タイ人の賭博好きが垣間見れる
政府公認「宝くじ」の仕組み

DSCF7918

サッカーワールドカップ・ブラジル大会が終わった。タイでは現軍事政権が全試合を無料で中継放送するという大盤振る舞いに出た。通常は有料のチャンネル契約をしなければ見られない試合も多い。軍政の国民へのご機嫌取りとの声もあったが、多くの国民がワールドカップに熱狂した数週間だった。

そしてワールドカップ開催期間中のお約束事と言えばサッカー賭博である。タイでは賭博行為は違法だ。それでも賭けなしにワールドカップは楽しめない。それがタイ人の本音なのだろう。

ワールドカップ開催期間中、人と会えばどのチームに、いくら掛けているのか?が挨拶代わりである。どのチームを応援しているのか?じゃないのが面白い。もちろん日本チームの試合を分析、解説してくれる熱狂的なサッカーファンもタイに居ないわけではないが・・・・・・。

そんなこともあって、ワールドカップが終わると消息不明になる人が必ず出てくる。サッカー賭博の借金が膨らんで身動きが取れなくなった人だ。つまり借金から逃れる為に夜逃げするのである。

そんな賭博好きなタイ人の普段の楽しみと言えば政府公認の宝くじである。タイでは月に2回、宝くじが販売される。タイの宝くじは2枚が1組だ。1枚ごとの価格は40バーツだから1組だと80バーツになる。しかしこの価格には販売手数料が上乗せされていない。タイでは宝くじに手数料を上乗せして販売するのが普通である。この手数料が売り子たちの儲けになるのだ。

通常は1組90バーツから120バーツで売られることが多い。しかし人気のある番号は当選番号が決まっていないのに価格が高騰する。1枚150バーツで売られる宝くじもある。日本人的にはどうにも理解できないが、これがタイの宝くじ事情である。

ちなみに当選金は1等が200万バーツ。日本円で600万円だから1組だと1200万円になる。タイの物価からいえば1億2000万円の価値だろうか。末等は下2桁で1000バーツ。1組だと2000バーツである。この下2桁を狙うタイ人も多い。夢を買うのか? それとも楽しみを買うのか? タイ人の宝くじへの思いはきっと、その両方なのだと思う。

 

中村蒸一 Profile

ph7

タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
詳しくはこちらをクリック!

インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」