日本とは少し違う
タイの祝祭日、記念日

王妃誕生日を祝う

8月9日から12日までタイは4連休だった。8月12日は王妃誕生日である。この日が火曜日だったので現政権が月曜日を国民の休日にしたのだ。よってゴールデン・ウイーク並の休みが8月に誕生した。

本来、タイは日本より祭日が少ない。しかし、こうして臨時に祭日が制定されることがある。だから実際はタイの方が日本より祭日が多いのではないだろうか? 確かに長い休みを設けることで国民の消費活動が活発になり、それなりの経済効果は見込めると思う。旅行へ出かけたり、家族で食事に出かけたりする人が増える。我々飲食業にとっては願っても無い稼ぎ時となる。

特に王妃誕生日である8月12日はタイの母の日でもある。母親に贈り物を送ったり、食事に連れ出したりするのがタイの母の日の一般的な祝い方だ。自分の店でもそうだが、街中のレストランでも母親を連れた家族連れの姿が特に目立った4連休だった。

タイの場合は母の日もそうだが、父の日も祝う日が日本とは違う。国王誕生日である12月5日がタイでは父の日なのである。また子供の日はタイでは祭日ではない。政府指定の記念日で1月の第2土曜日が子供の日となっている。この日は日本と同じように子供向けのイベントがあちこちで開催される。子供にとっては一年で一番待ち遠しい日かもしれない。

この他にもタイには祭日ではないが、政府指定の記念日がいくつかある。なかでも一番知られているのが教師の日ではないだろうか? 1月16日の教師の日は一般の祭日ではないが学校は軒並み休みになる。この日はお世話になった教師へ感謝の気持ちを表すのがタイ社会の伝統なのだ。経済的事情や家庭の事情で若者が非行に走るのは日本もタイも同じだ。特に専門学校生の非行問題はタイでは深刻な問題になっている。「先生が向かう場所は、ローングリーアン(学校)とローングパック(警察の留置場)、それにローングパヤバーン(病院)の3か所だけ」などと揶揄もされることもある。それでもタイには必死に生徒と向き合う教師が沢山いる。タイ社会は教師を敬愛して止まない。だから今でも教師の日が祝われ続けているのだと思う。

教師。タイでは医師に次いで人気の高い職業である。

 

中村蒸一 Profile

ph7

タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
詳しくはこちらをクリック!

インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」