黄色い声に包まれる
タイの徴兵検査

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Photo from: The Military Recruitment Center in Thailand

 

ソンクランが終わった。今年は5連休。会社によっては1週間休むところもあったようだ。やっとバンコクらしくなってきたなと感じたのは週明けの月曜日だった。

このソンクランが終わると話題になるが徴兵のことである。日本と違ってタイは徴兵制があり男性は21歳になると徴兵検査を受けなければならない。この徴兵検査が行われるのが毎年4月なのである。今年は4月1日から12日だった。丁度ソンクランの時期に重なる年もある。

この徴兵検査でよく話題になるのは検査に訪れる綺麗な女性たちレディーボーイ(おかま)の存在である。戸籍上は男性であるので徴兵の検査を受ける義務が彼女(彼)らにはあるのである。もちろん検査では兵役免除となる。理由は書くまでもないが・・・・・・。ちなみに以前は「精神障害」という判定でレディーボーイは兵役免除となっていた。しかし、検査での結果が、その後の就職活動にも影響を与えることから2012年より「性同一性障害」という判定をするようになったようだ。

ほか兵役が免除になるのは大学院生、僧侶、障害や病気を抱える者となっている。

そして徴兵検査に合格した者が全員兵役につくわけではない。合格者からまずは志願者を募る。そして足りない人員に関しては、何とくじ引きで決めるのである。黒紙を引けば兵役免除。赤紙を引けば2年間の兵役となる。まさに運命の一瞬なのだ。

兵役に就くと基地内の寮に住み、厳しい軍隊生活を送らなければならない。特に海軍は訓練や規律が厳しいと言われ、海軍の入隊がくじで決まると、その場で卒倒する者も出てくる。そんなドキュメンタリーな映像が毎年ニュースとしてテレビから流れてくる。

男性の身分証明書を持つ艶めかしい女性たち、入隊が決まり卒倒する人・・・・・・。徴兵制のない日本人男性には到底理解できないことだらけのタイの風物詩、徴兵検査なのである。

ちなみに、なぜタイにはレディーボーイが多いのか?その理由の一つにタイには徴兵制度があるからだという人が居る。あながち外れてはいないかもしれない。

 

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Photo from: The Military Recruitment Center in Thailand

中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」