今年も『タイフェックス』の時期がやってきた。1年に一度開催されるタイ最大級の国際総合食品見本市。タイへの販路拡大を目指す飲食関連企業がアジアをはじめ世界中から集まるイベントだ。この見本市への参加は毎年恒例の行事になっている。
開催される場所は、これも毎年同じでバンコクに隣接するムアントンタニ県の<インパクト・エキスハビジョン・センター>だ。頭が痛いのは、そこまでの移動手段である。バンコクの中心部であるスクンビット地区からは、なかなかタクシーはムアントンタニ県まで向かってくれない。日本と違ってバンコクのタクシーは近距離を何回もこなすのを好む。日本より安いとはいえ初乗り運賃を何回も倒すほうが彼らは儲かるのだ。
ならばどう移動するのが良いのか?以前タイ人に聞くと、BTSとよばれる高架鉄道でモーチット駅まで行き、そこからシャトルバスで向かう方法が一番効率的だと教えてくれた。費用も安い。高架鉄道の運賃は乗る駅に拠るがモーチット駅からのシャトルバスは32バーツだ。ただ乗り合いのために定員になるまで待たされるのと、狭い車内で15分ほど辛抱しなくてはいけないが・・・・・・。
今年も、もちろんこの方法で会場へ向かった。着いたのは昼過ぎ。会場はかなりの人だ。試食や実演があるゾーンはまるで山手線の通勤ラッシュのようで、歩くことさえできない状態になっている。売り込むほうも、それを聞くほうも真剣勝負。新しいもの好きなタイ人のバイヤーは目の色が違う。何か良いもの、変わったもの、ウケるものを仕入れてやろう。こんなに真剣な眼差しのタイ人を目にする機会は、そうあるものではない。
そして、お決まりだが日本のブースへも足を運ぶ。ジェトロさんによると46の日本企業が今年は出店したそうだ。かなりの数である。それだけ多くの日本企業がタイ市場への進出を望んでいることに驚く。そして、多くのタイ人バイヤーたちが日本の出店企業さんと真剣に商談しているのを見ると、やっぱり日本人として嬉しくなる。今年は和牛のコーナーが、かなりの賑わいを見せていた。日本に旅行に行き、日本のお肉のおいしさに気付いたタイ人は多いと思う。
かれこれ会場で3時間。毎年のことながら『タイフェックス』は良い刺激になっている。1年に一度の大人の遠足が今年も終わった。
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」