がまだせ、熊本、大分!
支援の輪はタイにも広がる

案内板

その日は、偶然ながらも東京にいた。日本での仕事を片付け、翌日にバンコクへ戻る前夜の4月14日。上野のホテルでテレビを見ながらビールを飲んでいると、テレビに字幕が走った。熊本で大地震発生。しばらくすると、テレビ番組が地震の速報番組に切り替わってしまった。これはただ事ではないぞ。
すぐに手元の携帯電話から実家の鹿児島に電話を掛ける。だが、回線がパンクしているのか繋がらない。ホテルのロビーに降りて、公衆電話から掛け直すと難なく繋がり実家の無事を確認することができた。公衆電話は災害に強い。一般の電話回線や携帯電話より優先的につながると東日本大震災の時に言われていたが本当だったのだ。
翌日バンコクへ戻ると会う人、会う人が日本の地震のことを、そして私の実家のことを心配してくれる。
「熊本が何処かわからないが、日本がまた大変なことになっているぞ。君の実家は大丈夫か?」
最初はその気遣いが嬉しかったが、余りに頻繁に続くと少々疲れる。
「心配して頂きありがとう。もし大丈夫じゃなかったら今ここに居ないから」。
そう答えると、『そうだな』と多くのタイ人は笑って頷いてくれる。
今回の熊本地震が起きた4月14日と15日はソンクラン休暇中で九州にも多くのタイ人観光客が訪れていたようだ。タイの外務省は熊本や大分で地震により足止めを余儀なくされていたタイ人127人を救出し、タイ国際航空の協力のもと福岡より全員を帰国させたと発表している。海外で災害が起きると自国民の安否を確認し援助に向かうのはどの国の政府も同じなのだ。
先週はお付き合いのあるアメリカンスクールからチャリティーの依頼があった。同スクールには日本人の生徒も在籍している。そんな縁から学校をあげて熊本地震の被害者へ義援金を贈るためのチャリティーを開催することになったようだ。
当日はタイの方々だけでなく、現地に住む日本人やアメリカンスクールの関係者が300名以上も駆けつけ会場は熱気に包まれた。タイ人だけでなく世界中の人がここバンコクで日本のことを、熊本のことを思ってくれている。そのことが日本人として本当に嬉しかった。
当日の売り上げに心ばかりの気持ちを加えて4000バーツの義援金をアメリカンスクールに託した。
がまだせ(がんばれ)、熊本。タイでも多くの人が熊本のいち早い復興を祈っている。

チャリティー会場

アメリカンスクールのチャリティ・バザー会場の様子

 

こんな動きもタイで

バンコクの日本人向けのショップのチラシでも熊本応援セール

 

 

 

中村蒸一 Profile

ph7

タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」