月別アーカイブ: 2014年10月

「キンジェー」がやって来た
しかも今年2回目(涙)

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これが「キンジャー」のロゴマーク

台風一過。日本は日増しに秋らしくなっているのではないだろうか? 運動の秋、読書の秋、そして食欲の秋である。タイでも雨季が明けるこの季節になると、様々な果物が出回るようになる。暑さがやわらぎ屋台で食事をする人も増える。タイの11月は秋ではないが食欲かきたてられる季節であることは間違いない。 が、今年はちょっと例年と事情が違う。つい先日終わったかと思った「キンジェー」が、またまたやって来たのだ。キンジェーとは菜食週間のことである。太陰暦の9月1日から9日の9日間、中国系の人たちの間で行われる伝統行事なのだ。キンジェーの期間中は、肉、魚、タマゴなどの動物性食品はとらない。タイ料理に欠かせないナンプラーも駄目である。そしてニンニクやネギ類など匂いのきつい野菜も食べない。もちろん飲酒も賭博もなしである。体と心の毒素を排出することを目的とした伝統行事なのである。 そんなキンジェーの期間がなぜ今年は2回も来るのか? タイ人でさえも首をかしげる人は多い。よくよく調べると、その理由は太陰暦の閏月にあるようだ。太陰暦では3年に1回閏月が来る。今年はたまたま閏月が9月と10月の間にあり、9月が2回あることになっているのだ。だから9月1日から9日迄行うキンジェーも2回来ることになる。 まず1回目のキンジェーは9月24日から10月2日まで。そして2回目のキンジェーは10月24日から11月1日迄である。街中の食堂にも黄色のジェーの旗がまた並んでいる。タイの料理屋は心得たもので、ちゃんとキンジェー用のメニューを用意している。タイ国際航空やバンコクエアーでは、この期間中キンジェー仕様の機内食を食べる事もできる。近距離だとキンジェー仕様のカップ麺なことが多いが。それでもちゃんとキンジェーをフォローする姿勢は素晴らしいと思う。 一方、タイにある焼肉屋さんや日本食レストランはキンジェーに入ると売上に影響がでる。キンジェーは辛抱の9日間なのだ。そんな9日間が今年はなんと2回もある。今年は閏月のおかげで2度泣くことになりそうだ。

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「キンジャー」バージョンのカップ麺

中村蒸一 Profile

ph7 タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。 詳しくはこちらをクリック! インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」

より自由に楽しく!
タイ社会に見る個人主義

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道端のモノ売り。路地のバイクタクシーの運転手。屋台のジュース屋さん。軒先の縫製職人や靴職人。流しの宝くじ売り。タイには日本で見かけない職業の人が沢山いる。

一見、彼らは呑気でのんびり、自由気ままに働いているように見える。でも実際は家族や田舎の両親の生活を支える為に一生懸命なのだ。しかし、だからといって悲壮感はない。その仕事が好きで、その仕事を楽しんでいる人が多い気がする。個人事業主だから休みたい時には休む。また何時から仕事をはじめて、何時に終わるかも自分で決められる。その辺の緩さがタイ人の気質に合っているのだろう。だからか? サラリーマンよりも個人事業主として何か仕事を見つけたいというタイ人は多い。お金に対する憧れよりも自由に対する憧れかもしれない。

大学を卒業しても就職せず、タクシーの運転手をしている若者も最近は多いらしい。タイのタクシーは個人タクシーがほとんどだ。タクシー用の車を買えない人は、タクシー会社からタクシー用の車を1日400バーツほどで借りて運転する。売上からレンタル代の400バーツとガソリン代を差し引いた金額が自分の取り分になる。週に何日働かなくてはいけないという決まりはない。2種免許とタクシー用の車を借りるお金、そして土地勘があればタクシードライバーになれる。なかには会社勤めをしながら、週末の休みだけタクシーの運転手という人もいる。これがタイのタクシー運転手という職業の実態なのだ。

さて、タイでは軍が政権を把握して5か月が過ぎようとしている。政治的な混乱は収まった。観光客も戻ってきて、街に活気を感じるようにもなった。でも景気回復の実感はイマイチといったところか?

10月の末にはハロウィーンがやってくる。息子が通う幼稚園ではハロウィーンの日、仮装して登校させてくださいと連絡があった。ここ数年、タイではハロウィーンを楽しむ人が確実に増えて来ている。仏教国のタイで祝うハロウィーンは何かチグハグな感じがする。でもタイ人はお化けやイベント事が大好きなのだ。皆が楽しめれば良いじゃない。そんな自由さもタイ人ならではの個人主義なんだろうか?

 
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中村蒸一 Profile

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タイで日本居酒屋<寅次郎><どんたく 九州酒場>を展開する、なえぎ(タイランド)株式会社代表。
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インタビュー「熱い思いで本物の日本居酒屋をタイに根付かせる!」