3か月に1回、お店で使える優待券をお客様に郵送している。その際に記念切手を貼って出しているのだが、受け取ったお客様からタイの記念切手がきれいなのにビックリしたという声を頂くことがある。確かにタイの記念切手は綺麗で芸術的なデザインのものが多い。時に使うのがもったいないなぁと思う時があるぐらいだ。
実は中学生の時、切手収集が趣味だった。記念切手が発行されるたびに足早に郵便局へ通っていたのを覚えている。大人になったら「月に雁」や「見返り美人」の切手を買うのが夢だったりもした。しかし、大学進学で実家を離れてからは記念切手を買いに郵便局へ行くことは全くなくなった。切手収集以外の趣味が見つかったからだ。あのころ集めた切手はきっと実家の押し入れの奥に今でも眠っていることだろう。
果たして今、日本には切手収集が趣味だという人が、どれほどいるのだろうか? 趣味の王道ともよばれた切手収集。ここタイでは切手収集が趣味という人は多い。郵便局によっては記念切手専用の窓口があり、切手収集家たちでいつもにぎわっている。収集だけでなく、私のように使うために記念切手を買いに来る人も最近は多いようだ。
窓口の横の壁には発行予定の記念切手の図案と発売日など詳細がポスターになって掲示されている。少なくとも月に1回は新しい記念切手がタイでは発行されているようだ。タイ国内の郵便料金は、はがきが2バーツ、封書が25グラムまで3バーツである。だから発行される記念切手は額面3バーツのものが多い。時に語呂が良いとしてタイ人に人気の5バーツや9バーツの記念切手、そして海外向け絵はがき(航空便)用の15バーツの記念切手も発行されている。とにかくタイの記念切手はバラエティ豊かなのだ。
タイ王室のシリトン王女は、大の切手収集家として国民によく知られている。王女は海外へ出かけると自分宛てに現地の切手を貼った手紙を出すことでも有名だ。そんな王女の収集した切手やタイ国内の切手、そして世界の切手を見ることができる博物館がバンコクにはある。<サムセンナイ切手博物館>だ。
BTSサパンクワイ駅の真ん前にある建物なので迷うことはないと思う。週末にはこの建物の1階で古切手市が行われていて、切手収集家で賑わうようだ。
サムセンナイ博物館、実は話を耳にするだけで、いまだ行かずにいる。そこに行ってしまえば、切手収集に没頭した頃の思いが再発するのではないか・・・・・・。とりあえず今は郵便局どまりの状態なのだ。
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」