氷点下4℃。冬の北海道としては温かいほうだとガイドさんはいう。吐く息が白くなる。タバコを吸っているようだとタイ人らは大はしゃぎ。雪を見るのも、触るのも初めて。そして、氷点下の世界もまた初めてなのだ。
私の会社では勤続5年目のタイ人社員を日本旅行へ連れていくことにしている。春の花見のシーズンの日本も人気だが、やはり冬の北海道に行きたいという希望が一番多い。今年は4人のタイ人社員と2月8日から11日まで北海道旅行を楽しんだ。今回は『札幌雪まつり』と『旭川雪まつり』の2か所の雪まつりを楽しむ、ちょっと贅沢な旅行だった。
ちなみに札幌雪まつりは漢字の「祭り」ではなく、ひらがなで「まつり」と表記するよう実行員会で取り決めされているのだとか。理由は宗教色を排除するためらしい。些細なことかもしれないが、いかにも日本らしい配慮だなと思った。
『旭川雪まつり』は札幌の雪まつりに比べ規模は小さい。しかし、氷の滑り台やスノーモービルで遊ぶスノーバナナなど親子で楽しめるアクティビティが充実している。家族で行くには、札幌の雪まつりより旭川の雪まつりのほうが楽しいかもしれない。何より人が少なく動きやすい。私らもそうだったが、旭山動物園に行ったあと立ち寄るには最適の場所ではないだろうか。
さて、日本旅行の楽しみといえば観光、食事、そしてお買い物である。果たして日本を旅行するタイ人は何をお土産として買っているのか? それをどこで買うのか? 気になる方は多いのではないだろうか?
うちの社員は『ドン・キホーテ』と『イオンモール』でお土産を買うことが多い。ドンキもイオンも免税対応だし、タイ語の案内や店内放送もある。そして何よりタイ人が買いたいと思うものがたくさんあるし安く買えるのだ。まずは何といっても日本のお菓子類。抹茶味やワサビ風味の『キットカット』やチョコレートはもう定番ではないだろうか。そして『カリカリ梅』や駄菓子の『うまい棒』もかなり人気がある。続いて日本のインスタント麺。タイのインスタント麺にはない高級感が受けているようだ。
季節によってはイチゴやブドウなど日本産の果物を抱え込むように買って帰るタイ人を『イオンモール』ではよく見かける。女性だと化粧品やサプリメント、男性だと日本の焼酎やウィスキー。そして『オニツカタイガー』のスポーツシューズも、まだまだお土産アイテムとしては人気のようだ。
タイ人の場合、中国人の様な爆買いをすることは少ない。おむつや粉ミルクにも全く興味がない。食べ物。おいしいもの。珍しいもの。日本製。それがタイ人の日本土産のツボの様な気がする。
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」