販売戦略とは分かっていても、季節限定とか数量限定と書かれていると、つい買いたくなる。なかでも日本に出張した際に期間限定のビールなどをコンビニで目にすると、もう迷う暇などない。今買わず、いつ買うのだ! 思わずガッツポーズをしてしまう。日本へ行くのは年間8回もない。そして滞在するのは長くても1週間。そんな日本での期間限定品との対面である。それはもうお宝を見つけた様な気分で、日本へ行った際の楽しみの一つでもあるのだ。
この”何何限定”という言葉、実は日本人だけでなくタイ人も好きな言葉だと思う。タイの市場にも色々な限定品があふれている。中でも限定品の宝庫と言えばコンビニの代表格、セブン・イレブンじゃないだろうか。
今月から発売になったマンゴー牛乳(パスチャライズ果汁牛乳)はタイ人の大好きなマンゴーの品種『モンムアン・オックロン』を使った新商品である。販売期間はこのマンゴーが収穫できる4月から6月までの3カ月間限定。しかも買えるのはセブン・イレブンのみと販売場所も限定なのだ。この商品を製造するのはCP明治乳業。セブン・イレブンの親会社であるCPグループの商品だからこそできる販売戦略だろう。
この他にもカルビーが作る海苔巻風味のさくらえびせん、日清の豚骨カップ・ラーメンなど、セブイ・イレブンでなければ買えないものが色々ある。これらはPB(プライベート・ブランド)という位置づけではない。しっかりと製造者のブランドが表記されているのでセブン・イレブン限定品という位置づけなのだ。ご丁寧にも「オンリー・アット・セブン」と英語での表記まである。
またタイには、タイでしか買えない日系ブランドの商品というのもある。地域限定商品というやつだ。代表格なのが、グリコのポッキー、トムヤムクン味ではないだろうか。元々はグリコがタイ人向けに現地で生産し販売していた商品である。しかし、日本人の間でタイ土産として評判になるや、お土産用の特別パーケージが登場するまでになった。日本での受けも良く、「お土産に買ってきて!」と頼まれることも多いようだ。
ちなみに個人的にはグリコのポッキー、マンゴー味がお薦めである。1箱12バーツ(36円)と手頃な価格にも関わらずタイらしいマンゴーの味が手軽に味わえる。
何はともあれタイに来たら、是非タイでしか買えない日本のお菓子を探してみたらどうだろうか。お宝なお土産になることと思う。
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」