やはりタイ人は「日本食」が大好き
日本大使公邸での懇談会

網走牛のしゃぶ

7月13日、所用でバンコクの日本大使公邸へ出向いた。網走市主催の食の懇談会が公邸で開催され、その招待を受けていたのだ。
バンコクの日本大使公邸では日本の地方自治体主催の催し事が開催されることが多い。大使公邸内には50畳ほどの舞台を備えた広間が設けられている。立席なら80名は余裕ではいるのではないだろうか? 今回の懇談会も、その広間で行われた。会は午後12時からのスタートだったが、公邸には30分前には着くようにした。なぜなら、大使公邸前に着いても中に入るまでが結構大変なのだ。招待状やパスポートの掲示が必要で、内部との照合に時間が掛ることもある。分厚い高さ4メートルほどの鉄壁が2重に設けられており、その門の開け閉めにも時間が掛るのだ。
ここまで大使公邸の警備が厳重になったのは、あの事件以降だと思う。
今から13年前、北朝鮮からの脱北者10名がタイの日本大使館に駆け込んで韓国への亡命を求めた事件が起きた。通常、脱北者はタイに渡った後は韓国大使館へ向かう。しかし、あの時は警備体制の厳重な韓国大使館ではなく、まさかの日本大使館が駆け込み場所として狙われたのだ。あの事件以降、日本大使館だけでなく、大使公邸や日本人学校までも警備体制が厳重になった記憶がある。現地に住む日本人としては面倒だな、厄介だなと思う。しかし、いつ、どこで、どんなテロが起きるか分からないこの現代。警備や警戒を厳重にすることは不可欠なのだ。
さて、今回参加した網走市の食の懇談会の話題に戻ろうと思う。参加者は40名ほどだった。世界遺産に登録された知床はタイ人にも人気の観光地であり、網走の知名度も高い。だからか、タイ人のバイヤーさんからは、様々な質問が飛び交い、会場は大いに盛り上がった。日本の、そして網走の食材が、ここまでタイ人に注目されているのか。そう思うと日本人として本当に嬉しくなる。
セミナーの後の昼食会では、網走の食材を使った料理が振る舞われた。もう、これは絶品のものばかり。なかでも、タイ人に一番人気だったのが網走和牛のしゃぶしゃぶ。そして、和牛を使った握り寿司だ。この2つはあっという間に参加者のお腹の中へと収まってしまった。
久しぶりの大使公邸。タイ人の日本食に対する色々な思いを耳にし、お腹だけでなく心も満たされた午後だった。

官邸入口・玄関は撮影禁止

この建物が日本大使公邸。入口、玄関は警備上の都合により撮影禁止です

会場内の様子

懇談会の様子。日本、タイ両国の参加者のスピーチからスタートしました

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」