世界遺産に見る
フォトジェニックな「廃墟の美」

ワット・マハタート アユタヤ

<ワット・マハタート>に残る仏頭。生命力あふれる木が抱きかかえているように見えます

 

アユタヤ王朝の繁栄と滅亡

アユタヤの地に都が置かれたのは1351年から1767年までの417年間です。16世紀半ばには一時的にビルマの軍門に下り属国となったものの、1584年には独立を回復。それ以降は、ヨーロッパと東アジアを結ぶ国際貿易都市として繁栄しました。沼津出身の日本人、山田長政がアユタヤ王朝の官吏の最高位に上り詰めたのは17世紀初頭のこと。アユタヤは、長政のような日本人以外にもオランダ人、フランス人、ポルトガル人、ベトナム人、中国人が闊歩するメトロポリスで、当時の人口はタイ人よりも外国人の方が多かったそうです。
アユタヤ王朝がその歴史に幕を降ろしたのは、1767年4月のこと。ビルマの侵攻によるものです。無条件降伏を求めるビルマ軍は、アユタヤの街を徹底的に破壊しました。タークシン(のちのトンブリー王)によって、同年中にタイ国内のビルマ勢力はほぼ一掃されますが、タークシンはアユタヤの荒廃ぶりに復興を断念し、バンコクへの遷都を決意します。

 

世界遺産だけではない魅力がいっぱい

アユタヤ歴史公園とその周辺の遺跡群は1991年にユネスコの世界遺産に登録されました。公園内の寺院は破壊され、仏像の頭は地に落ち、仏塔は傾いたまま。そんな廃墟の間を縫って歩くと、寂寥感がこみ上げて来るとともに、バンコクの壮麗な寺院にはない「廃墟の美」とも言える独特の美しさに心打たれます。そして、きっとその光景を写真に焼き付けたくなるはず。
遺跡群のほかにも、世界各国の建築様式を模した夏の離宮<バンパイン宮殿>や、地元の人々の崇敬を集める「縁起のよい寺」、名物の手長エビ料理のレストランなど、バンコクから日帰りで楽しむのにちょうどいいスポットがアユタヤ・エリアにはそろっていますよ。

 

ワット・マハタート Wat Mahathat

13世紀に創建された寺院。かつては黄金色に輝いていたと伝えられますが、ビルマの侵攻によって無惨な姿に。1956年の修復時には地下室より宝物が発見され、チャオサムプラヤー国立博物館に収蔵されました。

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ワット・プラ・シー・サンペット Wat Phra Si Sanphet

1491年に創建された王室専用寺院。3つの仏塔にはそれぞれアユタヤ王朝の3人の王の遺骨が納められています。高さ16mの黄金の仏像が安置されていましたが、ビルマ軍に破壊されてしまいました。日没後はライトアップ実施。

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ウィハーン・プラ・モンコン・ボピット Wihan Phra Mongkhon Bophit

高さ17mのブロンズ製仏像はタイ最大。1951年に修理した際、この仏像の体内から何百もの小さな仏像が発見されました。ウィハーンとは礼拝堂のこと。現在のものはビルマからも寄付を受けて、1956年に復元されたものです。

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ワット・ロカヤ・スタ Wat Lokaya Sutha

高さ5m、全長28mの寝釈迦仏が、草原の中で悠然と横たわっています。寺院などはビルマに破壊されてしまいましたが、実は寝釈迦仏も1956年に復元されたもの。なかなか味のあるユーモラスな表情をしています。

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ワット・ヤイ・チャイ・モンコン Wat Yai Chai Mongkon

そびえ立つ72mの仏塔は、1592年に19代ナレスワン王が、一騎打ちでビルマの王子に勝利したことを記念して建てられたものです。なんと象に乗って戦ったそうです。塔の周りには仏座像や寝釈迦仏が置かれています。仏塔のテラスには上ることができますよ。

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ワット・パナンチューン Wat Phananchoeng

アユタヤへ遷都する以前の1324年に建立。「縁起がいい寺院」として地元の人々の絶大なる信仰を集めています。そのわけは、再三に及んだビルマ軍の攻撃をかいくぐり奇跡的に残ったからだからだそうです。ほかには見られない中国風の装飾が施されているのもおもしろいですね。

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そのほかの見どころ

バンパイン宮殿 アユタヤ

バンパイン宮殿 アユタヤ

国王の夏の離宮<バンパイン宮殿 Bang Pa-in Summer Palace>では、タイ様式、中国様式はもちろん、ギリシア様式、スイスのシャレー様式、イギリスのゴシック様式など、さまざまな建築スタイルが見られます。現在も国王の住居、レセプション会場として使用

 

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ペー・クルン・カオ 手長エビ アユタヤ

アユタヤの名物は手長エビ。レストラン<ペー・クルン・カオ Phae Krung Kao>では、手長エビのガーリック炒め(小250バーツ)など、手頃な値段で楽しむことができます。そのほか、メニューにはオーソドックスなタイ料理が一通りそろっています

 

27_elephant エレファント・キャンプ アユタヤ

ゾウの背中から遺跡見物はいかが? アユタヤ歴史公園内にある<アユタヤ・エレファント・キャンプ>では、ゾウに乗ったり餌をやったりできるほか、敷地の外をゾウに乗ったまま歩けます。アユタヤの王さまになった気分が味わえますね。

 

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ワット・マハタート Wat Mahathat
Open Hour
8:00〜18:00
Entrance Fee
50バーツ

ワット・プラ・シー・サンペット Wat Phra Si Sanphet
Open Hour
7:00〜18:00
Entrance Fee
50バーツ

ウィハーン・プラ・モンコン・ボピット Wihan Phra Mongkhon Bophit
Open Hour
8:30〜16:30
Entrance Fee
なし

ワット・ロカヤ・スタ Wat Lokaya Sutha
Open Hour
常時見学可能
Entrance Fee
なし

ワット・ヤイ・チャイ・モンコン Wat Yai Chai Mongkon
Open Hour
8:00〜17:00
Entrance Fee
20バーツ

ワット・パナンチューン Wat Phananchoeng
Open Hour
8:00〜17:00
Entrance Fee
20バーツ


バンパイン宮殿 Bang Pa-in Summer Palace
Open Hour
8:00〜15:45
Entrance Fee
100バーツ

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