日本では12月に入ると一年を振り返る企画が増える。流行語大賞、レコード大賞、そして十大ニュースなどなど・・・・・・。
しかし、ここタイでは12月に入っても一年を振り返るような企画はない。12月になったから一年を振り返ってみよう。そんな気持ちがタイ人にはないのかもしれない。そもそも日記を付ける習慣がほとんどない人々である。
同じなのは12月にはいると忘年会、パーティーをやることだろうか。日本人は今年一年の嫌な事を忘れ、その苦労を労うために酒を飲む。だから忘年会なのである。
しかしタイ人には「忘年会」という観念もない。タイ人には何かを忘れるために酒を飲もうという意識がないからだ。彼らは何かを楽しむために酒を飲む。だからタイ人は歌って、踊って、騒いでが大好きなのだ。その辺がやはり日本人とは違う。仏教徒なのにクリスマスの衣装を着けてプレゼント交換をする。楽しければ何でもあり。それがタイの宴会スタイルである。
さて今年はタイに住む日本人にとっては肩身の狭い思いをすることが多かった。タイ人の代理母に子供を何人も産ませた日本人男性はニュースと言うより社会問題の扱いだった。日本人の父親もさることながら、その手助けをした医者や代理母までが批判の的となったからだ。違法性に関する審議、その結果は未だに出ていないのではないだろか?
そして不審死をした日本人2人も日本とタイの両国でニュースになった。保険金目的の殺人。昔からよくある事件ではあるが、まさかこんな身近なところで起きていたなんて。そう驚愕した在タイの日本人も少なくなかったはずである。タイ人と結婚して現地に住む日本人、自分自身を含めて色々と考えさせられる事件だった。
他にも都心のビルで焼身自殺した日本人などもニュースになった。男女関係のもつれ。ありがちとはいえ異国で焼身自殺することはなかったろう。現地に住む日本人の多くはそう語っていた。
今年一年の日本人にまつわる、そんな、こんな出来事。きっとタイ人はそんな事もあったけ?と軽く流してしまうに違いない。
それでいいのだ。17年も住んでいると何の抵抗もなくそう思える。
中村蒸一 Profile
タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」