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たどり着くのもひと苦労
年に一度の入管参り

ビザ延長のスタンプ

今年も、またその日がやってきた。朝8時。自宅から一番近い高架鉄道(BTS)の駅、プロンポン駅へ向かう。噂には聞いていたが、朝の高架鉄道は東京の通勤電車並みの混み具合だ。あまりの混雑にびっくりしながらも隙間を見つけて体を車内へ潜り込ませる。とりあえず終点のモーチット駅まで移動。約30分で着いたが、実はここが最終目的地ではない。モーチット駅からはタクシーに乗り換えてスーンラチャカン(政府合同庁舎)があるジェンワッタナへ向かう。渋滞はしていないが、それでも30分は掛かる距離だった。なにせ合同庁舎の敷地の中が広い。日本の団地が2つから3つは収まるぐらいの広さなのだ。だから、その敷地内で行く先を間違えると、とんでもないことになる。

私が向かったのは入国管理局の庁舎。その日は1年に1度の入国管理局へ出頭する日だったのだ。入国管理局への出頭は業務ビザの更新には欠かせない。ビザ延長のための書類審査と簡単な質疑応答、そして写真撮影が行われる。それに掛かる時間は15分程だろうか。しかし、その順番が来るまでが大変なのだ。私が受け取った待ち番号札は「643番」。その時点で窓口が呼び出している番号は「223番」。約420人待ちだった。最終的に掛かった待ち時間は、おおよそ2時間半。書類の最終確認をして署名をした後は、普段はなかなかできない読書に没頭することができた。毎年のことなので、その辺は心得ている。人によっては、朝方行って終わったのは夕方という人もいる。私は朝方着き、なんとか正午過ぎに入国管理局を後にすることができた。

肝心のビザは延長が認められる予定だが、とりあえず審査中ということで1か月の延長の許可をもらう。正式に1年のビザが下りるのは来月になる。やはりここはタイ。そうすんなりと事は進まないのだ。

タイで外国人が働くには就労ビザに加え労働許可証が必要になる。まずは就労ビザを取得、または延長してから、労働許可を取るか延長する。それが一般的な流れだ。就労ビザは入国管理局。労働許可証は労務省と管轄が違う。それぞれの庁舎へ出向いて手続きが必要になる。ややこしい。そもそも、日本には労働許可証という制度がない。だから日本人の中には就労ビザを取得すればタイで働けると勘違いしている人もいる。注意が必要だ。

さて毎年の入国管理局参り。ここの官舎の中庭が凄い。無意味とも思える空間が広がっている。正直、東京ドームに行ったことはない。だから憶測だが、ドーム2個分ぐらいの無意味な空間が広がっているのだ。もし意味があるとすれば、失業対策だろうか。これだけの敷地内を掃除、維持するには最低でも20人は必要だろうなと、お節介な想像をしてしまう。やっぱりタイはアメージングな国だ。

入管の中庭

ただっ広い入管の中庭。横断するのも大変そうです

入管のビザ部門

ようやくたどり着いた入管のビザ発給部門

 

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」