日本で日本語の分かるタイ人の社員と路線バスに乗った。バス停に時刻表がある。そしてほぼ時刻表通りにバスがやってくる。タイでは考えられないと彼らはまず驚く。
そしてバスの車内では次の停車駅を案内してくれる。急停車にご注意下さい。お忘れ物にご注意下さい。そんなアナウンスも流れてくる。日本のバスの心配りに彼らは再度驚くのだ。
中でも彼らが一番驚いたのは「ご乗車お疲れ様でした。次は終点・・・・・・」というアナウンスだった。見ず知らずの人にまでねぎらいの言葉を掛けてくれる日本のバス。日本人には聞き慣れた言葉でも、タイ人には驚きの言葉だったに違いない。
日本はサービスが良い。いや良すぎる。路線バスに乗るだけで感動してもらえたのは嬉しいというよりびっくりだった。
しかし、その逆もある。タイにはタイなりのサービス精神がある。それに私が感動することもあるのだ。
先週、陸運局へ出かけてきた。1年に1度、自動車やバイクを所有する人は車両税を納めなくてはならない。
なんとバンコクの陸運局ではドライブ・スルーで車に乗ったまま納税することが出来る。ファースト・フード店でハンバーガーを買う感覚で納税が終わるのだ。しかも予想していたより掛る時間は短い。今回は約15分足らずで納税が終わり無事に徴収票を貰って車のフロントガラスに張る事が出来た。
実は陸運局だけでなく水道局の一部でもドライブ・スルーで水道代が払える。しかも両局とも朝7時半から受け付けているので、会社に行く途中に立ち寄ることも可能なのだ。
ドライブ・スルーは車から降りなくてもいい。駐車場を探す必要もない。とにかくサバイ(楽)でサドゥアック(便利)なシステムである。ファースト・フード店だけでなく役所にまでドライブ・スルーが浸透するタイ。これぞタイ人のサービス精神と日本人の私はびっくりしたのだ。
「役所イコールサービスが悪い」、決してそうでもないのがバンコクの役所なのである。
面倒だと足が遠のく。便利にしてどんどん来てもらおう。そんな深読みをするのは私が日本人だからだろうか?
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
詳しくはこちらをクリック!