暑い。タイの12月は通常だと涼しくて過ごしやすい月だ。にもかかわらず今年は一向に涼しくなる気配が感じられない。ちょっと期待外れの日々が続いている。
そんな暑いバンコクだが街中は年末ムードで盛り上がっている。ショッピングモールの前にでっかいクリスマス・ツリーが飾られ記念撮影をする人もいたりする。仏教国であっても関係なし。クリスマスは一つのイベントでありお祭りなのだ。それは日本も一緒だとおもうが・・・・・・。夜になると街中を覆うネオンの明かりの美しさも12月ならではだ。
さて年末といえばタイでも贈り物のシーズンである。日本のお歳暮のような感じで、お世話になった方へ贈り物をする習慣がタイにもある。私の会社にも取引先などから色々なギフトが届けられる。頂いたギフトは小分けにし、福袋に仕立て年末に従業員へプレゼントするのが我が社の定番イベントだ。何がもらえるかは運しだい。一年間頑張っていただいた従業員の皆さんへ感謝の気持ち込めて贈るようにしている。
ところで今年はちょっと変わった2つの新年プレゼントがタイで話題になっている。一つはバンコクの首都圏交通警察署が企画したプレゼント。それはバンコク都内で発生した交通違反に対し1000バーツ以下の罰金であれば100バーツに減額するという特別処置である。新年のプレゼントなので12月22日から1月15日までの限定措置だそうだ。
罰金を減額する警察から国民へのプレゼント。日本では想像もできないだろうが事実である。
そしてもう一つのプレゼント。それは政府から国民へのプレゼントである。タイ政府は12月25日から同月31日までの1週間の物品・サービスの購入費用を最大で1万5000バーツまで個人所得税から控除することを正式に発表したのだ。但しこの控除を受けるには付加価値税の制度登録をしている事業所からの購入に限られ、正式な領収書を発行してもらう必要がある。また酒やビール、煙草などの嗜好品、燃油、自動車や二輪車、船舶などの購入は控除外という細かい条件もついている。それでも、この措置によってタイ国内の個人消費が伸びるのは間違いないだろう。年末というタイミングになかなかのプレゼントである。見方によっては国民への人気稼ぎともとれるが、まんざら悪い傾向ではないと個人的には思うのだ。
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」