「キンジェー」がやって来た
しかも今年2回目(涙)

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これが「キンジャー」のロゴマーク

台風一過。日本は日増しに秋らしくなっているのではないだろうか? 運動の秋、読書の秋、そして食欲の秋である。タイでも雨季が明けるこの季節になると、様々な果物が出回るようになる。暑さがやわらぎ屋台で食事をする人も増える。タイの11月は秋ではないが食欲かきたてられる季節であることは間違いない。 が、今年はちょっと例年と事情が違う。つい先日終わったかと思った「キンジェー」が、またまたやって来たのだ。キンジェーとは菜食週間のことである。太陰暦の9月1日から9日の9日間、中国系の人たちの間で行われる伝統行事なのだ。キンジェーの期間中は、肉、魚、タマゴなどの動物性食品はとらない。タイ料理に欠かせないナンプラーも駄目である。そしてニンニクやネギ類など匂いのきつい野菜も食べない。もちろん飲酒も賭博もなしである。体と心の毒素を排出することを目的とした伝統行事なのである。 そんなキンジェーの期間がなぜ今年は2回も来るのか? タイ人でさえも首をかしげる人は多い。よくよく調べると、その理由は太陰暦の閏月にあるようだ。太陰暦では3年に1回閏月が来る。今年はたまたま閏月が9月と10月の間にあり、9月が2回あることになっているのだ。だから9月1日から9日迄行うキンジェーも2回来ることになる。 まず1回目のキンジェーは9月24日から10月2日まで。そして2回目のキンジェーは10月24日から11月1日迄である。街中の食堂にも黄色のジェーの旗がまた並んでいる。タイの料理屋は心得たもので、ちゃんとキンジェー用のメニューを用意している。タイ国際航空やバンコクエアーでは、この期間中キンジェー仕様の機内食を食べる事もできる。近距離だとキンジェー仕様のカップ麺なことが多いが。それでもちゃんとキンジェーをフォローする姿勢は素晴らしいと思う。 一方、タイにある焼肉屋さんや日本食レストランはキンジェーに入ると売上に影響がでる。キンジェーは辛抱の9日間なのだ。そんな9日間が今年はなんと2回もある。今年は閏月のおかげで2度泣くことになりそうだ。

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「キンジャー」バージョンのカップ麺

中村蒸一 Profile

ph7 タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」