月別アーカイブ: 2015年3月

古都チェンマイを襲う
煙害の正体

チェンマイのお寺

気温41℃。チェンマイ国際空港の温度計を見て思わずため息がでた。バンコクの事務所を出る時、車の温度計は34℃だった。まさか北部であるチェンマイがバンコクより暑いとは・・・・・・。

しかし、その暑さより吃驚したのはチェンマイの空気の悪さだった。この時期になると毎年のように発生するタイ北部の煙害。今年は例年以上に酷いようだ。実際、2日間ほど仕事でチェンマイに滞在が、その間、酷いくしゃみと鼻水に悩まされた。また呼吸器系の不快感も若干あった。これはいつものチェンマイと違うな。街中を行き交う人が皆マスクを付けている理由を身を持って理解することになった。

この煙害は10年以上も前からタイ政府を悩ませている。タイ正月であるソンクランの直前になるとタイ北部の農村地帯では広大な規模で焼畑が行われる。これが大規模な山火事へと繋がり、酷い煙害となるのだ。

今年もチェンライ空港ではこの煙害による視界不良が原因で空港閉鎖が数日続いた。健康被害だけでなく、飛行機の発着にまで影響を及ぼしているのである。

そんな事もあって、タイでは焼畑は法律で禁止されている。違反者には罰金1万バーツから10万バーツ、もしくは5年から7年の懲役が科されることになっている。それなのに、なぜ焼畑は減らず、毎年のように煙害は酷くなるのか。それはタイ北部に住む農民のほとんどが焼畑によって農地を元の状態に戻すことができると信じているからだろう。もちろん、焼畑はコストが掛らない。貧困と言う問題も根底にはあるはずだ。

チェンマイと言えば日本人のリタイヤ組が年金ビザでたくさん暮らしている。バンコクに比べて物価が安く、気候が良い。それがチェンマイで暮らす大きな理由だった。しかし、最近ではタイ国全土で最低賃金が引き上げられ、チェンマイの物価が安いとは決して言えなくなった。逆に市場の競争原理が働くバンコクの方が安かったりもする。

そしてこの煙害である。このまま煙害が続けばタイ北部では肺がんになる可能性はバンコクなどの2倍高くなるとのニュースがテレビからは流れてくる。

チェンマイに住むメリット。それに悩み始めたリタイヤ組も少なくない。

バンコクに住む身としては、チェンマイで暮らす人が羨ましかった。しかし今回ばかりはちょっと考えてしまう。

チェンマイ国際空港

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

意外にも合理的!
タイの車検システム

納税証書と車両登録証

納税証書と車両登録証。これがなくては、タイではクルマは運転できません

3月は何かと忙しい。そんな中、仕事の合間を縫って陸運局へ自動車税を納めに行った。代行業者に手数料を払って代行してもらう事も可能だ。しかし、陸運局は自宅から車で30分ほど。平日にちょっとした時間を見つければ行くことができる。

「今回は登録から7年目です。車検を受け、検査終了証書を一緒に持って来て下さい」。

まさか出直しになるとは・・・・・・。

窓口の係員が、仕方ないですねぇ~といった感じで自動車登録証を返してくれた。きっと毎日、何回も同じ言葉を口にしているのだろう。何より車検の事をすっかり忘れていた自分の間抜けさに腹が立った。タイでは車を新車で買った場合、買ってから6年間は車検を受ける必要はない。強制保険(自賠責)の加入証書と税金を納めるだけで、自動車登録の更新ができるのだ。

しかし、7年目からは車検が必要で、検査を受けた検査終了証書がないと自動車税の納付ができないのである。つまり、登録更新ができないということは自動車を使う事ができないということだ。ある意味タイにしては凄く合理的システムなのである。

ただタイの車検は日本の車検とはかなり事情が違う。タイの車検は街中にある民間車検場の認定を受けた自動車整備工場へ車を持ち込むのが普通だ。すると約15分で検査が終了し、検査終了証書を出してくれる。車検費用は車両総重量2000キロまでの車が200バーツ(700円)、2001キロ以上の車が300バーツ(1050円)である。タイの車検は早さも、費用も日本とは大違いなのだ。

だから陸運局で出直しを言い渡された時は焦ったが、難なく同じ日に車検を終え自動車税の納付を終えることができた。ちなみにタイの自動車税は排気量によって決まっている。600 CCまでは1CC当たり0.5バーツ、1800CCまでは同1.5バーツ、1801CC以上は同4バーツである。排気量が大きくなるほど税金は高くなのだ。また登録から6年目以降は10%ずつ税額が下がり、10年目以降は最初の税額の50%となる。そして、法人名義の場合は個人名時の場合の2倍の税金を納める必要がある。とにかく自動車の税に関してはこと細かいのだ。車検とは大違いである。

妙なところが緩かったり、意外なところが細かかったり・・・・・・。17年タイに暮らしていても、まだまだ驚きは尽きない。

 

民間車検場

民間の車検場です。街のあちらこちらにあるので便利

 

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

コンビニを席巻する
JAPANプレミアム

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「今や怖いのは同業者よりもコンビニの新しい動きだよ」。日本で飲食店を経営する友人がため息交じりに呟いた。確か2年ほど前の事だったと思う。なぜコンビニが飲食店の脅威になるのか? そんなに日本のコンビニは凄いのか? タイに住んでいるとイマイチ実感が湧かない。しかし、日本に行く度に意識して日本のコンビニを見てみると「確かに!」と思うようになった。

作りたて、出来たてのお惣菜。お刺身や寿司、サラダ、煮物。冬はおでん。夏は冷し中華と季節ごとのメニューも充実している。そしてビールは当然のこと缶チュウハイから日本酒、ワインまでお酒類も豊富に揃いお値段は原価だ。クレジットカードも使え、ポイントカードにポイントも貯まる。

これでは飲食店がコンビニを脅威に感じるのは当然だろう。最近は淹れたて珈琲やドーナツなどのスィーツもコンビニでという人が増えているようだ。今や飲食店だけでなくファーストフードや喫茶店もコンビニの動向にヒヤヒヤしているのではないだろうか?

さてここタイのコンビニはどうだろう。これといって飲食店の脅威なりそうな動きはない気がする。しかし、気になるのは日本の商品がどんどん増えていることだ。

例えばバンコク都内のセブンイレブン買える日本のものを挙げるとこんな感じだ。

おにぎり、焼き餃子、冷凍枝豆、カラムーチョ、明治ブルガリアヨーグルト、伊藤園のお~いお茶、焼き豚丼などなど。凄いのはこれら全てがタイで生産されている商品だということだ。だから当然ローカルプライスである。逆にそうでなければコンビニでは売れないだろう。日本では160円ほどする伊藤園の「おーいお茶」はタイでは20バーツである。日本円換算では約70円になる。しかし、タイの物価水準で考えると200円ぐらいの感覚だ。普通のコカ・コーラが13バーツで130円ぐらいであるのを考えると、ちょっとした贅沢な飲み物には違いない。そのプレミア感を生みだしているのは日本のブランドと外装の日本語じゃないだろうか?

どんどん進化というか、日本化が進むタイのコンビニ。今度はどんな日本の商品が棚に並ぶのか? 現地に住む日本人としてはタイのコンビニのこれからがちょっと楽しみだったりする。

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中村蒸一 Profile

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