高級な輸入品も人気
いまタイでは自転車が熱い!

輸入自転車専門店

今年の10月、社員旅行でベトナムのハノイを訪れた。かれこれ8年ぶりのハノイ。まずは立派になった空港に驚かされた。昔の面影を全く感じることのない新空港。タクシーで街へ向かう途中にバイクの大洪水を見た時、やっと「やっぱりベトナムだよな」と、妙に安心したほどだ。

そんなハノイでエコツーリズムに参加した。最近ハノイで人気を集めているツアーだと聞いたからだ。しかし、何のことはない。田舎の湖畔を自転車で観光するいわゆるサイクリングツアーなのだ。しかも、ごく普通の婦人用自転車なのでスポーツ感は全くない。早さや距離を競うことなく、ただガイドの後を追いかけるようにペダルをこぐ。自転車で遠足に行っているような感じだった。その辺の緩さが人気なのだろう。参加したタイ人のスタッフは思いのほか満足したようだ。

ハノイエコツアー

そういえば、ここ数年タイでもサイクリングがトレンドというか、人気のスポーツとして注目されている。20年前にタイに来た当初は自転車に乗るタイ人をバンコクでは見かけることはなかった。ちょっとした距離でもバイクや車で移動するのがタイ人だ。歩かない。歩こうとしない人たちなのである。

そんなタイ人が自転車に乗るようになるとは正直ビックリしている。通勤とか通学で自転車に乗るというよりは、趣味や娯楽として乗っている人たちが大多数ではあるが・・・・・・。

確か3年ぐらい前から深夜、街中をサイクリングしているグループに遭遇するようになった気がする。日中は車の量も多いし、また何より暑い。だからサイクリングも夜間なのだろう。夜間のサイクリングなんて、タイならではかもしれない。

そして、これまでになかった自転車専門店がバンコク市内に何件もオープンしている。中には輸入自転車専門の店舗もあり、日本製の自転車も人気のようだ。価格も小型バイク同じぐらいのものもあり、それなりに売れているというから驚く。こだわりの自転車でサイクリングに参加するのは、ある意味ステータスなのかもしれない。そして自転車によるロードレースの大会も最近は盛んだ。どちらかと、マラソンより人気があるぐらいの感じだと思う。

自転車レースの大会も

そんなタイ人のサイクリストたちの間で注目を集めている場所が日本にあるらしい。瀬戸内海にある、<しまなみ海道>だ。富士山や北海道の流氷、そして桜よりも、海の上の街道を自転車で駆け抜けるのがウケている。いわゆるサイクリストたちの聖地になっているのだと聞く。

タイ人が日本でサイクリングを楽しむ。日本を訪れるタイ人たちの目的もどんどん変わっているようだ。10年ひと昔とは良く言ったものだと思う。

中村蒸一 Profile

ph7

タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」