由来するそうです。ホテルのバー、<シータ・バー>はこの美女にちなんでいるのですね。トサカンは10の顔(10 faces = テンフェイス)と20の腕をもっています。転じて、すべてを見通す10対の目とものをかたちづくる20の腕を備えた、クリエイティビティを象徴する存在として、このホテルで再生しました。インテリアの随所にトサカンが描かれていますが、そのタッチからは、タイの伝統とモダニズムを股にかけたポップな感性が垣間見られます。トータルでホテルのデザインを手掛けたのは、タイでもっともホットな建築会社の一つ、IAW。トンローにあるファッションビル、<プレイグラウンド>や、バンコクに6店舗を展開する<グレイハウンド・カフェ>などのデザインで知られています。そのれらの経験を生かし、<テンフェイス>では、壁面に描かれたグラフィックと立体のオブジェをうまく組み合わせることによって、アーティスティックな空間を作り出しています。
「5つ星クラス」を標榜するサービスも注目
インテリア・デザインだけではなく、設備も申し分ありません。79ある客室はすべて広々としたスイーツ仕様。18.5mのスイミング・プールやフィットネス・ジムもあります。前述の<シータ・バー>はDJブースを備え、心地よい音楽とともにオリジナル・カクテルを楽しめます。また、レストラン、<ワナラ・イートリー>では、西洋料理とタイ料理のフュージョンによる創作料理を提供。ワインの品揃えも自慢の一つです。プルンチット駅とホテルを結ぶシャトル・サービスも便利ですが、おもしろいのはチェックイン時に渡される『トサカンズ・ハート・ボックス』。中には、バスルーム用のアメニティのほか、BTSのプリペイド・カード、モバイルフォンで使えるSIMカード、iPod nano、おすすめスポットを掲載したマップなどが入っています。これらのキットは、まさに自分専用のコンシェルジュとして役に立ってくれることでしょう。
2ベッドルームの部屋にはキッチンも付いており、長期滞在用のサービス・アパートメントとしての機能もバッチリです。数週間滞在して、ホテルのデザインにこめられたコンセプトやストーリーをゆっくりと吟味し、自らの感性を磨く。そんな贅沢な旅をしたくなるホテルです。
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Address
81 Soi Ruamrudee, Wireless Rd., Bangrak 10330
Phone
02-695-4242
Wifi
無料
Area (Nearest Train)
プルンチット・エリア(BTS プルンチット駅)
Tips
www.tenfacebangkok.com/
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