「古き美しきタイ」が残る王宮エリア
東南アジアを代表するメトロポリス、バンコク。摩天楼がそびえ立ち、いつも活気にあふれています。その一方で、旧市街と呼ばれるラッタナコーシン島には、王宮を中心に壮麗な建築を誇る仏教寺院が立ち並んでいます。
タイの首都、バンコクの歴史は、1782年、ラーマ1世がラッタナコーシン島に遷都した時に遡ります。このエリアは「バンコク発祥の地」としてその後の町の発展の礎となりました。ちなみにラッタナコーシン島は運河に囲まれた人口の島で、完成するまでに3年の歳月を要したそうです。
タイで最も美しいと評される寺院
ラーマ1世によるバンコク遷都と同時に着工されたのが、<ワット・プラ・ケオ>。タイで最も格式が高く、かつ最も美しい寺院と言われています。「エメラルド寺院」とも称されますが、これは本堂に祀られている本尊がエメラルド色をしたヒスイでつくられているためです。寺院内にエメラルドが散りばめられているわけではありません。
わかってはいるけれど、敷地を歩くと「どこかにエメラルドが埋め込まれているのでは?」と思わせるほど、きらびやかな建築が並んでいます。柱の側面やお堂の壁面には、金色をベースにした繊細なモザイク模様が施されており、ひとつひとつ見ていくと時間がたつのも忘れてしまいそうです。
そのほか、寺院を囲む回廊に描かれている壁画(インドの叙事詩『ラーマーヤナ』が元になった『ラーマーキエン』がモチーフ)や精巧な<アンコール・ワット>の模型など、見どころが多いので、時間をとってじっくりと見学してほしい寺院です。
大寝釈迦仏の微笑みに魅了される
<ワット・プラ・ケオ>と王宮に隣接して立っているのが<ワット・ポー>。隣接とは言え、歩くには距離があるので、トゥクトゥクを利用するのがおすすめです。<ワット・ポー>が建立されたのはアユタヤ王朝末期(17世紀末)のこと。バンコク最古の寺院として崇敬を集めています。
なによりもインパクトがあるのが黄金色の大寝釈迦仏。そのスケールはまさに圧巻で、1枚の写真にその姿を収めるのはなかなか難しいほどです。この像はラーマ3世(1824〜1851年)によるもの。足の裏には仏教の心理が108面の螺鈿細工画によって描かれています。荘厳な雰囲気を湛える一方で、優しく微笑んでいるようにも見える仏の穏やかな表情には、心がほどけていくような安らぎも感じられます。
本堂から出ると林立する仏塔が目に入ります。ひときわ大きな4つの仏塔は、ラーマ1世から4世までの4人の王さまを表わしています。小さな仏塔はお墓のようなもので、なかには遺骨が納められているそうです。仏塔には中国製の陶器の破片がはめ込まれています。また、中庭には中国風の彫像なども見られ、タイ文化と中国文化がミックスされた建築様式とされています。言われてみると中国風の石像なども目につきます。
「暁の寺」のシンボルは優美な大仏塔
<ワット・プラ・ケオ><ワット・ポー>からチャオプラヤー川を挟んだ場所に鎮座する<ワット・アルン>に行くには、ターティアン船着場から渡船に乗ります。運賃は3バーツ。10分ほどのクルージングですが、ゆっくりと近づいて来る<ワット・アルン>の大仏塔を船上から眺めていると気分が盛り上がって来ます。
<ワット・アルン>は「暁の寺」という異名をもっています。トンブリー朝を開いたタクシーンがアユタヤを離れてバンコクのこの寺に夜明け時にたどり着いたことに由来するそうです。また、現在は<ワット・プラ・ケオ>にある「エメラルド仏」は、ビエンチャンから戦利品として持ち出された当初は、この寺に安置されていました。
寺院のシンボルは、高さ75m、台座の周囲234mの大仏塔。周囲には4つの小塔とともに日常とは隔絶された空間を作り出しています。大仏塔はラーマ2世の時代に建設が始まり、ラーマ3世の治世に完成したものです。大仏塔のテラスには階段で上ることができます。この階段がかなり急。特に下りはかなり怖いので、高所に自信がない人にはおすすめしません。テラスからはチャオプラヤー川対岸の王宮や<ワット・ポー>のほか、中華街方面の市街地を見渡せます。
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ワット・プラ・ケオ Wat Phra Kaeo
Open Hour
8:00〜15:30
Entrance Fee
500バーツ
ワット・ポー Wat Pho
Open Hour
8:00〜17:00
Entrance Fee
100バーツ
ワット・アルン Wat Arun
Open Hour
8:30〜17:00
Entrance Fee
50バーツ
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