タイのお正月がやって来た!
「ソンクラン」を楽しむための心得とは?

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暑い。車の温度計に目をやると外気は39度。しかし湿気がないから日本の夏の様な不快感はない。ちょっと汗をかいてもバイクに跨り路地中を走るとすぐに汗も引く。日差しはきついが、体を横切る風は案外心地好い。

4月のタイは暑期の真最中。タイらしい季節の到来だ。学校も長い夏休み休暇に入る。

そして4月と言えばタイ正月と呼ばれるソンクランがやってくる。4月の13日から15日の3日間がソンクランで祭日となる。しかし多くの会社がソンクランに前後して5日から1週間休む。地方からバンコクへ出稼ぎに来ている人達はソンクランになると実家へと帰る。ソンクランはタイ人にとって日本のお盆と正月を一緒にしたぐらい大事な国民行事なのだ。

このソンクラン、別名水掛け祭りとも呼ばれている。本来のソンクランは仏像へ水を掛けてほこりを落とし清める儀式である。今でもその儀式はあちらこちらで目にすることができる。日本の灌仏会とルーツは同じなのではないだろうか。日本のお寺では釈迦の誕生日である4月8日に仏像に柄杓で甘茶を掛けて祝う習慣があったと記憶している。

そんな儀式がどうしてこうなったのか。祭り好きなタイ人の気質なのか。ソンクランになると沿道ではバケツや水鉄砲を使って水掛け合戦が繰り広げられる。外国人だろがお構いなし。まさに無礼講のお祭りなのである。

この水掛け合戦を楽しみにソンクランの時期を狙ってタイを訪れる旅行者も少なくない。しかし現地に住む多くの日本人は日本へ一時帰国したり近隣諸国へ旅行に出かける。まさに水から逃れる為の国外脱出だ。最初は楽しかったソンクランの水掛けも2年目、3年目となると「もう、うんざり」というのが現地に住む日本人の本音なのかもしれない。ソンクランの時に携帯電話やデジカメに水を掛けられて駄目にしてしまったという嘆きの声もよく聞く。

そしてもっと気をつけなければいけないのがエアコンである。水を掛けられ濡れたままエアコンの効いた場所に入る。タイの空調施設は日本以上に冷えていて風邪をひくこと間違いなし。ソンクランになると体調を崩すタイ人は本当に多い。その一番の原因が濡れたままの服でエアコンの部屋なのである。

どうかソンクラン期間中にタイを訪れる方は防水対策と沢山の着替えをお忘れなく! そして挨拶は「サワディー・ピーマイ!(新年明けましておめでとうございます)」と元気よく行きましょう。

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中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
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