タイ人の心を動かすイベント
大人気の『さっぽろ雪まつり』へ

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+ 雪まつり最後の夜。そこではフィナーレの式典が行われていた

 

日本の冬の風物詩といえば『さっぽろ雪まつり』だ。1950年にはじまった雪まつりは今年で65回目を迎える。いまや歴史と伝統を感じるこの祭りに実はタイも大きく関与しているのをご存じだろうか。

『さっぽろ雪まつり』会場内で行われる国際雪像コンクールにタイチームは1974年から参加を開始。その後、参加を取りやめた年も何年かあったようだ。

そんなタイチームが雪まつりで注目を浴びるようになったのは2000年に入ってからのことである。これまで準優勝止まりだったタイチーム。しかし2008年から2010年まで3年連続で雪像コンクール優勝を獲得。雪に全く縁のない国の人がまこと器用に雪像を彫り上げる。その姿は会場に足を運んだ多くの人たちの感動を誘った。前代未聞の快挙は日本でもかなり話題になったようだ。

そしてこのビッグ・ニュースはタイでも大きく報道され「さっぽろ雪まつり」が多くのタイ人に知れ渡るきっかけになったのは間違いない。

2012年の冬からバンコクと札幌間にタイ国際航空の定期便が就航。2013年の秋からは週3便だったフライトがデイリー就航へとなっている。

いまや「さっぽろ雪まつり」だけでなく北海道はタイ人に人気の日本を代表する観光地なのだ。

さて今年も『さっぽろ雪まつり』にタイ人スタッフと参加してきた。これまで5回は雪まつりに参加している。しかし今年のお目当ては雪まつり自体ではなかった。

雪像大破壊。

雪まつりが終わった翌日に行われる雪像の解体式に参加してきたのだ。

午前8時。雪像作りに協力した陸上自衛隊と大会実行委員会の関係者が雪像の前に整列。雪像に清酒をたむけ、一同で敬礼を終えると重機が雪像へ向かう。

「どさっ、どさっ・・・・・・どっ、どっ、どぉ」。

重苦しくも乾いた音が会場内を包む。

「あぁ・・・・・・っ」

タイ人の口からも、日本人の口からも、こぼれ出た言葉はこの一言だけだった。驚き、動揺、そして何とも言えない儚さと寂しさ。

解体された雪像の雪は春まで大通公園で雪山になって過ごすらしい。

帰り際、雪山に向かってタイ人と一緒に手を合わせる。

墓じゃないのだから・・・・・・。

でも手を合わせたくなる何かが雪山にはあった。

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+ 解体式に臨む陸上自衛隊の隊員の方々

 

写真③

+ いよいよ重機のスコップが雪像へ向かう

 

写真④

+ だんだんと雪像が雪山へと変わっていく

 

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
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